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カンフーばあちゃん大活躍!!

作者: 昼月キオリ


ナコ(75)

青年が通う道場の師匠

 

タイチ(16)(中学3年)

明るく元気な青年


 


学校。

友人A「タイチ、どこ行くの?」

 

タイチ「ししょーのとこ!」

 

友B「ししょー??」

 

タイチ「うん、道場の師匠!」

 

友人A「あー、タイチずっと通ってるもんな、偉いよなぁ」

友人B「どんな師匠なんだ?」


タイチ「うーん、カンフーばあちゃん??」

 

友人A「ブホッ、何それどーゆーこと!?」

友人B「中国拳法の道場なのか?」

 

タイチ「いや、決まりはないかな、自由拳法?」

 

友人A「怪し過ぎるw」

友人B「でもタイチの強さは確かだもん、安心できる道場だろう」


タイチ「でも、ほとんどの人は辞めちゃうよ」

 

友人A「え、何で?」

 

タイチ「強くはなるんだけど修行が厳し過ぎて」

 

友人B「どんな内容なんだ?」


タイチ「んー、岩を背中に乗せて腕立て伏せとか、ひたすら殴られる練習とか?しゃがみ込むと水かけられる」


友人A「うわぁ・・・どこの漫画の世界だよ」

友人B「やべーよそれ」


タイチ「まぁ確かにキツイけど、やればやった分だけ強くなれるし」


友人B「いくら強くなれるからって・・・」

友人A「タイチ、それはヤバいよ・・・」



 


タイチの休みの日の過ごし方。

ガラガラ。

道場へ行き、扉を開けた。


タイチ「ししょ〜!」

ナコ「なんだい相変わらず騒がしいね」

タイチ「ししょー!修行しましょー!」

ナコ「今日は道場は臨時休業だよ」

 

タイチ「えーお煎餅焼いて来たんだけどなぁ・・・」

ナコ「はぁ、分かったよ、お茶くらいならしていっていいよ」

タイチ「やったー!!」

 

師匠は僕が焼いた煎餅を気に入ってくれている。





修行。

タイチ「ししょー、僕もうダメ・・・ぶっ!!」

 

弱音を吐きかけた時、頭の上から水をぶっかけられた。

 

ナコ「その程度で根を上げてたら強くなんてなれないよ!立ちなタイチ!」

タイチ「(よれよれ)はい、ししょー・・・」


 


 

修行後、ナコが精進料理を作ってタイチに出した。

タイチ「パクパクッ、んー!美味しい〜!」

ナコ「ほんと変わった子だよ、若いのに精進料理が好きだなんて」

タイチ「だってししょーのご飯は美味しいんですよ!」

 

ご飯を食べるタイチを見たナコは静かに微笑んでいた。





とある休日。

師匠と歩いていると不良たちに絡まれた。


「なぁ、兄ちゃん金貸してくれよ」

「まぁ返さねーけどな」

 

ナコ「ちょいとあんた達、学生から金を巻き上げようなんて聞き捨てならないね」

 

「あーん?ばばあがしゃしゃんじゃねーよ!」

「あんたが金貸してくれるんならこのおチビちゃんのことは見逃してやるけどなぁ」

 

タイチ「あのー、辞めといた方が・・・」


「うるせー!さっさと金だ・・・ぐえっ」

「ぐわぁ!!」


ナコ「あちょー!!」

 

ビシッバシッ!!

ナコのパンチが二人に炸裂する。


タイチ「だから言ったのに・・・」


「な、なんだ、この婆さんめちゃ強い・・・」

「何者なんだあんた・・・」


ナコ「ほっほっほ、あたしゃただの老婆だよ」

 

「どこが・・・パタッ」

「くそ・・・パタッ」




 

タイチ「ししょー、少しは手加減してあげて下さいよ」

ナコ「これでもかなり手加減してあげたんだけどねぇ」

タイチ「もー」

 

ナコ「それよりタイチ、警察に電話だよ」

タイチ「え?まだ何も盗まれてないのに・・・あ、財布!?」

 

ナコ「ああ、さっきこの二人が殴りかかってきた時にポケットからこっそり抜き取ったのさ」

タイチ「それじゃあししょーが捕まっちゃうじゃないですか!」

ナコ「いいや、この財布たちはこの二人が盗んだものさ」

タイチ「え、そうなんですか!?」


ナコ「ああ、だから警察にこの二人と盗まれた財布を渡そう」

タイチ「あの一瞬でそこまで・・・ししょーはやっぱり凄いです!!」

ナコ「これくらい大したことないさ」


 

こんな感じでししょーは色々な事件を解決してしまう。


警官「ありがとうございました、それでは詳しく事情を聞かせて下さい」

 

ナコ「タイチ、走るよ」

タイチ「え!?」


警官「あ!ちょっとー!!待って話をー!!」




タイチ「はぁはぁ・・・もー!ししょーってば警察から逃げないで下さいよ」

ナコ「警察は話が長いから退屈しちゃうんだよ」

タイチ「それが警察の仕事なんだから仕方ないですよ」

ナコ「ふん、あたしゃ面倒なものは嫌いさ」


 

タイチ「全くもう・・・はは、でも凄い一日だったなぁ」

ナコ「悪くなかったね」

 

二人は笑い合うと道場へと向かった。

 


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