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ゲーム世界に転生したので物語介入を始めます!  作者: 亜土しゅうや
準備期間編
5/73

第5話 入部

 「リズー、今日は部活動を選ぶ日なんだよね?」

 「ええ。入学から2週間、ようやく私達も色んな事を学べるね。」


 今日は新入生...1学年の部活動入部日。

 部活の内容は様々、スポーツ系や魔法関連、その他文化部と結構数があるので解説するとキリがない。


 この王国立学園の部活動の活躍は凄まじく、毎年魔法科学部が大きな研究会で賞を得たり、陸上部がメダル貰ってたり、演奏学部は各地でオーケストラに招待、参加したりなどとても有名...という設定がある。


 「メリーはどの部に入るの?私は生徒会に入るけど。」

 「私も生徒会に入るわ。」

 「え!メリーは騎士団の討伐部隊とか目指してるんじゃなかったの?」

 「確かに目指してるけど、腕だけが良ければ良いわけじゃないからね。もっと色んな事を視野に入れておきたいの。...もう[あんな悲劇]を見たくないからさ。」

 「...そう。ならお互い頑張りましょ!」

 「うん!」

 「...でも、勢いと才能で誰よりも早く入部をした人がいるわね。」

 「今どうしてるかなー?」



 「さぁ見せてみよ...そなたの力を!!」

 

 部屋に響くアニメチックながら美しい声。


 「おおーー!!」

 「すげぇ...1年なのにもうここまで...!」

 「やっぱり、この子の才能は本物よ!!」


 そう、私の声だ。

 はーっははははは!!さすがは演劇部、約2週間でも結構学ぶ事が多く指導も良い!!

 イケボも今ならできる、


 「リップ先輩...お昼一緒にどうですか...?」

 「キュンッ....!!!」

 「なにぃ!?あの堅物女子のリップを口説きやがった!?」

 「私が狙ってたのにー!」

 「ふふふ...!」


 いやぁ今後は面白い事になりそうだよ本当に。


 ちなみになぜ私が演劇部に入部したか。

 まぁ演出を良くしたい気持ちもあるけど、

 

 1、情報収集

  …これはゲームプレイ中に知ったのだが、演劇部は他の部と同様各地で有名であり、大演劇会と呼ばれる大会で何度も賞を取っている。そのためこの王国立学園で年に数回ある演劇会では色んな所からお偉いさんが来る。そこで活躍すればスカウトされたり他の地域の演劇会に呼ばれたりなどコネやパイプ作りが出来る。特にこう言う事をすれば代役で部員が呼ばれたりもする、そうなれば恩、仮を持たせられる。


 2、怪しまれない

 ...私の真なる目的は物語を私色に染め上げる事。そもそも私は色々したい事があるが下手に動くと怪しまれる。特になんか計画しているのがバレたらヤバい。だが演劇で試したいキャラの練習と言ってしまえば大体片付く。地盤固めとして悪者キャラ作りをしているからなお動きやすくなる。あとカメリアとスリジャから言われる悪魔みたいな笑顔が役作りである程度誤魔化せる。

 

 3、目立てる

 ...本来物語介入を考えてる以上目立つのは良くないが、そもそも暗殺者を目指す私がどんな人物であるかをアピールしなければ結局意味がない。それに自分がどう言う人であるかを偽りを見せれば何かやらかした時の庇いがあるかもしれ...ない。


 4、基本技術

 ...レベルの高い演技をするには当然それ相応の技術がいる。例えば可憐な女の子が足音を大きく鳴らしながら動いても可憐さなんてあまりない、かっこよく美しく目立つ人物は声やインパクトがなければただの小物も同然。この手の技術は会話や何かしらの身振りで相手に何かしらの影響を与えたり、細部まで様々な技術を鍛える事で器用性や大胆さも身につく。


 と言った感じで私にはなかなか良い事づくめ。入学前はどこの部活に行こうか悩んでいたがまさかこんなに利用価値のある部活を見つける事が出来るなんてなあ!!


 ゲームではサブストーリーで怪我をした団員の代わりになぜか主人公が代役で劇に出ると言うのがあり、演劇部自体に入部出来るのは未実装だった。


 しかぁーし!!私は今そんな事には縛られない、自由の身なのだ!!ああああ....これから先がたぁのしみぃ....!!!!!!


ーーーーーーーーーー


 カメリアとスリジャが生徒会に入った。

 スリジャはゲーム設定通りだがカメリアが生徒会に入ったのは意外だな。確か生徒会ルートは総合的な成長が見込め、何かあった時の情報共有速度が高い。本来のカメリアなら悲劇を繰り返したくないとかでおすすめルートだが....どういう事だ?


 ...まいっか。



 〜生徒会室〜


 「カメリア・レッドペタルです。よろしくお願いします。」

 「スリジャ・オーカと申します。よろしくお願いします。」

 「歓迎するよ皆!僕は生徒会長を務めるリンドだ。今後ともよろしく!」

 「すげぇ、今年の生徒会新メンバーに3大の二人が...!!」

 「我々の未来は明るいぞ!!」

 「畜生!あと一人を引き込んだ演劇部め!!!」


 二人は生徒会に入った。

 生徒会の役割、大まかに言えば学園をより良くするための部活...と言うより委員会。様々な情報が多く集まり、何かあった時は指揮系や即時対応を可能とする。また、学園内でトラブルがあった時に適切な行動をし、学園の風紀を守る警察的存在でもある。


 「...今頃演劇部も新入部員が集まっているんだろうね。」

 「サラ大丈夫かな...。」

 「そうだな...。よし、早速だが生徒会の仕事だ!」

 「はい!」

 「学園の見回りをする、皆行くぞ!」


 生徒会は新メンバーを連れ学園の見回りを始める。


 

 「あれがサッカー部、陸上部だな。」

 「すごー...流石強豪、入部員多いなー。」

 「さて次は...お待ちかねの演劇部だ。」

 「あ...サラの所!」

 「ああ、ちょうど15時から新入部員へ向けた劇がある。一応生徒会も視察みあって見に行かなくちゃいけない決まりでな。今我々生徒会の見回りは8人×6班、そして我々に運良く8枚その劇のチケットがある!」

 「ええ!?会長、チケット取れてたの!?」

 「今年こそ新入部員歓迎用劇のチケットは手に入れたいと思ってたがようやくだ!」

 「会長は劇が好きなのですか?」

 「まぁな、うちの両親が元々そう言った仕事をしていて俺もたまに見ていた事があってな。まぁ俺は自由に生きろと言われて今生徒会にいるんだがな。」

 

 会長について行き、演劇部の劇場へ足を運んだ。


ーーーーーーーーーー


 「我は勇者ラナン!!魔王を討ち滅ぼす者!!」

 (すごい...なんて声量!!)

 (この学園の演劇部はすごいと聞きましたがこれほどなんて!)


 8人は劇場で演劇を見ている。

 演劇の内容は昔からあるおとぎ話であるらしい。

 魔物の手により家族や友の命を奪われた勇者と、

 罪の無い魔物まで殺され悲しむ魔族の王女、

 その二人の物語が描かれているお話だ。

 このおとぎ話はカメリアも小さい時何度か聞いたお話である。


 (...もうすぐですね。)

 (ええ、あの戦争を裏から操る真の悪!)

 (全ては奴の筋書き、その名も邪神。)

 (おとぎ話の予言書を書き換え魔物と人族を争わせる悪しき存在!)

 (...そろそろ邪神役が来るぞ!)


 「なーんてつまらない。もっと殺し合って欲しいんだけどねぇ。」

 (...あれ?)

 「お前は...。」

 「何者だ!」

 「まぁ十分楽しませてもらったわ!もう二人ともいーらない!」

 (今の声....まさか!)


 「我は邪神クチナシ!!この世界の新たな神なり!!!」

 ((サラーーーッ!?))

 (いいっ!?なんであの子が邪神役やってんだ!?新入部員は観る側じゃないのか!?)

 (なんて綺麗...!)

 (なんという声量と可憐さ...!!!)

 

 彼らは驚いた、新入部員であるはずのサラがかなり目立ち重要な役割をしているのだから。


 「なぁ、あの人俺たちと同じ1年...だよな?」

 「なに...あの演技力!!」

 「ふむ...今年の新入部員に人並外れた実力者がいるようだな...。」

 「....倒すべき敵が...ようやくわかった!!」

 「手を貸してほしい勇者よ!!」

 「あーっはっはっはっは!!!今まで私にしたがってくれた褒美だ。無駄な足掻きに我が付き合ってやろう!!!」



ーーーーー


 はぁぁぁぁーーーー頑張った。

 いやぁまさかこうなるとは....。

 経緯はこうだ。


 邪神役の人こと堅物女子のリップ先輩。

 ↓

 「サラにやらせる価値があります!」

 「サラの方が似合っている!」

 ↓

 皆賛同

 ↓

 私「え?」


 ...まぁ、予想外の事態とは言え演劇部員として顔と技術はアピール出来た。


 「サラすごいわ!!貴方なら立派な役者になれるわ!!」

 「いやリップ先輩、私は役者は....。」

 「なれるわ!役者家系である我らがトゥリパーノ家が保証するわ!!」

 「え...ええーー....。」


 だが道は険しいようである...。



 

 「...はは、本当に我々生徒会は惜しい人材を先取られたようだな。」

 「サラすごーい...。」

 「あれは将来有望だわ...。」


 「学園長、彼女の名は?」

 「ああ、彼女は...。」

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