【小噺】幾何学模様の蝶々が森を飛んでいるようだと思った
「Nola」では『オリジナルのみ、ルーレット式小噺集。」に入っているSSです。
短すぎるくらい短いので驚かないでくださいね。
数分で読めますよ。__多分。
本SSの登場人物は、名前が出てこない人以外本編未登場です。悪しからず。
〇0・7『望月ミラ』__「魔女窓」より
●8・5「布」
◇◆◇
先日帰ってきていた弟弟子が、私にと服を置いていった。
原色やら派手な色を好む男だからと紙袋を開けるのが億劫だったのだが__開けて見るとどうだろう。中身は意外と悪くなかった。
落ち着いた暗い緑色の、カーディガン。
あまりこの家に戻らないから、てっきり忘れたものと思っていたが、姉弟子の好みを覚えていたらしい。
刺繍に既視感を覚えて、2週間前に弟弟子__彩がコレを差し出してきた時のことをぼんやり思い出した。
「なるほど、これが例の魔術か。」
なんでも、友人の趣味が裁縫だとかで、試しに何着か魔術を織り込んだ服を作ってみたのだと言う。コレはその試作品だった。
彩が訪れる前日から一昨日までの間、碌な睡眠もとらずに研究をしていたこともあって、土産の品を放っておいていたのだが__こんな面白いものであったなら早めに開けておけばよかったような気も、しなくもない。
まあ、何度時間を巻き戻しても研究を優先するけれども。
研究成果も上々だったのに加えて、先程まで泥のように眠っていた私はすこぶる機嫌が良い。
掃除やら洗濯やらをする前に、少し手紙でも書いてやることにした。
「書き出しは、『良い色の服をありがとう。』かな。」
◇◆◇
〆
このように、単発でもなんとなくの雰囲気で読めるSSを複数投げていますので、よろしければ「Nola」の『オリジナルのみ、ルーレット式小噺集。』の方も覗いてみてくれると嬉しいです。
読んでくださり、ありがとうございます。




