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父が言った。


『啓太、お前、本当は何かあっただろ?おかしいぞ』


母も言った。


『啓太、どうしたの?』


『本当に何でもないんだ』


姉の宏美が我慢できずに怒り出す。


『せっかくの食事がまずくなるじゃん』


啓太は笑って言った。


『みんな、心配しすぎだよ。本当に何でもないんだ』


スプーンを手に取り、大好物のカレーライスを食べ始めた。

真っ先に食べ終えた啓太は、父のがむしゃらに頬張る様子を眺めていた。


そして高校時代に恋をした女性のことを、また思い出していた。

啓太はあまり目立つ人間ではなかった。


幼い頃よりおとなしい性格の少年だった。

かといって内気ってわけでもなく、とことんになれば言うべきことは言う・やるべきことはやり通す性格だった。


小学校時代からの親友である田中信二と高校時代によく立ち寄っていた店がある。

ハンバーガーショップで、二人はよく立ち食いしていた。


啓太は向かいの花屋で働く女性を、ハンバーガーを手にいつも眺めていた。

啓太は高校を中退して以来、その店を訪れることはなくなった。


久しぶりの家族揃っての食事。

やがて会話は弾み出した。

店内に流れるアップテンポなリズムの曲たちが、雨の夜景を心地良く演出していた。


時間は瞬時に過ぎてしまう。

啓太たちは帰宅の途に着いた。



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