街へ行こう!
「平和だな」
皇帝やジュロン達と昼食を食べ、食後のお茶を皆で飲んでいたら、ジュロンがしみじみと呟いた。
「うっさいの全部いないんで快適ですね」
「ああ。あいつ等マジでウゼェからなぁ」
ストローでお茶を飲みながら、ジュロンとロシーの会話に耳を傾ける。養父達と皇太子がいないので、確かにいつもより静かに食事が出来た。
「お家はどうなりました?」
皇帝の話だと皇太子が頑張れば今日中には家が直る筈だけど、そもそも皇太子一人で家が直るなら、養父達がとっくに家を直していた筈だ。つまり、今日中に家が完成するのは難しいんじゃなかろうか。
「倒れて使い物にならなくなった。また数日かかるだろう」
「え?」
倒れた?誰が?もしかしなくても皇太子?
「だ、大丈夫なんですか?」
「問題ない」
皇太子が倒れるのは問題だと思うけど…。今日中に家を直せと言ったのは私だし、少しだけ罪悪感が湧く。
「そういやロシーと街に行く約束したんだろ?邪魔者はいねーし、今日街を見に行くか?」
「えっ!?いいんですか!?」
「いいぞ。暇だしな」
皇太子への罪悪感は吹っ飛び、私は始めて行く街に思いを馳せる。
「父様も行くんですか?」
「当たり前だろ。ミケルとウルシェも連れてくぞ」
「えー」
「私も行く」
「お前は駄目に決まってんだろ」
「支度を」
なんか皇帝も行く気満々だけど、流石に来ないでほしい。皇帝まで付いてきたら、目立ってゆっくり街を見て回れなくなってしまう。
「皇帝陛下!お土産買ってきますから、楽しみにしていてください!」
「私も行くぞ」
「いえ!私がお城に帰ってくるのを待っててください!始めて買うお土産を、是非皇帝陛下にお渡ししたいので!」
「………そうか、わかった」
よかったー!これでゆっくり街を見て回れる!渋々頷いてくれた皇帝に感謝しつつ、私は出掛ける準備をする為、ジュロンに部屋へ連れて行ってもらう。
「あ、私靴がないんですけど…」
「必要ないだろ」
「そうなんですけど…」
街に行くのに靴を履かないのはなんだか嫌だな。街に着いたら、ジュロンかロシーに頼んで靴を買ってもらおうかな?チラリとジュロンを見ると、仕方なさそうに溜め息を吐かれた。
「わかった、買ってやるから。キーリス達にバレないようにしろよ?」
「はい!ありがとうございます!」
養父達にバレたら大変だもんね。私は大きく頷いて、皇帝が用意してくれていた可愛いワンピースに着替えさせてもらい、ジュロン達と共に街へと向かった。




