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行き当たりばったり勇者譚  作者: 青い傘
第三章 水の都 ウィンデル
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聖剣の確保

 勇者の提案。


「聖剣は岩の中にあるってことでしょ?岩、ぶっ壊しちゃえばいいんじゃない?」


 確かに聖騎士の話では、聖剣は岩の中が空洞になっていてその中にあるらしい。だからと言って、岩を壊せばいいという判断になるというわけではないだろう。勇者が異常なだけである。


「しかし、悪くないアイデアではあるんだよなぁ」


 性質が悪いのがその提案に対していい反論があまりないということだ。今回で言えば、自然を破壊するなんてということが言えるかもしれないが、それに勇者が納得するとはとても思えない。


「ということで、ちょっと力溜めるね」


 以前まではお腹のすぐ横に帯びていた剣だったが、聖剣を手に入れたことで二本になったことから、腰の方に回すように帯剣をするようになった。もちろん、聖剣の鞘は都で手に入れている。


 その中で慣れ親しんでいるいつもの剣を抜くと、剣を構え、深呼吸と共に目を閉じる。


 おおよそ一分かそこらであろうか。小さく「よしっ」と聞こえたと思えば、剣を横なぎに振るう。何も起こらないように見えたその一閃は目の前の岩に確かに大きな一撃を加えていた。薙いだ剣の後に続くように岩にその線が写るようだった。


 その線をなぞるように岩は崩れ落ちた。


 そのまま、海へと岩が流れ落ちるのと当時に斬られた岩のあったとこには、確かに火山の時のような聖剣の置き場が現れた。ぽつんと台座が置かれており、大人しく聖剣が刺さっている。


 しかし、ここは岩礁地帯であるから、船を寄せて上陸なんかが難しい。また、ミーシャの絨毯を使ってもいいが、足場となる岩がその辺にたくさん転がっているのだから、勇者にとっても難関になりえない。


 一応、レオナンドもついていくように岩から岩へと、飛ぶようにして、台座へと向かう。ミーシャとアイリスには船で聖騎士たちと待機してもらっている。


「それじゃあ、抜くよ」


 首にかけたペンダントの指輪をはめ、聖剣に手を掛けようとした瞬間の出来事であった。聞こえてきた水の跳ねる音と、何かがこちらに寄って来る気配。それも複数。


 その場から飛び退くようにその怪しい気配から回避するレオナンド。そう、飛び退いたのはレオナンドだけであった。勇者と言えば、


「う~ん、タコ?」


 のんきに自らをからめとっている赤色の吸盤付きの足に対して、疑問符を浮かべている。


 辺りを見ると、白い足のようなものも見える。


「イカもいるのかなぁ」


 相も変わらずぼんやりとした口調ではあったが、既にその赤足からは脱出してレオナンドの近くまで来ていた。


 見ると、その手には聖剣が握られており、ちゃっかり抜いてきたらしい。


 船の方にも紅白の足は襲い掛かっているようではあったが、上手く撃退出来ているようだ。


「とにかく船に戻るか」


 行きと同じく、海から出ている岩を足場に戻る。途中、足が邪魔をするように妨害をしてきたが、大した脅威にはならなかった。


「たっだいま。それで、これはなに?」


 しかし、その返答はせずに、首を振る辺り誰もこの事態に関して理解できている人はいないのだろう。


「おいらたちが答えてやるべよ」


「んだ。おらたちと勝負だぁ」


 現れたのは赤と白の頭。見た目はタコとイカそのものであった。

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