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ゲーム世界に転生したので物語介入を始めます!  作者: 亜土しゅうや
Chapter.3
83/83

第83話 空蝉:火山強制活性化阻止作戦③

 「この残留魔力...やっぱりな、先日の登山客の襲撃事件で嫌な予感はしてたが。」


 リクスが地面を触り感じ取る。


 「幸い火力不足で火山にはなんの刺激にもなってないようです。でも脈へ繋がる確実な道がここにあるのを知られたのは痛い話です。」


 苦い顔をするサフラ。


 「それで現在この火口に向かって魔族の群勢が押し寄せか。はぁ...面倒くさい。」

 「多分下は囮で消耗させた上で本命は上空から来るんじゃないですかね。アイツら普通の魔族じゃないっぽいですし。」

 「君もそう思ってたか。」


 山頂、火口付近にて。

 私とリクスさんはようやく到着。


 目の前には何か爆発した痕跡と大きな穴が空いた地面。

 私がこの山に登る前に聞いた登山者襲撃事件で山頂に辿り着いた魔族達が入り口を作るために数人が自爆したのだろう。


 「諜報部隊だけあって歴史の裏には詳しいのでは?」

 「まぁね。君の察しの通りあの魔族は禁術生成魔法メタモルバースによるものだよ。」

 「やっぱりか...何でしたっけ、昔はこれ使ってましたとか“嘘ついて”実際は孤児とかを…。」

 「…教科書に隠れたドス黒い闇を良く知ってるね。」

 「3年も放浪してれば闇の一つや二つ知ってしまうものですよ。」

 「君ならあり得るね。」


 実際はゲームで知ったから。


 メタモルバースによる実験は前世で言うところのマウス実験のクローン人間版。倫理的に良くないがこれを用いた事でこの異世界の医療技術は割と発達している。


 しかし一方で、この魔法を使える者は少ない。

 何せかなり高位の魔法だからだ。

 故にか昔、戦争や施設の孤児を使い非人道的な実験を繰り返し、バレれば適当な魔法職の人間を贄にしてその魔法を使っていたと嘘をつく。


 気づけば行方不明の人間が後も絶たず、

 いざ見つければ人であるかすら怪しいほどに変わり果てた我が子...だったり。シリーズⅠは展開がグロかったなぁ。

 

 「...ん?あ、もしもし...あー。」

 「どうした?」

 「敵がもう上空部隊送り込んで来たみたいです。」

 「早いな...いや待て、ここに向かって来てないぞ?」

 「はい、てっきり敵が痺れ切らして本命を惜しみなく投入...だと思ってましたけど。」

 「...なるほど、本命はあれか。」


 理解が早くて本当に助かる。

 私は魔剣...傘をさし、リクスさんと傘の下に。

 わお、相合傘...、



 ピカッ、


 「うわっ!?」


 空から熱風と共に巨大な火炎弾が姿を見せる。

 なんて大きさだ、あれが地面に当たればえらい事になる。ゲームのシナリオより2周り大きい。

 傘さしてなかったら肌に悪かっただろう、夏の日差しの方が遥かにマシだ。


 「自分以外全てを囮に使うなんて大胆だ!」

 「あれどうにか出来るの!?」

 「はい、ロストストレージ。」

 

 私は火球に向かってロストのエネルギー砲を撃つ。魔力エネルギーの光線は火球を砕き、貫き、火球発動者を狙う。


 「ぐあああああああっ!!?」

 「ちぇっ、右肩か。」

 「この状況でよく狙えたな...。」

 「ベリーベリーハードな特訓アジ成果せいです。」

 

 炎が晴れ、姿を見せた。


 魔族ではあるが異形。

 魔族のモノではない肌...あちこちに、不統一に鱗が生えている。それにあの翼...魔族には翼を持つ種族もいるがあれは魔族由来のじゃない。


 「“竜族”と融合していたか...通りでバカスカ禁術使う魔力があるわけだ。見た感じドラゴン種ですかね?」

 「だと思う、あの背中から生えた翼は。」

 「リクスさん、ゴニョゴニョ...。」

 「...いきなりだね、まぁ出来るけど。」


 竜族...ゲーム設定ではこの世界におけるかなりの上位種族に位置する生物。ドラゴンやワイバーンはこの世界だと種族の位が高い。


 そして割と強い。

 アジとヒドと比べたらゲロ弱いけど。

 

 「おのれヒト族...我が計画をどこまでも邪魔してくれる...!」


 怒りで震えた声、貫かれ血塗れた右肩。

 思いの外、今の一撃やこれまでの魔族撃退が応えたらしい。ただ持久戦からの狙い撃ちでこうとは魔王軍もたかが知れそうだが、今は現実。ゲーム通りにいかない、というかアイツが竜族と融合してるなんて展開が原作に無かったのだ。


 歴史が嫌な方向に変わる、これもまた結果的に私が蒔いた種なのだろう。

 さっさと討伐しようと私は魔力を解放する。


 ロストストレージ・フリーアクティベート。

 思考加速開始、

 思考詠唱開始、

 加速、詠唱終了。


 「!!??」


 私を凝視していた魔族は突然激しい眩暈と吐き気を催す。どうやら上位種たる竜と融合してなお私の魅力は吐き気を催す程らしい、最高じゃないか。


 見たまえ、若き舞台女優の姿を。

 流せ、歓喜の涙と苦しみの血涙を。

 吐き出せ、心からの歓声と激しい嘔吐を。


 お前の相手に私は相応しいか?


 否、

 ジェノサイドアーマーの方がずっと強い。

 手応えもデバフ耐性も低い。


 結論、長引かせれる程お前は強くない。


 「彼女を見ない方がいいよ。」

 「!?」

 

 仮称•竜魔族がフラフラと飛び始めたのでリクスが一気に仕掛けた。仮称•竜魔族の周囲には魔法陣が描かれた紙が大量にばら撒かれる。


 「ウチにいる爆弾専門家特性魔法陣、その名もヒラペタドカン!!」

 (だっさ!?)


 仮称•竜魔族の周囲、体に張り付いていた魔法陣紙が爆発、爆炎が轟音が衝撃波が自分達の体を押し出す様に広がった!!


 「な、何今の威力...!?」

 「2年前にうちの特務隊に転属した爆発、爆弾の専門家が作ったとっておき魔道具。多分君会ったことあるかも。」

 「ありますね。」


 いたなぁ、学園襲撃時に派閥気にしてないやる気無しのヤツだ。


 「う...グォ...!?」


 思ったより皮膚が焦げてる、

 しかし自動治癒スキルがあるのか、右肩の穴が塞がっている。


 が、見た感じ被ダメージの方がずっと大きいなこりゃ。


 「ポーラ・ラーニョ・スパーダ。」


 魔剣の傘が比類なき美しくも恐るべき英霊剣と姿を変える。


 「うぐぁ...舐めた真似を、人間如きがあああ!!」

 「気づいていないのかい?」

 「っ、何だ動けん!?」


 仮称・竜魔族の体が何かに縛られた様に硬直する。


 「ヒラペタドカンの魔法陣の中に僕特製の拘束の術式紙を混ぜてたのさ。お前でも10秒くらいは動けないぞ、あとは任せたよ。」

 「行くよシア。」


 この一撃で終わらせる。

 

 「武法:[静寂の斬撃]。」


 ゲームでもそうだった。

 高レベルデータ引き継ぎ状態でのストーリー再スタートはヌルゲーだって。

 これでやつから作られたメタモルバース兵は全員消えるはずだ。


 「...グハハハ!!」

 

 ...?


 「我が作戦は失敗した...がしかし!保険とは用意しておくもんよ!!!」

 「...は?」

 「貴様、何をした!?」

 「我が火球を放った時点で...いいや、数多の複製兵を...高濃度の魔力を集結させた時点で我は勝利していたのだ!!!」

 「何を言っている!?何が目的だ!!」

 「いいだろう、貴様らは知っているか?この星の核、溶岩よりさらに深き世界、星の生命と呼べる世界の支配者。始まりの...始原の世界が一角が!!!」

 「っっっ!!!?」


 私は心が一気に絶望感に囚われた。


 「冗談じゃないよ...ヤツを呼び出す気か!!?」

 「...後は頑張るんだなグハハハハ!!!」


 そう言って魔族は、メタモルバース兵は塵となって消え....



 たが、仮称竜魔族が消える直前。


 「...なーんて、始炎龍ラーヴフェルノは来ないよ。」

 「ハハハ....は?」

 「?」


 仮称竜魔族とリクスは疑問符を浮かべる。

 なぜか、ある方が言ってたのさ。


 「あの寝坊助はビビリで面倒くさがり。ワシ達の匂いを感じ取ればまず現場に行こうとはしないし地下の方が快適じゃからと出てこない。」

 「そもそも並の神よりも強いから地上に出るだけで迷惑かけるのが嫌。」

 「んでもってソイツがこちら。」

 「ふぇぇ...なんでぇこんなとこにぃ...。」

 「....。」


 呆然としたさ。

 あの時気まぐれで近くの地下を泳いでたって理由でクチナシ達に拉致られた際に知り合いになったのだ。


 人間態の見た目はボサボサの引きこもり系眼鏡っ娘。


 「ラヴっちはこの程度ではこない。だから安心して逝けよ。」

 「な...な...!?」

 「理解なんてしなくていいさ。じゃあね。」


 私は仮称竜魔族の頭を蹴り潰した。



ーーーーーーーーーー


 「...というのが3日前の出来事。」

 「うひゃぁ...サフラちゃんに迷惑掛けちゃってごめんねぇ...。」

 「ラヴっちは何も悪い事してないでしょ。」

 「本当に気弱な奴じゃのぅ。」

 「うえぇ...クチナシちゃん酷い。」


 あれから3日。

 クチナシ達の元へ訪れると件の始炎龍ラーヴフェルノがいた。

 なんでも私と友達になれたのが嬉しかったらしく、ここなら会えるとわざわざクチナシ達の元へ遊びに来ていたらしい。


 事件は終わり、再び夏休みモード。

 全員宿題終わって残りは遊ぶだろう。


 一方私はメインストーリーの一つを消化したので次のメインストーリーまでにサブクエストを続ける日々に入る。


 しかし、気になる点は残っている。


 「とりあえず事件は無事に終わたけど、例の神はあれから干渉してきてないね。」


 天秤の神からメリーへの干渉。

 少なくともアテナとモフィラがいる以上下手に手は出せないだろうけど、彼女に今後も手を出そうって思うと反吐が出る。


 いつか会えたらとりあえず内蔵抉ってやりたい。


 「天秤か。こっちも未だ探っておる最中じゃ、何かいいモノがあればのぅ...そうじゃ。」

 「?」


 クチナシがまたなんか思いついて部屋に篭り始めた。


 「...3日くらいしたらまた来るか。」

 「あ、あの、あのねサフラちゃん。」

 「?」

 「えーと、えっとね。」



 「えーと...喫茶メモリーの新しい店員、ラヴことラヴっちです。」

 「わああ...!」

 「ふえ...ラヴ・フェインです。よろしくお願いしまぁす..。」


 目を輝かせるカメリアとスリジャ達。

 笑顔のマスター夫婦。

 とんでもない奴を見た顔のモフィラとアテナ。


 『おいサフラよ、なぜ始炎龍がここにおる!?』

 「なんか学園に興味を持ったらしく、神様特有の謎パワーで身分証作って転入生って形で着いてきたんです...。」

 『神って...お主やはり神と接触しておったのか!?』

 「まぁね、でも私学園の生徒じゃないから続いて喫茶メモリーの新しい店員になった。」

 『我々が言えた口ではないが気まぐれじゃのう、上位種とは。』

 『おい我を巻き込むな。』

 『お主だって外面は騎士道精神だのそんな感じの癖にカメリアが歩いておると度々甘いモノや洒落た服に興味を惹かれておるじゃろ。』

 「モフィラさんそれは気まぐれじゃなくて可愛い女子力ってやt...わぎゃっ!?」

 『黙ってくれええ!』

 「アテナ達そっちで何話してるのー?」

 『へ?あ、いや。ただの世間話だ!』

 「?」

 「えへへぇ...楽しみだなぁ、人間ライフ。」


 私の周りにまた一人、とんでもない仲間が増えた。

サ「あれ、星の管理っていうか...マグマとかそういうの管理しなくていいの?」

ラ「これくらい並行作業で充分よぉ。こんなペースなら100年に1日は遊泳してるくらいでいいのよぉ。」

サ「自由だなあ神様クラス!」

ラ「ウッチャ(一人称)、神様じゃないんだけどねぇ。」

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