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選ばれざる言霊使い   作者: シロライオン
第1章 名もなき島 編
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検証

前回のあらすじ

銀狼の名前がスピークになった。

ルル達と別れを告げて俺は検証の為に森に向かう。

スピーク(銀狼)に言霊ことだまを使って使役?することが出来た。

ならば他の魔物も使役出来るかどうか検証することにした。


いたいた。


カメレオーナを発見。

体長は約50cm。Fクラス級のカメレオン型の魔物だ。


俺は仲間になれ~。とイメージしながら言霊ことだまを放つ。

カメレオーナに当たるとオーラが見える。

色は黄色。好物は虫。


うーん。イメージしてやってるんだけどいつもと変わらないな。


スピークを待機させ、カメレオーナの前に出る。

カメレオーナはこちらに気づきオーラを赤くさせた。


あれ?やっぱりダメだ


カメレオーナは長い舌を使ってリントに攻撃。リントはそれを躱す。しかしこちらから攻撃はしない。

それを10分ぐらい続けたがオーラは変わらない。


なんでだ?イメージはちゃんと出来てるはず。やはり理性がある魔物じゃないとダメなのか?


リントは仕方なくカメレオーナを斬り伏せた。

そのあと少し遠出して、コボルトやオーク等、色々試してみたがダメだった。


「オークでもダメか。理性ありそうなんだけどな。魔獣使いリント様の冒険!への道のりは長そうだな・・・なんでお前には通じたんだろうな?スピーク。」

「クゥ?」


スピークは首をかしげた。


「まぁいいや。ゆっくり試して行こう。それにしてもお前がいるだけで俺の戦闘がかなり楽になる。ありがとうな」

「バゥ!」


言霊ことだまの検証中にスピークに魔物と戦わせていた。

持ち前のスピードと攻撃力で1度も被弾せずEクラス級の魔物を圧倒していた。

俺と出会った時は怪我をしていたので分からなかったが普通のブラッディウルフより明らかに格上だった。今の俺と1対1で戦ったら情けない事に勝てる自信がない。


「そういやお前何食べるんだっけ?魔物食えるの?」


スピークは首を横に振る。


「え?食べれないの?果物とかだったら食べれる?」


スピークは反応しない。


「まさか魚しか食えないとか言わないよな?」

「バゥ!」

「うそーん。肉程じゃないけど魚も結構高いんだよ?」

「ワン」

「えー?マジでか。贅沢者め。じゃあ、帰りに捕って帰ろう。帰り道に小川があったはずだ」


小川に着くとスピークは手際よく魚を捉えてリントに渡す。

「器用だな~。まぁいつも捕ってたならこれぐらい余裕か。でもギルド証にも重量制限があるから、あん

まりストック出来ないぞ?いつも海や川に来れる訳じゃないし。魚は夕食だけな?」

「クゥーン」


スピークは悲しそうだったがしょうがない。魚は自給自足してもらおう。



検証を終えて俺達はヴェネの町に帰った。


「あら、お帰りなさい」


サーシャさんは黒縁の眼鏡をかけて難しそうな本を読んでいた。


「ただいま」


サーシャ先生眼鏡がエロい。属性が先生だからめっちゃエロい。


「どうしたの?顔がニヤついているわよ?」

「あ。いやなんでもないです。何の本読んでるんですか?」


慌てて本の事を聞いた。


「その子の事調べようと思って魔物図鑑読んでるんだけど何処にも載ってないの。ブラッディウルフの亜種は今まで発見された事はないみたいだわ」

「そうなんですか。じゃあこいつが第一号かもしれませんね」

「そうねぇ。でもまだ読んでない本もあるし探してみるわ」

「そうですか。何か分かったら教えて下さい。あ。魚捕って来たんで今日の夕食はこれにしてもらっていいですか?」

「ええ。いいわよ。ブルーノに渡しておいて」


ブルーノとはサーシャさんの宿屋で働いている志願奴隷の獣人の男の子。ブルーノは主に料理を担当している。他にも12歳ぐらいの志願奴隷の子供が5人程宿で働いている。サーシャさんも昔は宿で働く志願奴隷だった。そこで昔の勇者に買われたと言っていた。


俺達はシャワーを浴びて夕食を済ませて部屋に戻った。

ベッドは少し狭いがスピークと寝るだけのスペースはある。


「よし!今日から毎日モフモフし放題だぜー!」

「バゥ!」


俺はモフモフしながら眠りについた。



--次の日


俺達はルル&キキの店に行って採掘用のピッケルと防具を受け取った後、鍾乳洞に向かった。



鍾乳洞の中は広かった。一本道で霧がかかって薄暗かったが逆にそれが幻想的だった。水が光に反射してうっとりするほどだ。


「めっちゃキレイだな!スピーク!」

「バゥ!」


スピークとピクニック気分で琥珀を探しながら進んでいるとやはり魔物が出て来た。


「こんなキレイなところでもやっぱりいるのね」


体長は約3m。冒険者の心得によると名前はオルーム。

オオサンショウウオが大きくなったような魔物でDクラス級。


「スピーク!」


俺が叫ぶとスピークが前に出る。

昨日の検証中にスピークとは自然に連携が取れていた。

まずスピークが前に出て相手の注意を引き付け攻撃を躱して俺が隙を突いて攻撃するといったものだ。


スピークはオルームの尻尾攻撃を躱す。オルームは怪力だがスピードは遅くスピークにはまず当たらない。俺はスピークが引き付けている間に胴体を突く!

しかし浅かった。オルームは皮膚が硬くて剣も抜けなくなってしまった。胴体からは緑色の体液が飛び出たが、オルームは倒れない。剣を刺されたオルームが暴れたので俺は剣を刺したまま後方に回避した。


「硬いな」


オルームが俺に気を取られていると今度はスピークが頭に噛みついた。ダメージは与えているようだがまだ倒れない。俺は槍を取り出しスピークが噛んだ部分に突撃。


「闘気覚醒!」


槍は頭を貫きオルームは倒れた。

十字を切るとオルームをドロップ化した。


そろそろ武器も考えないとな・・・普通の武器じゃDランクではキツイかもしれん。毎回、武技使ってたらHPの消費が激しいから水治癒キュアでMPを持っていかれる。



そんな事を考えながらオルームを数匹倒した所で岩陰の隅に琥珀らしき物を発見した。


「たぶんこれだな。キキが本で見せてくれたのと一緒だ。じゃあ、俺はこれを掘るからスピークは周りを警戒しててくれ」

「ワン!」


ピッケルで琥珀を採掘して30分。ギルド証に入るだけの琥珀を詰めていた時だった。

スピークが突然吠え出した。


「グルル~。ガゥ!」


振り向くとそこにはリザードマンが1匹こちらを向いていた。

★サーシャ先生の補足授業★

リザードマンは体長約2m片手剣と盾を装備していて知力も高い。

トカゲのような人型モンスターでCクラス級のモンスターよ。

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