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海へ……  作者: sana
3/5

act3. 年齢


「あ、歳はいくつ?」

「まだ17歳です。」

「俺は20歳で、名前は(コウ)。」

「年上なんですね。」


あ、やべっ…気を遣わせちゃうかも…。でも年齢を誤魔化したくないしね。


「でも、よく未成年に見られるけどね。」

「私から見たら、同級生より十分大人っぽいですよ!」

「…ありがと。」


久しぶりに?大人っぽいなんて言われた。大人っぽい…ってか、一応成人してるんですけど。まぁ、いっか。


「いつもここ散歩してるの?」

「はい!」


まだ敬語使ってるし。いつになったら止めてくれるんだ?俺が年上だからか。友達と話してる感覚でいいのに。


「可愛いね、菫。」

「うん。あたしが一目惚れして買った犬だからね。この毛の色も好き。だけど、一番愛くるしいのは目だね。」


おっと、犬の話をしたら敬語がなくなった。俺と同じこと行ってるしね。この調子で話をしていこうっと…。一緒に居て飽きないしね、瑠依は。でも、今日だけだよな。名前を知っていても、今日で最後だよな。


「もうそろそろで着くよ。」

「あそこだっけ?」


うろ覚えで、瑠依が言っていた店を指さした。確か…あのレトロっぽい所でいいんだよな?


「そう、あそこだよ。」


すっかり馴染んでるね、敬語なしに。犬の菫は瑠依の歩く速さに合わせていて、俺も二人の早さに合わせる。二人と一匹の間には、ゆっくりとした時間が流れる。太陽は沈みかけていて、空を紅く照らしている。


「寒くない?大丈夫?」


さっきまで暖かかったのに、日が沈むにつれ砂の温度が下がっていく。風も少し強くなってきた。すぐ帰るつもりで薄着で来たために、俺が少し寒かった。


「大丈夫。慣れてるから。」


店の近くには低い防波堤があり、その防波堤には砂浜とを行き来するための階段が付けられている。


瑠依は菫を抱え、階段を登る。俺もそれに続いて登る。上がりきったと思ったら、少しまた降りる。すると、店の前で瑠依が待っていた。


「晃さん、先に入って。」

「瑠依はどこ行くの?」


とっさに名前を呼んでしまう。本当は『ちゃん』って付けようと思っていたのに。でも、瑠依は少し驚いた様子を見せたがすぐに答えた。


「裏から入って、菫を家の中に置いてくるから、適当に座ってて。」

「おー、わかった。」


瑠依が裏に行ったのを確認すると、俺は店の中へ入った。


「いらっしゃい。」


マスターがいた。瑠依の父親なんだろうか…。何処に座っていいのかわからなかったために、カウンターに座った。


「何にしますか?」


水の入ったコップを俺の前に差し出しながら、俺に聞いてきた。


「ホットコーヒーを。」

「わかりました。」


きちんと豆からひいてるみたいた。瑠依が来ないために、俺は店の中をキョロキョロと見渡した。


「どうしましたか?」


マスターが俺に問う。

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