1 初めての方はオレが説明するぜ
本編をお読みの方は2からで大丈夫です。
ちーす。オレ、逸花 大成。普段はプロのギタリスト目指すフリーターだけど、家に変身して悪と戦う建築戦隊やっていま~す。
さっき、公園で戦ったんだけど、そこで敵がコンクリートを飛ばしてきたんだ。そのコンクリが、オレが変身するショージコーポのガラスに当たり、ガラスが割れ、オレの肩を直撃!痛すぎで動けず。敵は、一緒に戦っていた、高層マンションレーアントシティに変身するレイナさんが倒したんだ。
公園のすぐ近くに、建築戦隊のリーダである、オレの幼馴染の丹羽 一斗の住む家がある。一斗とは、小学校から高校まで同じで、家族とも付き合いがある。
レイナさんは、一斗の母親、華子さんとママ友で、よく会っているらしい。今日もレイナさんの坊主1歳と、華子さんの子で一斗の妹2歳と公園で遊んでいたところ、敵に襲われたそうだ。そこをたまたまオレが通りかかって、一緒に戦った訳。
丹羽家に移動して、華子さんがオレの怪我の手当てをしてくれた。子ども達は、いつの間にか寝てしまった。一斗は仕事で不在だが、もうすぐ帰ってくるそうだ。手当て中に、華子さんに電話がかかってきた。華子さんは電話を受け、急用があると出かけてしまった。
残された大人二人、オレとレイナさん。
「お茶、冷蔵庫にあるから」
と華子さんに言われていたので、レイナさんはオレにもお茶を淹れてくれた。
帰るにも、傷が痛むので、少し落ち着いてからでないと厳しい。オレはリビングのソファでぐったりと座った。レイナさんは少し離れた場所の椅子に座っている。間がもたねーなと思っていたら、レイナさんがやたらと高いテンションで話してきた。
「建築戦隊に足りない物、って恋愛ですよね~。ワタシは子持ちだし、若い女性キャラいないし。そうそう、大成さん、彼女とかいないんですか?」
いきなり何でしょう。
「いない…けど」
「じゃあ、好きな人は?」
今、特にいないなあ、…女では…
「いやあ、別に…」
「まさか、男同士とかないですね」
え?いきなり何を言うんだ?オレは一人の男を思い浮かべてしまった。幼馴染のあいつ。
「あれは、別に友達として…」
レイナさんがそんな話をする人とは、と思いつつ、オレもお茶を飲んだ。最初は気づかず、ぐいぐいと飲んでしまった。でも、これ、何か変だ。
「レイナさん、このお茶、何か変じゃないですか?」
「お茶かと思ったら、お酒…やだ、ワタシったら」
その時華子さんが帰ってきた。華子さんは。お茶と酒と間違えやすい場所においてしまったと詫びて、レイナさんを介抱した。子どもたちもお目覚めしたので、華子さんは、レイナさんを送って行った。