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騒音

 皇帝が言っていた国王達が、来月を待たずにやって来た。そのせいで、我が家は何だかピリついている。


「あの、お父様?」

「ん?なぁに?」


 いつも通りに見える養父も、若干機嫌が悪そうに見える。

 我が国は周辺国と仲が悪く、昔はよく戦争をしていたという話は少し聞いた事があった。その中でも、件の国王の国と我が国は他に類を見ない程の仲の悪さだったらしい。まぁ、それも聖女様のおかげで何とか仲は良くなったみたいだけど、まだまだ遺恨は残っているみたいだ。


「何だか外が騒がしくないですか?」


 昼食後、家族団欒している中、何だか外からドッカンボッカンと良からぬ音が聞こえてきていた。でも誰も何の反応もしないから、幻聴か空耳だと思い込もうとしたけど、家が僅かに揺れ出したせいで、もう現実逃避している場合じゃないと腹を括る。


「今日は風が少し強いのかもしれないねぇ。怖いなら僕がずっと抱き締めていてあげようか?」

「………いえ、大丈夫です」


 風の音じゃないのは馬鹿でもわかる。でも、何の音かは知りたくないのが本音だ。


「皇城に行かなくていいんですか…?」


 この音の原因、十中八九今朝あった皇帝達の連絡が関係しているんだろう。

 今朝、皇帝直々に隣国の元国王達が報せも無しに我が国に不法入国してきたという連絡があった。そして、元国王達がこの国に来た原因である私に、昼食前に城に来るよう言ってきたのだ。でも今はもう昼食後。お昼もだいぶ過ぎ、なんならもう直ぐ3時のおやつが出てくる時間だ。


「ああ、行く必要は無いぞ。転移魔法が使えないよう結界も張り直しておいたから、もう皇族が無断でこの屋敷に侵入して来る事もないからな」

「そ、そうなんですね…」


 皇帝達は一応良識も常識も持った人達だ。無断で家に来たのはあの一回だけで、その一回も私の心配をしていたからだった。つまり、皇城に行かないとまた皇帝達が心配して家に来るって事じゃ…?


「…ねぇ、チェイニー。皇帝陛下から連絡とかありませんでした?」

「ありましたよ〜、ほら、今も。面倒なので無視していますけどね~」

「…外が煩いのはそのせいじゃないですよね?」

「屋敷に入れず悔しがっている皇帝達の顔は見ものですよ~。元国王達なんて怒り狂って皇帝達に喧嘩売ってましたし、このまま共倒れしてくれると有り難いんですけどね〜」

「…………」


 皆、協定をガンガン無視するスタイルどうにかしてほしい。皆で一緒に私の事を愛そう!とかいうあのアホみたいな協定、皆が争わない為に出来たんじゃないの?

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