紋章学と青銅の剣と取説
――紋章学と青銅の剣の取説だよ
「ふっふ~ん、ようこそ、クンヘル先生の『紋章学と青銅の剣』取説コーナーへ」
「クンヘル、誰に向かって話してるのです?」
「ナーセットそれは聞かない約束だよ♡」
「……分かりました。一人事としましょう」(かわいそうな人を見る目で)
「うっ、うん……。マジな目で見ないでよ……」(少し涙目)
「いいから続けてください」
「はい……」(ショボーん)
「まず、どうしてこのようなコーナーをやるのでしょうか?」
「けして、作者の執筆スピードが遅いから、テコ入れをしているわけではないのだよ」
「一番は、絶対それですね」
「作者が、設定を確認するためのコーナーなのだよ」(すっとボケ)
「そちらも、そちらで情けありませんが……」
――魔法とは
「今回は、魔法について、まとめよう」
「たしかに、レオナールの元いた世界では、無い考えですね」
「そう、魔法とは、マナをエネルギーにして、生物を媒介に、自然現象を変革する力」
「魔力とは、マナを取込み、蓄積する力ですね」
「魔法とは、その魔力を利用して、自然現象を変革させるんだけど、その変革までのプロセスには『詠唱』『歌』『記入』『印』などの工程が必要になるんだ」
「クンヘルのように、プロセスを『思考』のみでできる人もいますが」
「そう、その中で『紋章(図形)』によるプロセスは珍しいんだ」
「基本的には、能動的なプロセスが多い中、受動的なものとは珍しいですね」
「プロセスは、突き詰めると自然現象の変革をどうイメージできるかになる」
「それでは、能動的なプロセスでなければ、魔法は発動しないのではないのですか?」
「イメージするのは、決して術者だけじゃないんだよ。マナそのものも思考するんだよ」
「マナにも意思があるんですか?」
「そう考えていいと思うよ。マナを『紋章』に流し込むと、イメージとしてマナの意思が術者に送り込まれるんだ。だから、誰でも魔力さえその事象に見合えば使えるのだよ」
「本人にも申し上げましたが、とても強大な力ですね」
「そうだね。作中最強の私より、強くなれる要素はあるよ」
「あの方は何故、『紋章』を刻むことができるのでしょうか?」
「え~。それは言えないな~」
「クンヘル」(ジロリンチョ)
「とっ、特別だよ。彼は、術者の思考とマナの思考を無意識に把握しているんだよ。彼の存在はどちらかというとマナよりだからね」
「実態はあるのに、マナより何ですか?」
「それを言うと、種族の話になってしまうんだけれど、人族と魔族の違いは、作中で説明させてもらったけど、私たちもマナよりではあるんだよ」
「マナの影響を受けて、実態も変化してくるとは、マナの意思が関係していたんですね」
「そういう事。話を戻すけれども、現在彼がどこまで成長したのか、まとめてみることにするよ」
固有能力
【バイオス】…魔導具の使用者もしくは魔石を、魔術回路とつなぎぐ能力
【ユーザ】…【バイオス】について発動を、特定の術者に固定する能力
【アクセス】…【バイオス】について発動を、あらゆる術者が使用できる能力
【マテリアル】…マナを物質化する能力
【ストレージ】…蓄積する能力。【マテリアル】と相性が良い
【アブソーブ】…技を知覚する事により、構造(発動までのプロセス)を奪う
【ルート】…魔法を知覚する事により、構造(発動までのプロセス)を奪う
「固有能力としては、こんなもんかな?【ユーザ】【アクセス】については、セキュリティ上重要になるが、まだあまり使われていないね。正確に言えば、両方ともマナの意思に関係する能力なんだけれどね」
「マナの意思に関係する能力?」
「マナはさっきも言ったように、イメージを使用者に伝える。使用者も各々に、マナを操作するうえでの癖が必ずあり、その癖をマナの意思が見分けて、例えば【ユーザ】は、使用者を限定する。【アクセス】の方は、全くその魔法を使用したことの無い者でも、イメージしやすい事を、マナの意思が判断し、スムーズにブートまで導く」
「使用者にたいする回路ではなく、マナの意思への回路というわけですね」
「今後は、この能力が重要になってくるだろうね。誰でも一定以上の力を行使できる『魔導具』は、使用者を選択するようにしなければ争いのもととなるからね」
「あの方には、釘はさしてあります」
「そうかい。ありがとうナーセット。今日はこの辺にしておこうか」
「はい、カンヘル。パンダパンケーキは、落下の影響で今はありませんが、サクーアから狸型ロボ焼きと言われるものを買ってきました。おやつにいたしましょう」
「お~け~」