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過去に戻って来た!

「無茶苦茶過ぎるわ!!両手両足足しても足りない究極逆ハーレムなんて荷が重過ぎる!!殺す気か!!僅か15歳でR18はキツイって!!毎日毎日何人も相手するせいでベッドに寝たきりとか老後が心配過ぎる!!」


 ゼーハーゼーハーと息を荒げながら叫ぶ。

 絶叫と共に目覚めた瞬間、今まで溜め込んでいた不満を爆発させた。

 暫く髪を振り乱して叫んだ後、冷静になった私は「はて?」と自分の身体を確認する。

 スノーホワイトの髪、白く滑らかな肌。断崖絶壁。

 なんてことだ。私の唯一の欠点とも言える胸が。必死で育ててBまで膨らませた胸がない。そもそも身体が縮んでいる。

 15歳であるはずの私は、10歳前後の大きさに変わっていた。


「成る程ね…」


 努めて冷静に、私は現状を受け入れる。

 以前は赤ん坊だった。それに比べれば幾分かマシだ。

 私が今座っているベッドには見覚えがあり、周りを見ても馴染みある物ばかり。

 前は世界そのものが変わり果てていて馴染むのが大変だったけど、もう15年この世界で生きて来た。

 一度経験したのだ。焦る必要は無い。


 取り敢えず、私は5年程前に戻ったのだろう。

 どうやら私は、神様にさえ愛されているようだ。愛され過ぎて辛い思いばかりしていたけど、こんな愛なら大歓迎だ。もっと欲しい。


 私の名前はルーナ・アズベラス。皆からはルゥナと呼ばれるけど。

 この世界に産まれた私は誰からも愛された。天使の様に愛らしい容姿を持っても高飛車にならない様努め、誰とでも仲良くなれるよう頑張った。

 その結果、15歳の誕生日を迎えた私は、いつの間にか結ばれた協定により複数の男性から関係を迫られ純潔を散らされた挙句、ほぼベッドから動けない生活を強要された。

 当時を思い出すだけで、自分の可哀想さに涙が零れる。

 未だに理解出来ない。『君を僕だけのものにしたいけど、君は多くの者に愛され過ぎている。このままじゃ一生君と愛し合えないから、仕方なく彼等と協定を結ぶ事にしたよ。皆で君を愛し、君は皆を愛する。誰か一人を特別視してはいけないよ?皆を分け隔てなく愛してくれ。僕達も一生君だけを愛するから、ちゃんと全部受け止めてね』と、平然と言ってのけた養父。

 そして父親だから、とさも当たり前の様に私の処女を奪った養父。

 いや倫理観だか道徳心とかないんかい。ただ純粋に家族の事を尊敬していた私、哀れなり。


 兎に角!私は過去に戻って来た。全てが歪み壊れる前の、平和だけを享受していたあの頃に!

 必ず皆を更生させ、幸せな未来を掴んでみせる!

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