反省中
昼食は急遽中止になり、私は一人ベッドに横たわっていた。
私の会心の一撃を受けた養父が過呼吸を起こし倒れ、叔父達も再起出来ない状態になった為、何とか動けたリケルドが私を部屋まで連れて来てくれた。
無言で部屋まで運んでくれたリケルドの顔色は悪く、今にも倒れてしまいそうで『大丈夫ですか?』と声を掛けたものの、何の返事も貰えなかった。フラフラと部屋を出て行ったけど、途中で倒れてないか心配だ。
せめて動ける様にして欲しかったが、私には罪悪感という感情がちゃんと備わっている。今は言い過ぎてしまったのだと理解し、ちゃんと反省している。例え身体を動けなくされ自由を奪われたとしても、言っちゃいけない事はある。流石に、あそこまで養父達が取り乱すとは思わなかった。
昔から、過剰な程大事に育ててもらった。だから養父達の事は大好きだった。15歳になり好き放題されたって、嫌いになった訳じゃない。ドン引きしただけだ。
可哀想な人達なのだ。例え更に私の方が可哀想だとしても、可哀想になった年月が違う。養父達は数十年も可哀想な程聖女様を想い続けていた。が、私の可哀想歴は1年にも満たない。
我が家には聖女様の肖像画が至る所に飾られている。勿論私の肖像画も大量にある。聖女様と私を見分ける方法は、着ているドレスの古さと肖像画が描かれた日付だけだ。顔だけ見たら見分けはつかない。
別に、聖女様の代わり扱いされても気にはしない。代わりであっても、皆が幸せなら良いとも思う。ただ、私の幸せを考えた時、それじゃあ全然良くないってだけで。




