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ゲーム世界に転生したので物語介入を始めます!  作者: 亜土しゅうや
Chapter.1
53/81

第53話 消失:ある日の特訓〈滅神竜〉

 「...。」

 「腕は上がってる...が、やはり肉体的な才能は平凡だな。お前さんも理解しているだろうが。」

 「まぁね、こればかりはどうしようもないから。」


 -今日もアジと鍛錬。


 基礎ステータスがモブと同程度の私では生半可どころか並以上の技術では力負けをしてしまうのでこういうのは冒険して強くなるっていうのが定番の所、効率悪いのでプロ中のプロに鍛えてもらっているのだ。


 レベルはとっくの前に50は超えている、でもこの程度のステータスじゃやり込んだプレイヤーが鍛えたキャラのレベル40にすら及ばない。


 だから必要なのは技術。

 特にこの世界で私だけが持てる技術を。


 「ほらよサラ!」

 「!」

 

 -関節を無理矢理えげつない方向に曲げて回転避けをする。


 「ぬぅ!?」

 「無茶苦茶だ...。」

 

 -そこから関節を繋いだ勢いで回し蹴り。


 「うおっ!?不気味だ...!」


 ゴーレムボディのお陰か痛覚調整出来るし関節もすぐに元通り。そのせいか最近体の柔軟性がやたら上がってきた。直立状態からブリッジからのそのまま歩行だって余裕で出来るようになった。

 人としての何かを失ってる気がするが。


 「もらった!!」

 「ぬぅっ!?」


 -アジは紙一重で私の刃を避ける、次の瞬間カウンターを入れてくるだろう。

 でもアジならそう来ると思った。


 カチンッ


 「なっ!?」

 

 -傘を開いた。

 私の魔剣ゴシックポイズンは日傘の形をしている、スイッチ一つでパカッとね。


 「前がっ!」

 「ニヒッ。」


 -傘を目の前で開いた事でアジの視界は遮られ、私を見失う。


 「ほー、やるのぅ。」

 「ええい、こんな子供騙し!」

 

 -後ろかどこかに回り込む安っぽい技に通じないとばかりに勢いよく傘を弾く...が、私はそこにいたのだ。

 

 「っ!!」

 「ファイア!」


 -一瞬気配を隠し全指先に魔力を収束し発射。

 どうだ避けてみr、


 「なんてくらうか!!」

 「ぎゃふっ!?」

 「はい一本。アジの勝ちじゃ。」

 

 -ですよね。

 相手裏ボスだもん。


 「この程度の間合いで相手を見失うか!」

 「いってぇ...!騙せたと思ったけどなぁ。」

 「甘いわ。」

 「今日は終わりじゃぞ、二人ともさっさと休め休め!」


 -はぁ、今日も30戦全敗だよ。

 ゲームでは見せなかった実力が隠されてる時点でどれだけ強いんだよアジは...。


ーーーーー


 -滅神竜アジ・ダハーカ。

 ゲームクリア後に挑める裏ボスの一体だ。


 女神と破神竜に並ぶ実力を持ち、

 ゲーム中ではレベルはなんと85。

 設定上はこれで5割も力を出していない。


 アジの強みは防御無視の近接攻撃。

 その鱗は攻撃対象の耐久全てを無視する。

 死にたくなければ避けるか先に倒すか。

 

 故に、プレイヤーからは、

 “タンク潰し”

 “ヒーラー過労死“

 と呼ばれた。


 -サラが部屋に戻った後の事じゃ。


 「...。」

 「何しておるのじゃ、アジ。」

 「メモだ。」

 「なんじゃこれ、サラの事ばかり書いとるようじゃが。」

 「アイツは肉体的な潜在能力が低いが頭がいいと言うか、ある一面においてやたら賢い。まぁ”出自“を考えれば当然だがそのお陰か技術力が高い。レベルでは計れない強さを持っているから奴に合った修練を考えないとな。」

 「なるほどのー、面倒見が良いの。」

 「なかなか根性のある奴だ、俺もこんなの作る程とは思っていなかった。ふっ、レベルってのはなんなのだろうな。」

 

 -アジと直接戦う事は例え修練であったとしても到底出来る事ではない。


 ただのかすり傷でさえ大怪我に匹敵する痛みを伴う程、防御無視の攻撃は如何なる生物にとって脅威じゃから。


 そう言う訳か、そんな自分と何度も相手をしてくれる仲間が出来たのか、アジの奴かなり楽しそうなのじゃ。


 -きっかけはサラが来てから2年経った頃。

 2年くらい経てばサラも体を自由に動かせるようになっておった。


 ワシとしては別に苦しい世界で無理に過ごさなくてもと思っておったのじゃが、サラはむしろ外を目指しておった。


 我が家から脱出するとかそういうのではない。

 なんでも「来年までに。」と。

 何を意味しているかはなんとなくわかる、あの子から“全て聞いている”のだから。


 故にサラは自分だけが持てる全てを可能な限り引き出そうとしている、目的の為に。

 アジの奴はその欲望に興味を持ったのじゃろう。


 

 -それから1週間、

 サラはまたさらに成長した。


 「でりゃあああ!!!」

 「速くなったな、だがまだ遅いッ!!」


 -サラはアジに攻撃する隙を与えない様にとにかく攻撃をする。ゴーレム回路を敷いているとはいえサラは腕力というか基礎的な力が低めであるため手数と機動力で火力を補っている。


 じゃがその戦い方は華麗。


 とにかく動きまくり豪快にラッシュを決めるとかそういうのではなく、速いが動きは最低限かつ間合いを見誤らない、確実に決め手となる隙をとにかく狙ってくる感じじゃ。


 なんでも親友メリーが同じ手数で攻めるタイプらしいから基本的な戦い方は我流を加えなければ基礎的に押し負けるとの事じゃ。


 「随分見た目と合った動きだな。」

 「あらそうかしら?見惚れていると痛い目を見ますわ?」

 「面白い事を言う、いい事教えてやろう。」


 -アジが構える。


 「複雑な技術程...圧倒的かつ単純な力には弱い!!」


 -アジの抜剣攻撃は強く速く、そして重い。

 サラは魔剣を片手で持っている、防御も回避も間に合わない!


 そう思った瞬間じゃ、


 「それっ。」

 「むぅっ!?」


 -迫るアジの刃を、サラは魔剣で受け流す...と思いきや。なんと接触した部分を支点に、アジの刃を土台にするかの様に魔剣で真上に高く飛び上がったのじゃ。


 その時に見えた、


 サラの魔剣が...傘が赤く光っているのを。

 アジは気づいた。


 「まさか...魔剣に回路を通したのか!肉体の延長線として!!」

 「大当たり!!」


 -サラの魔剣に赤い魔力エネルギーが収束し、光を纏う。

 

 「重力魔法[ 降下フォール ]!!」

 「ぐぅう!?」


 -サラは魔法をかけて急速落下。

 下のアジに向けて重い一撃を与えようと剣を振り下ろす。


 アジは抜剣攻撃からすぐ防御の構えを取り防ぐ。

 しかしあまりにも急だった為か、なんとアジの膝を着かせたのじゃ!


 「ぐぅ...面白い、この俺を相手によくやった!」

 「うわぁ!?」


 -アジは目を輝かせて褒めると同時にサラを吹っ飛ばした。

 驚いた、まさか3割パワーのアジに技術で膝をつかせるとは...サラは本当に凄い。


 「...惜しかったなー。」

 「ククク...ハーッハッハ!今のは見事だった。お嬢やヒドラ以外で膝をついたのは久しぶりだ!」

 「そりゃー光栄。」


 -3年経ってようやくアジ・ダハーカに膝をつかせれた...やっとここまで来たって顔をしておる。


 「...んーーー!!はぁ....やっとだ。」

 「今の重力魔法はヒドラが教えたのか?」

 「まぁな!サラの魔法才能は変に尖ってるがコイツは習得出来たから色々教えてやったのさ。サラは軽ぃからこの手の技はコレ無しじゃキツいだろうからな。」

 「さてはこの前ワシのぬいぐるみを練習台に使ったな?潰れておったぞ。」

 「ギクッ。」

 「あと少しで魔融合武法として扱えそうなんだどなぁ...。」

 「ならそれが次の課題だ、よく頑張った。今日はもう休め。」

 「はーい。」



ーーーーー

時は現在...

 カメリア達が授業を終え、学園に戻り始めた直後。


 「ギギギッ、ナカマ、ヤラレタ!」

 「ギラギラ、カ!」

 「ギラギラ、モリニイタ!」

 「ギラギラダ、ギラギラ、コロセ!」


 フォンッ、


 「ギッ?」

  

 -突然胴体が真っ二つになるクレイジーフェアリーの群れの一体。


 「魔融合武法[堕天]。」

 「ギィ!?」

 「ふんっ。」


 -赤い光を纏う傘がクレイジーフェアリーを焼き斬った。クレイジーフェアリーは断末魔を上げる事すらなく消滅した。


 純粋な魔力エネルギーを剣に纏わせる事で擬似的なビームソードが出来る。腕力が足りないなら剣の威力を足せばいいと言う考えの結果である。(アジが鍛えました。)


 ちなみに、

 

 「モエロ、モエロ!!」

 「ほいっ。」バシューッ。

 「ギェッ......!」


 剣を片手で持って戦うと左手空くのが勿体無いと感じたサラは某バトルマンガの如く手からビーム砲を撃ったりする様になった。

 というかだいぶ前に戦った熊ゴーレムだって口からビーム吐いていたから使ったっていいでしょ。

 派手な魔法が使えないなら魔法じゃなきゃ良いと考えた結果である。(ヒドラが教えました。)


 -さて、残党狩りは今はこのくらいで良いかな。まさかクレイジーフェアリーがこんな昼間に集団で現れるなんて、ゲームでは見なかった状況だなぁ。

 

 経験値多いのは良いけど始まったばかりのストーリーでこれに挑むのは苦である。

 実際レベルが高いのはメリー達十聖3人と教師陣だけ。しかし襲ったのは少数であるかつカメリアや騎士団が近くにいたのが幸いだったと言える。


 カメリア達は学園があるから、後の調査は私が勝手に進めようと思う。この際今いるのを皆殺しにして新しくギラギラの事を知らない個体を発生させるか?

 このままだと森の周辺や付近の街道も一層危険である。善は急げ、即行動だ。

 

ーーーーーーーーーー


 薄明の森での授業から1週間。


 騎士団からの報告によると、


ーーー

 ギラギラと言い積極的に襲いかかってくるクレイジーフェアリーの目撃、被害が低下。しかし、出現するのはギラギラと言う個体が殆どである。

ーーー

 

 「...変な話だね。」

 「?」

 「今騎士団はクレイジーフェアリーを討伐しに定期的に森へ行っているのよ。」

 「それがどうしたの?」

 「人手が多い分クレイジーフェアリーがどこからかギラギラを覚えてくるのはおかしい話では無いはずだぞ?」

 「今騎士団がしているのは“殲滅”なの。」

 「...!!」

 「確か第三騎士団と特務隊の合同作戦だったよな...彼らが殲滅と決めた以上そう簡単に見逃す筈がない。なのにギラギラと言う言葉を覚え襲いかかってくる。」

 「待って...騎士団の人が今は殲滅作戦以外では光沢の薄い特殊な鎧を使って巡回してるって言ったよね?それってつまり...。」


 「ギラギラは別にいる、または...騎士団の誰かがギラギラとして何かをしている。」

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