聖剣の場所
もうしばらく船に揺られて着いたのは、島というよりも岩礁地帯というべきだろうか。ごつごつとした岩肌が覗く場所に着く。
「それでどこにあるの?」
「俺も詳しくは知らないが……てっきり島の中にあるものだと思っていたしな」
その答えを勇者たちは持ち合わせていない。そもそも、レオナンドが知らない時点でそういう結末なのは目に見えている。
「聖剣なら下です。海の中です」
助け船を出したのはもちろん聖騎士である。聖騎士の中の一人。同じような見た目の鎧、兜だったので、急遽腕に巻かせた色つきのバンダナ。何せ、声までくぐもっているものだから、初めて一緒になる聖騎士を判別することなど出来そうにない。アイリスは分かるらしいが。そこで、採用されたのがバンダナであった。
その中でも赤色を巻く聖騎士―――アンドレがそう言った。
「えぇ。下です。正しくは海の中にある洞窟ですね」
一瞬反応が遅れた彼らにもう一度告げるは、黄色のバンダナを巻いた聖騎士―――ロイだ。ちなみに彼が船の運転をしていた。
「岩の中に空洞があり、その中にあるらしいですよ?何やら、入口が海の下にあるとのことです」
最後の補足説明を加えたのが緑のバンダナを巻いた聖騎士―――リミーナである。この中で一人だけの女性聖騎士である。教会内でも珍しい女性聖騎士は全体の一割にも満たない人数だが、練度で言えば、下手な男性よりも強いことも事実であった。
三人から思いがけない事実を聞いただったが、一つ目の封印を考えるのであれば、そうおかしいものでもない。一般の人は立ち寄らないだろう。
「しかし、どう行くかな」
「う~ん。潜っていくのが簡単かなぁ」
思考に耽っているといきなり、勇者は大きな声を出すので、一同は驚く。
「お前そういうのやめろ。心臓が持たん」
「………びっくりした」
「あぁ。ごめんごめん。それで、こういうのはどうかな?」
勇者が告げたその解決案にはその場にいた誰もが呆れるが、自信満々な勇者に対して否定をする気も起きなかった。




