表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海へ……  作者: sana
4/5

act4. 犬の毛

「え、いや…何でもないっす。」


怪しいと思われちゃったかな…。初めて入ったし、瑠依のお誘いだし断る理由もなかった…。


お店の雰囲気は、マスターの人柄がでている内装だった。


「晃さん、遅くなってごめんなさい!」

「ゆっくりでも良かったのに。」


瑠依が店の奥から飛び出てきた。肩で息をしている。


「こら、お客さんなんだぞ!」

「マスター、別に気にしてないんで。」

「っていうか、晃さんはあたしの客なの!お父さんは黙っててよ!」


少し怒り気味に言う瑠依。可愛いな、こんなくだらない事で怒って。遅れただいたいの理由はわかるよ、その様子じゃ。


「菫と遊んでたっしょ?」


少し笑いながら聞いた。だって、マスターに必死に抵抗?してるし…、笑うよ。


「なんでわかるの?」


やっぱ、おもしろいわ瑠依って。自分の服に毛付いてあるの、気付いてないんだね。


「だって、服に菫の毛付いてるもん。」

「あ、ホントだ。取ってくる!」


また店の奥に戻った。笑いを堪えきれずに吹き出してしまった。


「マジ笑うし!面白すぎだから!」


マスターは俺を見て笑っていた。そして、話かけてきた。


「瑠依の友だちかい?」


友だちなんだろうか…知り合い?さっき知り合ったばかり。なんと言えばいいんだ?


「まぁ、そんなところです。」

「良かった…。」


良かったって何?少しその言葉が気にかかった。


「お待たせ。」


10分ぐらいで帰ってきた。俺はマスターに入れてもらったコーヒーに、砂糖を入れて混ぜながら答える。


「きちんと全部取った?」


そして、少しだけ口に含む。口の中には、コーヒーの苦みと砂糖の甘い味が広がる。美味しいコーヒーだ…。


「取ってきた…はず。」

「うん、取れてるよ。」


笑顔になる瑠依。喜怒哀楽がハッキリしているよね。分かりやすくて良いけど。


すると、俺の携帯が鳴る。電話の着信…彼女からだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ