スピーク
前回のあらすじ
鉱山跡地で白鳴石を見つける事が出来なかった。
「うーん。やっぱり希少価値が高いというだけあって、1日では見つかりませんでしたね~。」
ルルは残念そうに今日の事を振り返っている。
「明日からは店も開けないといけないからな。ルルとキキが交代制で鉱山跡地に行こうと思うんだがどうだ?」
キキがリントに問いかける。
「二人とも忙しいんだから、大丈夫だよ。魔物も強くなかったしスピークと2人で行ってくるよ。」
「いや、採集もしたいしレベルも上げたいからな。是非連れて行って欲しいんだ。」
「そっか。そういう事ならお願いしようかな。」
それから交代制で鉱山跡地に通う日が続いた。魔物はそれほど強くなかったので探索はスムーズに出来た。
しかし2週間ほど過ぎても、白鳴石は見つからなかった。
そしてリントはいつの間にかレベル30になっていた。
「だぁ~~~!マジで何処にもないな!もう全部探索したのに。」
リントは鉱山跡地で悲痛な声をあげる。
鉱山跡地で行ってないところは無くなっていた。
「そうですね~。確かにここにあるという情報があったんですが。」
ルルが困ったように告げる。
「そう言えば、この黒剣の材料の黒鳴石ってどうやって手に入れたの?」
「これはお父さんが元々持っていたものだったんです。マシーナリー大陸の洞窟にいる雷の日にしか現れないボスモンスターのドロップらしいんですが。。。」
(何か嫌な予感が・・・)
「もしかして、白鳴石ってボスモンスターのドロップなんじゃ?」
「・・・・・・かもしれませんね。」
「そういや、一番奥の空洞って無駄に広かったけど何もなかったよね?無駄にデカい岩があっただけで。」
「ですね。もしかしたらあそこに現れるのかも。。。」
「雷の日か。。。あの岩に、電落としたらボスが現れたりして。。。」
「可能性はありますね。あそこの空洞天井がなかったですし。」
リント達はこの日は町に帰り、戦力を集める事にした。
しかし現れるかどうかも分からないボス戦に力を貸してくれる人はいなかった。
1人を除いて。
「なんじゃと?美味い酒が作れるかもしれない?分かった。行こう。」
こうしてヴァンガードを同行させることに成功したリント達は次の日4人と1匹で鉱山跡地に向かった。
一番奥の空洞に着くとスピークに魔力増強のポーションを飲んでもらった。
「よし!スピーク頼む!」
「ワン!」
スピークは魔力を琥珀の首輪に集めバチバチ音を鳴らしながらと雷を帯電させる。
「ワォーーーーン!!!!」
スピークが遠吠えを上げると空から細い紫電が降り注ぎ大きな岩に当たった。
爆裂音の後に岩は砕け、砂煙が舞う。
「おー!すごいの。このワン公。」
「犬じゃない!狼だ!」
砂煙が無くなると、そこには体長が3mぐらいの白い角が生えた黒い馬が立っていた。
黒馬はリント達を視認するとスピーク目掛けてもの凄い速さで突進してきた。
「ヴァンガード!」
リントが叫ぶ!スピークは魔力を使い果たし、動く事が出来ない。
ヴァンガードはすぐさま大盾を構え黒馬の突進を防ぐ。
しかし、あまりの衝撃に耐え切れずヴァンガードは後方に吹きとんだ!
「ぬぉぉぉ!」
その間リントはスピークを水鞭で引き寄せ、後方に配置。
すると突然黒馬の白い角が光り輝き、砕けた岩がルルとキキ目掛けて飛んでくる。
「水障壁!」
リントは無詠唱で壁を作りだし、岩をガード。岩は勢いを失い止まる。
「土魔法!?キキ下がって!ルルが足止めしてみる!」
ルルが黒馬に向かって走りだした。
しかし黒馬はその大きな体とは裏腹に動きが速い。ルルはハンマーを振ったが、黒馬に躱され逆に体当たりを受け、後方に飛ばされる。
「きゃああ!」
「ルル!大丈夫か!?」
ルルは手から出血をしていたが、上手く受け身を取っていたようで無事みたいだ。
「この!光弾!」
キキの放った無詠唱の光弾は黒馬に当たったが、あまりダメージを与えている様子はない。
しかし、その攻撃で黒馬のターゲットがキキに移る。
黒馬の突進を受けたキキは後方に飛ぶ!
「キキー!」
リントは叫びながら黒馬に斬りかかる。
ダメージは与えているが、黒馬は倒れない。
「光治癒」
ルルがキキに向けて回復魔法を使う。ここ2週間で覚えた初級の光魔法だ。
しかし、ルルは鍛冶師なので止血するぐらいの回復しか出来ない。
「キキ!ポーションで両方(HPとMP)回復してくれ!」
リントは黒馬と対峙しながら指示を出す。黒馬のターゲットはリントに移っていた。
リントの攻撃は黒馬に当たってはいるが、ダメージは浅い。飛んでくる岩と体当たりのコンビネーションでなかなか渾身の一撃を繰り出せない。
そんな時、キキの全体回復ポーションスキルで魔力を回復したスピークが黒馬に噛みつく!
「ブルルル!」
スピークの電撃を帯びた噛みつき攻撃でさすがにタフな黒馬でも悲鳴を上げる。
黒馬が暴れだし、スピークは突き放され後方に吹き飛び壁に激突!
リントは咄嗟にスピークを助けようと水鞭をスピーク目掛けて放つが距離が足りなかった。
そして黒馬は壁に激突し、動けないスピークに目掛けて角を突き刺す!
「キャィン!」
黒馬の角で突き刺されたスピークは赤い血を大量に流し、動けなくなっていた。
「そんな・・・・嘘だろ。。。」
リントの悲痛な声をあざ笑うかのように、黒馬は角をスピークから乱暴に抜きだしスピークを放り投げる。
角から投げ出されたスピークは微動だにしない。
リントは本能的に理解した。スピークが絶命した事を。
「!!!!クソがぁぁぁ!」
リントは我を忘れ、水鞭を黒馬に目掛けて放ち、闘気覚醒も使用した。
自分の事を顧みず防御無視で、ただ黒馬を殺してやる!という事しか頭になかった。
水鞭で勢いを増したリントは角を向けて突進してくる黒馬に向かって剣を突き刺す!
ドス!という鈍い音が2つした。
その音と同時にリントは目の前が真っ暗になり、意識を失った。
★サーシャ先生の補足授業★
黒馬が使用したのは土魔法じゃないわ。
土魔法は無から土を生成出来るの。
あれは特殊な岩を角から出る音で飛ばしていたのよ。




