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8

フロントガラス越しに見える女性はどこか知性が漂っていた。

啓太は立ち止まって不思議そうに見入った。


突然、車が停止したのに気づいた啓太ではあったが、構うことなく再び歩を進め高台へと向かった。


車を運転していた女性が何やら大声で叫んでいる。

啓太は気になりだして振り向き、女性の方へ近づいて声を掛けた。


『どうかしたのですか?』

『ごめんなさい。タイヤがパンクしたみたい。少し手伝ってくれないかな?』

『・・・僕、急いでいるんだけど』

啓太の困惑そうな返事に少しカチンときた女性だったが、ふとパンクの原因に気がついた。


『あっ、これ剣山じゃない。きっとこれがタイヤに刺さったんだわ』

『すいません。その剣山、見せてください』

『あらっ、急いでるんじゃないの?』

『すいません。手伝うから見せてください』

『これ、きみのもの?それともどうかしたの?』

『僕のじゃないけれど少し気になることがあって・・・』


『別にこんなもの持っていても仕方ないから構わないわよ。じゃあ、タイヤ交換、手伝ってね。君、名前はなんていうの?』

『僕は啓太。高木啓太』

『私・・・私は間宮良子』

『じゃあ、良子さんって呼ぶけどいいよね?』

『いいわよ、啓太くん』


啓太は良子からもらった剣山をポケットに入れた。

強い夏の照りつく陽射しがふたりを容赦なく襲った。

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