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選ばれざる言霊使い   作者: シロライオン
第1章 名もなき島 編
38/75

ハーレムってなんだっけ?

前回のあらすじ

イケメンエルフを懲らしめたつもりだったが、まだ懲りてないようだった。

ギリアンとの決闘が終わり、リント達は宿に向かった。

本当はマリーの装備を整えようと思っていたがギリアンの治療に時間が掛かり、もう遅い時間なので帰る事にした。


「いやぁ~。一時はどうなるかと思いましたよ~。」


マリーが安堵の言葉を発する。


「リントさんが決闘を引き受けるなんて思いませんでした~。」

「俺も引き受けるつもりはなかったんだけど、ロイドさんに、そそのかされたからねー。」


「決闘?良いじゃないか。その方がお互いあと腐れなくて済む。それともリント君は逃げるのかい?」


てな事を言われたので、リントも引くに引けなくなったのだ。


「でもやっぱり、リントさん強いんですね~。さすが孤高のソロリスト〜!」


マリーはリントの戦闘を直接見たのは今回が初めてだった。

ギリアンを圧倒していたリントに尊敬の眼差しを向ける。


「・・・そんな事ないよ。今回は運が良かったんだよ。ギリアンが手の内を明かしてくれたしね。それに最近武器に頼り過ぎてる気がするし、気を引き締めないと。」

「またまた~。謙遜して~。いつの間にか闇司教(ダークビショップ)になってるし~。どうやってなったんですか~?」

「うーん。不意打ちの狩りばかりやってたからなったのかもね。我ながらめっちゃ卑怯だと思う。」


(恐らくハーデの影響だと思うけどね。)


宿に着くとサーシャが笑顔で出迎えてくれた。

シャワーに入り、みんなで夕食を取った。マリーは豪華な夕食に驚いているようだった。志願奴隷の時は、簡素なスープとパンしか食卓に並ばなかったらしい。


(それで胸がすこーしだけ小さいのかな?)


リントがそんな事を考えていると、サーシャが今後の話しをしてくれた。

サーシャが手配してくれた船は、なんとサーシャの私物らしい。

行き先は人間の王国がある大陸、ランルージ大陸だ。ここなら人口の5割が人間なので、レギオ王国の目も届きにくいだろうとの事。最寄りの港までは船で3日掛かるらしい。出発は2日後。


マリーにこの町を出る事を告げると冒険者に憧れていただけあって、反対どころか喜んでくれた。


しかし、リントはその前にどうしても寄って欲しい島があった。魔物のライスフラワーがいる無人島だ。ライスフラワーの頭には果実が実っていて、それが米に近いものらしい。この島にはクチバシに触れたら石化するコカトリスが住み着いていて、1人で行くことは諦めていたが今のリントは3人パーティーなので、最悪石化しても治してくれる仲間がいる。是非寄りたい島だった。


リントがその話をするとサーシャはライスフラワーの実を久しぶりに食べてみたいとの事で、実を船に積み込む事を約束に快く承諾してくれた。


後から聞いた話だが、リント達を送り届けてくれる船乗りもサーシャが以前世話をしていた人達でサーシャには頭が上がらないとの事だった。さすがは元勇者のパーティーメンバー。



リント達は夕食を終えて部屋に戻った。

空き部屋はもうないらしく、シングルベッドが1つあるここで寝るしかなかった。

マリーはクピスから貰った半透明のネグリジェを着ていた。クピスは寝る時に獣化するので、マリーにサーシャから貰ったネグリジェをあげたみたいだ。

少しだけ肌が透けていて、白い下着が見える。身長が低く胸もあまりないが、スタイルは抜群に良かった。健全な男子なら誰でも反応してしまう格好だ。

(クピスの時もそうだったが、ここまで来る時に他の人に見られたらどうするんだ!お父さん許しませんよ!)


「モフモフ~。」

「バゥ。」


マリーはクピスに抱き着いてベッドに転がった。シングルベッドなので2人がベッドに寝ると、リントの入るスペースがほとんどない。

リントがどうしようかと考えていると


「リントさん~。早く~。」


マリーが勘違いしそうなセリフを吐く。


「え?良いの?」

「そりゃ良いでしょ~。床で寝るんですか~?」


(あ!そっちの《良い》ね。そっちの。)


「あ!リントさん~。まさか邪な事考えてないですか~?」

「ま、まさか!そ、そんな訳ないじゃない。。。」


リントは動揺し過ぎておネェ言葉になった。


「ウフ。怪しいな~・・・こんないたいけな14歳の女の子を慰み者にしようとしてたでしょ~?まだ私、成人もしてない生娘なんですよ~?」

「う、うん。ごめん。」


(そう言えばマリーは、前に仕えた富豪の息子にヒドイ目に遭わされたんだった!・・・俺って奴は最低だな。)


リントは悲しそうに下を俯く。

マリーはそんなリントを見て、愛しく感じた。


「・・・今はクピスちゃんもいるし、こんなに狭かったら。。。」


マリーは小声で言った。


「え?何て?」


リントはよく聞き取れなかった。


「・・・リントさんがどうしてもって言うなら、その。。。しょ、しょりぐらいは。。。」


マリーは、さっきより更に小声で言った。


「ん?」


全然聞き取れない。


「もう~!早くこっちに来て下さい~!」

「は、はい。」


リントは指示された通りにマリーとクピスの間に入って仰向けになり2人を腕枕した。

体をピッタリくっつけないと、ベッドから落ちてしまうギリギリのスペースだった。


「両手に花ですね〜。」

「ワン。」


マリーの小振りながらも、柔らかな膨らみがリントに当たる。


(・・・・俺は生殺しなんだけど。・・・・ハーレムってなんだっけ?)



次の日の朝、昨夜眠れなかったリントはまだ寝ていた。


「リントさん~!朝ですよ~~!」


リントは起きない。

マリーはリントを揺さぶってみる。

それでも、起きる気配はない。

ほっぺたを強くつねってみる。

しかし全然起きる気配がない。



それを見かねたクピスはリントの顔に近づいたかと思うと、キスをした。


「え~!?」


マリーは突然のクピスの行動に驚いた。

何気ない顔で急にキスをしたのだ。


「これしたら、おきる。」


クピスはそう言うと、今度はねっとりと舌を入れ出した。


「ん?ん~~。」


リントは無意識のまま、それを受け入れる。

マリーは急に始まったそれが、衝撃的で目が離せなかった。


それは1分ぐらい続いただろうか。


「もぅ~!朝から何やってるんですか~!」

「ん?」


クピスは唇を離し、リントは目を開ける。

ようやく目覚めたみたいだ。


「ふぁぁ~。あ。おはよう。マリー。」

「もぅ知らない!!」


マリーはそう言うと、下に降りて行った。


「あれ?何で怒ってるの?」

「??」


クピスは首を傾げる。

クピスは何故マリーが怒っているか分からなかった。

ただ、好きな人と舌を絡ませる。それはクピスにとって最高の愛情表現で、それ以上の事はクピスの知識にはない。今まで狼だったので当たり前と言えば当たり前だ。そしてリントを独り占めしようという気もない。マリーもすれば良いのに。。。と思っているほどだ。



リントは何故か?不機嫌なマリーをなだめてルル&キキの店に向かった。

店先にCLOSEと書いてある。今日は休みのようだった。


「げ!閉まってるじゃん。マリーの装備はここで買いたかったんだけどなぁ~。」

「ですね~。」

「しょうがない。。。お別れの挨拶もしたかったんだけど、明日出発だから取りあえず他の武器屋に行くか。」


リント達はその場を去ろうとするとルルの声が聞こえた。


「リントく~~~ん!」


振り向くと店の2階の窓からルルが叫んでいた。


「そこで待ってて~。」


そう言うとルルは窓を閉めた。


「どうしたんだろ?」

「ん~?」


マリーと顔を合わせながら少し待つと、店からルルとキキが急いで出て来た。


「はぁはぁ。。リント君。。。お願いがあるんです。」

「ん?どしたの?」

「ルルとキキも一緒に連れてって下さい!」

「え?」

★サーシャ先生の補足授業★

ライスフラワーの実はそのままだと食べれないの。

遠い昔の勇者が、初めてその実を炊いて食べたって話よ。

食感はもち米みたい。って言ってたらしいわ。

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