第69話 勇者:やるよ...お料理!
「...以下4名を拘束。直ちに騎士団を向かわせてください。」
「...貴方達、どこでこれを手に入れたの?ああ言わなくていいわ。」
サフラがデイジー家に泊まり4日が経った。
一方カメリア達はいつもの様に授業を受けていたのだが、放課後なってすぐ上級生4人が武器を持って暴れているという放送が流れた。
カメリアとスリジャは直ちに現場へ急行、
4人をあっという間に拘束した。
だが...、
「何よこれ、メリー見て。」
「...針か何かで刺された痕だね、それも4人全員の首元に。」
「記憶を読んで見たのだけど、この4人は2日前に風の丘に行っていたらしいの。そこで休憩中に蜂に刺されている様に見えるわ。多分関係があると思うけど...。」
「多分その蜂はデビルビーって言う蜂の魔物だよ。」
「!」
後ろから声がした、
やってきたのはフヨウだ。
「デビルビーの体長は3.5cm前後、針の毒には刺した相手を凶暴化させ見境無く暴れさせる効果がある。その上針には特殊な麻酔もあって刺されても痛みが感じないんだ。だから気づかない。」
「気付けないから治療も出来ない...なるほど。」
「でもね、もしその4人を刺した蜂が女王なら厄介だよ。」
「?」
「女王蜂はその毒を使って複数の相手を暴れさせる。その暴れた跡を使い新たな巣を作ったり暴れた末に死亡した相手を餌にする習性があるんだ。当然その目標は見張っているし、荒らされた場所がもし気に入った場所であれば邪魔をした瞬間からカメリアさん達...いや、領域に入った僕も奴の、」
「危ない!!」
フヨウを押し倒す、
瞬間、何かが物凄いスピードで飛んでいった。
「...最悪です。学園というしっかりした構造であるが故に気に入られた様です。この規模の引越し先として!!」
さっき飛んでいったのはデビルビーの攻撃部隊。
窓の外には女王を中心として大量のデビルビー。
何よこの数!
「小型の虫系の魔物襲撃は他の魔物と比べて数が多い傾向があります。どうやらデビルビー達は学園を侵略する気の様です。」
「ねぇリズ、殺虫剤の魔法ってある?」
「あるけど、この規模と範囲一気にやると私達にも有害な影響が出てしまうわ..!確かデビルビーは...、」
「デビルビーは炎属性に耐性がありますが、一方で氷属性にはかなり弱いです!氷系の範囲魔法が有効打です!」
「それよ!」
「あ、先生も来た!こっちです!!」
「スリジャさん!氷魔法で出来るだけデビルビーの動きを封じてから女王を狙ってください!先に女王を倒すと他の蜂がパニックをおこし暴れ回ります!」
「ならいっそ女王ごと大群を倒すのはあり?」
「ありありです!」
「流石フヨウ!魔物や植物の知識は学園1位だわね。」
「ご冗談を、座学で貴方の勝った事は一度もありません!」
「それは総合点数の話でしょ!!」
氷魔法[瞬間冷却]
水魔法[ウォーターバルーン]
「合体魔法[スノードーム]!!!」
大きな氷のシャボン玉が出来上がる、
中の空気が急速に冷却され、閉じ込められたデビルビー達が次々と地に落ちてゆく。
「カメリアさん、先生!!閉じ込め損ねたデビルビーを!!」
「任せて!」
「わかった!!」
ーーーーー
「...以上が報告です。」
「そうか、迅速な対応に感謝する。流石だな。」
ワブキ先輩の装備が新しくなっている。
どうやら第3騎士団の副団長に就任したらしい。
「...わかった、どうやら風の丘で大元の巣が見つかったらしい。用心深い事に巣にも結構な数が潜んでいた、おそらく何かあった時の後方待機だろう。」
「あー、連絡役ごと倒したから動いていないですか。」
「残りのデビルビー達は殲滅した。もう大丈夫だ。」
「第3騎士団の方々もありがとうございました。...それと、ワブキ先輩。」
「なんだ?」
「サラはどうですか?」
「ああ、叔母上曰く気楽に過ごさせているらしい。だが殆どの時間が睡眠で起きている時間は1日で4時間程度だとかな。遊んでいる最中に死んだ様に寝たとか言っていた。」
結構疲れてるやつじゃん。
食事睡眠いらない体とか言って結構消耗してるじゃん。
そこは人間なんだなぁ...。
「...あれ、顔に傷。」
「ああ、シアの攻撃を受けてな...。」
「どう、勝てそう?」
「まだまだだな。かの英霊の剣術には学ぶ点が多い。」
『ほう、我を前に言うか。』
「アテナ!」
『興味が湧いたぞ。記憶を読ませてもらうぞ。』
「!」
『...なるほど、かの英霊の剣は肉体そのものなのか。』
「サラは魔剣に回路を通す事で肉体の延長線上にして自由自在に限りなく近い剣術に出来るのに対し、シアにとってはただ体を動かすだけでしかないから文字通り自由に操れるのは当然なんだ。」
なんならサラと再会しメンタル含めパワーアップしてる。もうシア1人でいいんじゃないかな。(良くない)
しかしまぁ、
サラの事がまた心配になってきた。
転移石はある。
エキナさんからもいつでもいらっしゃーいと言われてる。
そうだな...この前読んだ漫画の最新巻を含めた単行本全巻でも差し入れに持って行こう。
サラが好きそうな内容だったし。
「それで...。」
「あっはははは!!」
「なんでエキナさんが先に読んでるんですか...。」
「仕方ないでしょひひっ、まだ寝てるんだからっははは!!」
台パンするほどツボってらっしゃるー。
ガチャっ...、
「!」
「お...ぁょ...。」
「ふぁ...。」
寝癖と乱れ気味の黒髪を軽くかきあげ、
ふんわりした寝起きオーラがどこかズキュンと、
なんか可愛いパジャマはエキナさんが用意した、
半目で寝ぼけ気味の顔はギャップ萌え...。
「...ぁれ...めりぃ、りずだぁ。」
『魔力が回復して通常の睡眠が出来る程度にはなったぞ。』
「シア!」
「ふぁ〜。」
ヨタヨタと歩き私に抱きついてきた!
「やふぉー....。」
「めちゃくちゃ寝ぼけてあるじゃん。」
「いやぁ、魔力が充分貯まったからぁ...安心してぇ...ねりぇぅ...。」
「...もう少し魔力通したら?」
「しょーしゅる...うわっ。」
ふらっとバランスを崩した。
「もー、ほらしっかり。」
「んんっ...目が覚めてきた。どしたの今日は。」
「サラに会いに来たのよ。どう、回復は順調?」
「そうだね、もう大丈夫だよ。...てか何あの単行本の山。」
「あっははははは!!」
「めっちゃ笑ってるし...、私着替えてくるね。」
フラフラとどこかに行った。
「...はぁ、さてさて。見ての通りあの子は思ってたよりも早く回復したよ。だからそこまで心配はいらない、結構強いねぇ子猫ちゃん。」
「目を離すと何が起きるかわからないので心配する事に変わりはありません。」
「過保護だねぇ。」
記憶が戻っていないにも関わらずこれか、
また友達になった...にしてはなんかねぇ。
「お着替えかんりょー!」
「早っ!って何その格好。」
「エプロン。」
「...何するの?」
「やるよ、みんなでお料理!!」(クワッ)
「!!」
気がつけば私達皆エプロンつけてた。
サフラ:結構料理出来る。
カメリア:普通に料理出来る。
スリジャ:料理は出来るが頑なにピーマンを入れようと
しない。
シア:勉強中。
エキナ:肉なんて焼けばいいじゃん。
ワブキ:何気にプロ級。




