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選ばれざる言霊使い   作者: シロライオン
第1章 名もなき島 編
33/75

天職

前回のあらすじ

マリーが自分を買ってくれとリントに頼んだ。

「マリーも働いて、自分を買うお金を稼ぎます!」


マリーは真剣な顔でリントを見つめる。


「よし!分かった!俺も何とかしてみる!」

「ありがとうございます!マリーは明後日、お休みなので奴隷協会に来てくれますか?」

「もちろん。待っててくれ。」

「やったー!リントさん大好きですーー!!」


マリーはもう一度リントに抱き着いた。


(なんか俺、急にモテフラグ立ちまくりなんだけど。)


「ところでリントさん~。さっきからずっとこっちを見ているあの子は誰ですか~?」


リントが振り向くとクピスは心配そうにこちらを見ている。


「あ。あの子はね。。。驚かないでね?」


リントはクピスの事を簡単に説明した。


「ええーーーーーーー!!」


(まぁ、そうなるよね。)


「まぁ、またマリーを買ったら詳しく説明するよ。この事は秘密にしといてね。」

「はい~。分かりました~。でもこれでモフモフしながら一緒に寝れますね~。」

(はうあ!!寝る事とか何も考えてなかった!!普通一緒に寝るのか?そりゃ寝るか。ヤベ。どうしよう。嬉しいけど心の準備ががが。)


「リントさん?」

「あ!ごめんごめん。何でもない。。。クエストの清算お願出来る?」


二週間も鉱山跡地に籠っていた為、クエスト報酬が結構なお金になった。

ルルとキキもドロップを全てくれたリントに対して、クエスト報酬は全てリントに渡すようにギルドに告げていたようだ。

更にクエストを受けていなかったとは言え、突発的なC級のボスを倒した事で特別ボーナスが出た。


「今回は。。。600000リェンです!」

「え!そんなに?」

「はい~!やりましたね~!」

「これでマリーを100日分ぐらいは買えるな!」

「あい!」


クピスもマリーを歓迎しているようだ。


「そして、今回はC級のボスを倒したと言う事で特別にCランクへアップです~!」

「マジで!?なんか出来すぎで怖い!」

「じゃあ、いつものようにお願いします!」


リントはギルド証を手にしてシルバーカードをイメージした。


「その証に大地の恵みを与えし力よ。大いなる叡智の盟約のもと、今ここに白銀の弓矢へと力を変えん!シルバーチェンジーー!」


マリーがいつものように思い付きで考えた詠唱が終わると、何故かタイミング良くカードが光に包まれる。そしてブロンズカードはシルバーカードになった。


「マリー様~ありがたや~。」

「えっへん。」

「わぁ~。」


クピスはその様子を見て目をキラキラ輝かせ、マリーを尊敬の眼差しで見ていた。

マリーは適当に詠唱してるだけなんだが。


「そういえば、マリー。クピスも何か職業に就けるかな?」

「あ~。どうなんですかね~?マリーもそのパターンは初めてなんで~。取りあえずやってみましょ~。」


クピスは渡されたギルド証を手に持ち自分の名前を念じた。

するとギルド証が淡く光だし、クピスの名前がギルド証に刻まれた。


「おー!成功だ!やったな!クピス!」

「あい!」

「問題は何の職業にするかだな。。。クピス何が良い?」


ズラッと表示されている職業覧を見てクピスは困っているようだ。

言葉は理解出来るが文字は読めない。

リントのように転生者で特別な措置を受けている訳でもないので当然と言えば当然だ。


「ごめん。そうだよね。分からないよね。」

「・・・・クピスは何が好きなんですか~?」

「う~ん。。。魚?」

「それは食べ物でしょ~。」

「そ、そっか。じゃあ、あんまり無理させたくないから後衛とか?」

「う~ん。。言葉がまだ喋れないんで詠唱がしんどいかもしれませんね~。。。あ!でもこれなんかどうですか~?」


マリーが指を指したのは旋律士だった。


「これだったら詠唱はないので良いと思いますよ〜。」

「おー!良いね!クピスどう?」

「あい!」


クピスは事を理解してないが、2人が勧めてきたので嬉しくて快諾した。


「じゃあ、クピス。旋律士と頭に思い浮かべてね〜。」


クピスはギルド証を持ち頭に旋律士と思い浮かべた。


「音の神エウテルペーよ。その奏での力ににより、汝の子を示さん!」


マリーがそう言うとギルド証が輝きだし、クピスの職業覧に旋律士と刻まれた。


「そんな神いるの?」

「知りません!」

「・・・・・ですよね。」



この日は色々な事があり過ぎて疲れた為、早めに宿に帰った。


「あら。お帰りなさい。」

「だたいまー。サーシャさん俺、ギルドランクCになりましたよ。」

「本当?こんな短期間ですごいじゃない!おめでとう!」

「ありがとうございます!・・・・それで先生ご相談なんですが、例の推薦状書いて頂けませんか?」

「え?まさか・・・そんなに可愛い子がいるのに?まだ欲しいの?」

「いやいやいや。違いますよ。誤解です!」


マリーの件をサーシャに話した。


「あのマリーが?・・・分かったわ。あなたを疑う訳じゃないけど明日直接本人に聞いてみるわ。」

「ありがとうございます!」


夕食を済ませ、それぞれシャワーを浴びた2人は部屋に戻った。

クピスの格好はサーシャさんから貰った半透明のネグリジェを着ており、下着が透けて見える。クッキリ体のラインが見えるので健全な男子であれば反応してもしょうがない格好だった。

2人は無言でベッドに横になる。

リントは邪な考えを浮かべながらそわそわしてた。


(ついに俺の異世界生活も初夜を迎える時が来たか。やべ。何か緊張してきた!)


リントはクピスに背中を向けて横になっていた。

数分間、心の準備をして勇気を振り絞り反対を振り向いてクピスに抱きついた。


「クピス!・・・あれ?」


リントは自分の手の感触に違和感を覚えた。

感触はネグリジェや、艶やかな肌の感触ではなく、モフモフしているのだ。


「・・・・・マジで!?」


リントが目を開けるとクピスは獣化して寝息を立てていた。

人化して間もない彼女は狼の姿の方がリラックスして眠る事が出来るのかもしれない。


「ハハ。可愛い奴だな。」


リントはクピスを撫でてやると、目を閉じた。


・・・・しかし、悶々として眠れなかった。


(カッコつけたけど体は正直だな。)


リントは眠れないので、何か良いスキルでもないかとギルド証のスキル一覧を眺めていた。

ふと、ギルド証の隅の職業欄に目が止まる。

職業欄に水僧侶(アクアプリースト)と書いてなかった。


(あれ?。。。いつの間にか職業が闇司教ダークビショップになってる!?)


★サーシャ先生の補足授業★

旋律士は魔楽器を使用する事で、パーティーメンバーに様々な補助効果を与える事が出来るの。

旋律士のスキルは味方の攻撃力を上げたり、敵の敏捷を下げたりと様々なスキルがあるわ。

ステータスは主に敏捷と筋力が上がるから、魔楽器で近接戦闘を行う事も可能よ。

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