第2話☆ハカセのいじめ
今回はいじめについて書いてみました。
ふぅ〜、疲れた。
午前の授業が終わって、今は昼の休憩中。
ヒロに誘われて、一緒に弁当を食べている。
いつも通り、嘘にしか聞こえない武勇伝を語ってるヒロ。
よくそんなにもでまかせが言えるもんだ。
適当に話を聞き、弁当を食べていたら、
「お〜い、ハカセ!カレーパンとミルクティー買ってきてくんねぇ。」
「あっ、俺も買ってきて〜。」
と聞こえてきた。
「う、うん。いいけどお金は?」
「あ〜、今度返すから。早く買ってこいよ。」
「えっ・・・わかった。」
と言って、ハカセはそそくさと走っていった。
周りにいた奴はみんな、かわいそうという風に見てるだけ。
昼食の時のいつもの光景。
ハカセと呼ばれている奴の名前はタダシ。
ヒョロくて眼鏡をかけているからハカセ。
見た目と同じで気が弱いから、すぐにいじめの標的になり、いつもパシリにされている。
もちろん金なんて返してもらったことないだろうな。
「いじめとかさぁ、マジでむかつくんだけど。」
ヒロは聞こえないように小声で、俺に言ってきた。
「うん。そうだね。」
俺も正直、いじめは嫌いだ。
なんで高校生にもなって、こんな醜いことをするんだと思う。
昼食くらい自分で買えばいいし、イライラしてるなら人にあたらなくて、
なんか趣味とかにぶつければいいじゃんか!!いじめなんて、めんどくさいだけだろう。
「俺、あいつらぶちのめしてこようかな。」
『お前、本当に口だけだな!出来るならやってこいよ。』
なんて、いつも通り言えるわけないんだけどね。
ただ口だけしか言えないこいつが、少しむかつく・・・それも小声ってのが更に気に触る。
はぁはぁと、息を切らせながらハカセが帰ってきた。
何も言わず、命令してた奴らが取っていって、バイバイと手を振った。
ハカセは自分の席へ戻り、一人で弁当を食べ始めた。
寂しそうな後姿に、同情したくなる。
『一緒に食べようよ。』
と誘ったら、ハカセはどれだけ喜ぶかな。
でも、もしそれが原因で俺も標的にされたら・・・
また考えるだけで、何もしない自分。
さっきヒロにむかついたけど、俺も一緒なのかな。
弁当を食べ終えて、逃げるように教室から出た。
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