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選ばれざる言霊使い   作者: シロライオン
第1章 名もなき島 編
2/75

初戦闘

気が付くと小高い山の上にいた。夕日が見えたので時刻は夕方ぐらいかな?

そんな事よりここ何処だろ?・・・って地名言われても分からないけど。でも環境は地球に似ているみたいだ。少し暑い。四方を見渡すと海に囲まれていて遠目に町らしきものが見える。

四方に海を見渡せるという事は大きさからしてどうやら何処かの島に飛ばされたみたいだな。大陸にしては小さすぎる。

てか町に召喚しろよな。普通は初心者の町とかに召喚するだろ。

と思ったけど考えても仕方ないので歩いて町を目指すか。


「っとその前にステータスとか見れるのかな。異世界に来たらお約束のヤツ」


頭でステータスオープン!と念じるとヴォン!っとステータス画面が目の前に出てきた。


==============================================

リント 21歳 男 人間

称号 :勇者になれなかった者

レベル:1

ランク:G

職業 :なし

HP :10/10

MP :7/7

筋力 :6

耐久 :5

敏捷 :7

魔力 :10

運  :15

スキル:言霊ことだまレベル1(生物と意志疎通が出来る)

装備 :ジャージ

==============================================


まぁ一般人だからこんなもんか。

でも言霊ことだまのレベルが書いてあるって事はレベルUPしたら出来る事が増えるかもしれない。

ここに希望を持って頑張りまっしょい。


丘を下り出して30分ぐらい経過した頃俺は後ろに何かの気配を感じていた。

恐る恐る振り向くとそこには身長110㎝ぐらいの緑色の生物がいた。


「これがゴブリンってやつか!」


何かの漫画で見た事がある。醜い顔と長い耳。体全体が緑色。どう見てもゴブリンだ。

俺は本能で言霊ことだまってやつを使って意志疎通を試してみた。

すると口の辺りから透明な球体が飛びだしゴブリンに当たった。

しかしゴブリンには見えていないのか、何も感じていないようだったがゴブリンの周りにオーラが見えた。真っ赤なオーラが。そう思った瞬間。ゴブリンが手に持った剣で襲い掛かってきた!


「ギー!」


俺ははすかさずゴブリンの袈裟切りを躱した。


あぶねぇ!いきなり死んで虫になるところだった!てか全然意志疎通出来ないじゃないか!敵意があることは分かったが・・・レベル1だとこんなもんか?


もう戦うしかないと思って近くにあった太い棒切れを拾う。


「やってやろうじゃねぇか!かかってこい!」


ゴブリンは奇声をあげながら剣で斬りつけてきた!さっきと同じモーションだ。すかさず俺はは太い棒切れでこれをガード。ゴブリンの剣が棒切れにくい込んで抜けなくなった。よし!ゴブリンの剣など切れ味はないと俺はふんでいたのだ。そしてゴブリンが剣を抜こうともがいているところを蹴り飛ばす。


「うらぁ!」


ゴブリンの腹にクリティカルヒット!回転しながら転んでいった。俺はすかさず棒に刺さったゴブリンの剣を引き抜きゴブリンの腹に突き刺した!

断末魔と血しぶきをあげてゴブリンは息を引き取る。

初めての命のやりとりだったけど俺は不思議と冷静だった。


てか魔物ってやっぱり問答無用で襲ってくるもんなんだな。

ゴブリンの剣を頂戴し港町を目指して歩いた。



町にたどりついた。中世の港町って感じだ。建物は白を基調とされていて綺麗な街並みだった。

門には衛兵らしき髭もじゃの男が立っている。

背は低いが筋肉モリモリでプロレスラーみたい。


・・・・・俺のイメージだと、ドワーフかな?


近づくと髭もじゃの男が話しかけてきた。


「見ない顔だな・・・冒険者か?」

「いえ。どうやら船が座礁してここに流れついたみたいなんです・・・それ以外の記憶が全くなくて」


どうやら言葉は通じるらしい。転生者特別措置って奴だ。


「そうか。それは大変だったな。もう日も暮れる。今日は儂の知り合いの宿屋に泊まるといい。案内してやろう」


無骨な髭もじゃだけど人柄は良いみたいだ。もう少し俺を疑っても良いと思うが・・・。


「ありがとうございます!」


当然だけど転生者という事は隠した。

転生者がこの世界にとって、どんな位置づけなのか分からない。


髭もじゃに連れられて宿に着くと受付に、身長160㎝ぐらいの綺麗な女性が立っていた。

とがった耳に藍色の長髪。くっきりとした碧色の瞳。年齢は20歳前後。

すれ違うと思わず振り向いてしまう程の美人だ。

これがエルフってやつか?エルフはみんな美人ってのは都市伝説じゃなかったな。まぁこの人しかまだ見てないけど。


「いらっしゃい」

「サーシャ。部屋は空いているか?この者が宿を探しているんだ」

「空いているわ」

「すまないな。その部屋に泊まらせてやってくれ」

「それはいいけど、その人お金持ってるの?見るからになさそうだけど」


サーシャはそう言うと冷たい瞳でリントを見つめた。


げっ!そういえばお金の事何も考えてなかった!


「すいません・・・急に来て図々しいのですが、お金を借りる事は出来ませんか?」

「・・・・・」


俺がモジモジしていると下から上まで舐めまわすように見つめられた。

何か恥ずかしい。


「・・・・それは!ゴブリンの剣!?」


目の色を変えて美人エルフが聞いてくる。

先ほど頂戴した剣の事かな?


「はい。さっき倒したゴブリンから頂戴したのですが」

「そ、それでいいわ!その剣で1ヶ月無料タダで泊まらせてあげる!」

「え?こんなのでいいんですか?1ヶ月も?」

「いいわ!そうしましょ!!」


先ほどまでのクールな美人とは打って変わり何故か血相を変えてゴブリンの剣を欲しがった。

なに?そんなレアアイテムだったのこれ?

訳が分からないけどお腹も減って疲れてたので深く考えずも交渉に乗ることにした。

取りあえずご飯が確保出来れば後は何とかなるだろうしね。



後で聞いた話によるとサーシャは無類の剣コレクターらしい。

通常のゴブリンはゴブリンナイフを使っているらしく、ゴブリンの剣を使っているゴブリンは珍しいそうだ。レアアイテムだが、高く売れる物でもないらしい。変人が趣味で集めている品ってとこだ。



夕食はよく分からない茶色のスープだった。

味が薄く野菜っぽいものしか入っていないので、美味しいとは良い難い物だったがお腹が空いていたので取りあえずおかわりをしてお腹を満たした。


夕食が終わるとサーシャに部屋を案内された。

部屋の中は簡素な物入れとベッドがあるだけの質素な部屋だった。

唯一窓があったので日当たりは悪くなさそうだ。


ベッドに横になった瞬間、緊張の糸が切れて疲れがどっと押し寄せて来た。

初の異世界に緊張していたのかもしれない。


「明日は冒険者ギルドにでも行ってみるか・・・ある・・・よな?」


なかったらどうしようと思いながら眠りに着いた。

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