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海へ……  作者: sana
2/5

act2. 名前

「あんま持ち合わせてないですし…」

「あの店、父がやっているの。あたしの奢りです。」

「でも、悪いですよ…」


ただ海に来ただけだしさ…もう帰ろうと思ってたし。


「コーヒーだけでも…ってあたし、散歩しに来たんだ!どうしよ…。」


笑顔になったと思えば、いきなり悲しそうな顔して…。おもしろい女…。


「いいよ。俺、先行ってるからさ。後から来てよ。」

「はい!」

また笑顔になってる。やっぱおもしろい女だわ。一緒にいたら、飽きないだろうな。


でも、こいつの犬は俺から離れようとしない…。俺、ここから動けないじゃん。どうしよう…。あ、いいこと思いついた!


「どうしよう…。」


女がつぶやく。俺はさっき思いついた事を話してみることにした。


「あのさ、俺も一緒に犬の散歩していいかな?離れてくれないし。」

「本当にすみません。良い案だと思いますよ!」


俺と女と犬で、この砂浜を海を見ながら散歩をすることになった。犬と女に合わせるために、ゆっくりと歩く。こんなにゆっくりと歩いたのは久しぶりだ。


「名前は?」


俺がいきなり聞いたから、女はビックリした後にゆっくりと口を開いた。


(スミレ)って言います。」

「へぇー、君の名前菫って言うんだ。」

「え?あ、私の名前は違います。菫は、犬の名前なんですよ…。ごめんなさい。」

俺も明らかに悪いよな…。いきなり『名前は?』なんて聞いちゃったし。さっきから謝らせてばっかりだしさ。きちんと 聞かなきゃいけないよな。


「君の名前は?」


よし、きちんと聞けた。って、なんでこんな事で喜んでるんだ?まあ、いっか。君って呼ぶより、名前で呼びたいしね。


「瑠依って言います。」


瑠依…顔と合ってるじゃん。これでやっと名前で呼べると思ったら、スッキリするね。

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