第七話
すみません今回少し短いです。
説明回ぽいです。
あれから、一応動かす事ができた。
歩くだけだが。
マニュアルを覚えたからと言って、すぐに上手く動かせるとは思っていなかったが、ほとんど動かせないのは想定外だった。
社長のパワードスーツは当時のハイエンド機を改造した物なので、操作がピーキーなところはあるが、それは機動的な動きをするときに問題になることだ。
基本的な動きでは、むしろ他の機体より簡単なはず。
なんどか試すうちに分かってきたが、動かないのは動作遅延が発生しているのが原因のようだった。
このパワードスーツには体表の電位差を測定し、自操縦者の動きを頭で考えるより早く反映してくれるシステムが搭載されている。
今では極普通のシステムだが、当時の最新鋭技術だ。
しかし俺に限っては、逆に上手くいかない原因となっている。
体表に流れる微弱な電流を測定する装置が上手く働いていないのだ。
ためしに、体内を循環する魔力を抑えると、パワードスーツを動かす事ができた。
体を覆う魔力が体表に流れる電流に干渉し、機械が上手く動作しないようだ。
魔力を軽く抑えればパワードスーツを歩かせる事はできるが、走らせようと魔力を強く抑え測定装置への干渉を減らせば、今度は体が動かない。
魔力を抑えることに集中してしまい、ほとんど動けない。
魔法を使用するのと似た感じだ、使用中はほとんど動けない。
あちらを立てればこちらが立たず。
訓練すれば動かせるかもしれないが、今までにない動きだ。
どちらかと言えば、魔力をガンガン放出して動くのが今までのスタイルだったのだ。
習得には時間がかかりそうだった。
そんなこんなで、パワードスーツの貸し出しは保留となってしまった。
残念ではあるが、魔法を使いながら動く事が可能になれば、パワードスーツを動かせるようになり、動きながら魔法をぶっ放す、動く固定砲台も実現する。
一石二鳥である。
新たな可能性に夢も広がる。
仕事を終えて孤児院へ帰ると夕食の時間だ。
すでに用意されているので、食堂に向かう。
朝とは違い、孤児院の面子しかいないが、食事の時間はいつも賑やかだ。
見ているだけで和んでくる。
「はいっ! あ~んっ!」
「あ~~~んっ」
「こんどわ、わたしっ!わたしっ!」
ルークとレオン、ハルナが三人で代わる代わる交代で食べさせあっている。
以前、俺が風邪をひいたアリサ相手にからかったのを覚えているみたいだ。
たまに、こちらに飛び火してくるが、基本的に三人でやっている。
みな年齢は同じだが、年下に世話を焼くというシチュエーションがお気に入りのようだ。
アリサは怒るわけにもいかず、顔を赤くして黙々とご飯をたべている。
俺はそれらを見ながら和んでいるわけだ。
シスターさんも厳しい人ではないので、いつもにこにこしながら食べている。
食事が終わると、片づけはシスターさんとアリサがやってくれるので、三人の面倒をみる。
食後の勉強だ。
この国には義務教育といったものが無い。
学校はあるが必要な資格を取りに行くというものが多い。
工業用ロボットの運転資格、車の運転資格などがそうだ。
他にも語学学校、歴史学校、またそれらを集めた総合学校などいろいろあるが、学びたい人が学ぶのがこの国だ。
学校を卒業するのは大変だが入学に特別な条件と試験はほぼ無いので、基本的に誰でもはいれるのだ。
入学に条件があるのは、危険な資格や軍の関係するものが多く、あっても年齢や国籍くらいだ、勉強は最悪入学してからでも間にあう。
必要なものはやる気だ。
なので、簡単な教育は各家庭で行われている
俺としては、幼いころに異世界に連れて行かれ冒険者として働き、さらに別の異世界に移動した身。
最初は一般教養の差に愕然とした。
小さいアリサですら、二次方程式を理解し、微分積分を使いこなしていたのだ。
最初見たときは何かの呪文かと思ったぐらいだ。
対する俺は。
算数は加減乗除ができるくらいで、歴史は壊滅状態。
ほとんど必要なかったのだから仕方がない。
今では教える側になったが、当時は片端から教科書を覚えまくった記憶がある。
とにかく、最初から覚えることが多くて大変だった。
途中から応用がきいたが、基礎を覚えるまでが地獄だった。
勉強が終われば、後は風呂に入って寝るだけだ。
明日は休日で仕事も休み。
久しぶりに遊びに行くとする。
半分は勉強と修行だが。
風呂場のシーンを書こうとして力尽きました。
申し訳ないです。
追加できれば後日書きたいと思います。
主人公の魔法ですが、ダークソウルのシステムをイメージしてます。
魔法を使っているときは移動できない。
継続する魔法は維持している間移動できる。
といった感じです。
動く固定砲台とは、木目ローリング結晶槍ぶっぱをイメージしていただければ、いいかと。
……わかりにくいですね。
あくまでイメージなので、今後変わる可能性はあります。