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ゲーム世界に転生したので物語介入を始めます!  作者: 亜土しゅうや
Chapter.1
47/81

第47話 勇者:お誘いと従者

 「あー...。」

 「ああ...。」

 「フフンっ♪」


 筆記テストの結果はいつも通り。

 1位.スリジャ・オーカ

 2位.カメリア・レッドペタル

 ちなみに横にいるハイビスは7位。

 十分賢いって言うか流石は王族。


 「あっれー、もっと上だと思ったのになぁ。」

 「私なんて今度こそリズに勝てるって思ったのに。」

 「ほっほっほ、努力が足りませんねぇ。」

 

 そんなわけで新学年になって2週間。

 実技試験の時に絡んできたハイビス殿下とは普通に良い友達になった。別に悪い人じゃないし向こうも婚約者がいるとかで他への恋情とかはないらしい。


 「ちぇっ、次は負けないよー。」

 「俺だって順位上げてやるよ。はぁー次の試験いつだー?」

 「ほっほっほ。」


 筆記1位になった時のリズはちょっとうざい。


 「さて、見るもの見たから寮に戻ろうか。」

 「待った、この前いい店見つけたんだな〜。」

 「なっ...こ、これは!」


 ハイビスが取り出したのはスイーツ店のチラシ。

 今月に入って開店したばかりの所だ。


 「このチラシ、特別なやつでね。席優先割引チケットがついてるんだが僕は2枚持ってる。そしてチケットは1枚で2名まで使えr....。」

 バッと、カメリアと私はチラシを速攻で取り上げた。 


 「え、早。」

 「うわぁ行きたかったんだー!」

 「これで4人は行けるけど...ハイビスも来る?」

 「いやぁ、俺が行くとなんか...周りから見たらさ?」

 「いーじゃん別に。」

 「まぁ...それもそうだな。よし、僕も行くよ!」


 3人の共通点...甘いお菓子が好き。


ーーーーー


 「うわぁ、すごい列だね。チケット無かったらこれ並ばないといけなかったんだね...。」

 「店も大きいわね、中は人でいっぱいじゃないかしら?」

 「2階にチケットが使える特別席があるらしーよ?」

 「へぇー、楽しみだわねメリー。」

 「えへへー、ガトーショコラ、ロールケーキ...!」

 「メリー...食べ過ぎると大変よ?」

 「こんな店あったら肥満n(ギロッ)...虫歯の人増えそうだな。」

 「「うんうん。」」


 そんなわけで私達はお店の受付に向かう。


 「ねぇ...あれって。」

 「ええ、ハイビス殿下だわ。」

 「あの女の子達って...?」

 「まさかもう御側室を...?」


 (...くだらん噂はいつ聞いてもただただくだらないな。)


 「おい待て、あの二人は確か...!」

 「ああ、学園最強のあの2人だ!」

 「まさか、学園のオルトロス!?」

 

 (おいちょっと待て知らない言葉が聞こえたぞ。)

 (オルトロスって何よ!?)

 (オルトロスってのは2つの頭を持つ地獄の番犬、神話の怪物の一体だよ。)

 (そうじゃなくて!オルトロスって私の事!?)

 (ああ、学園の襲撃事件を“2人”で何度も終わらせ、学園最強クラスの実力を持っている事から学園の番犬、最強のガーディアン、んで結果的にオルトロスって訳。)

 ((ええ.....。))


 受付の手続きまだかな...。


 「じゃ、じゃあ、あの二人は...殿下の部下?」

 「馬鹿、護衛に決まってるでしょ!」

 「いや待て...あの双剣の女の子が実は...。」

 「「まさか...いや...あり得なくもない!」」


 (ありえるかそんな趣味持ってないよ馬鹿!!!)

 (ぎゃっははは!!僕が、お前の!?あっははは!!)

 (変な事でツボるんじゃないよ!?)


 「お待たせ致しました。どうぞこちらへ。」

 「やっとだよ...、」

 「探しましたよハイビス殿下!!」

 「んぁ?」


ーーーーーーーーーー


 振り向くとそこに少し息を切らした状態で立っている男子学生。


 「あーれスノー。どうしたそんな息を切らして。」

 「どうしたもこうもありません!!護衛を撒いてどこかに行くのはやめてくださいませんか!?」

 「いや護衛も何もお前非番だろ。」

 「おそば付きに非番なんて無いですから!?」


 まぁ普通いるよね。

 

 「ガランサにも説明したはずだぞ。」

 「父上は甘過ぎます、殿下の身に何かあればどうするのですか!?何か起きてからでは遅いのですよ!?」

 「そりゃそうだけどさ、別に護衛はお前だけじゃないし。なんならいい奴がここに2人いるし。」

 「ええ?」


 私達をジロッと見るスノーさん。


 (ガランサ...って確か宰相の名前じゃない!?)

 (ええ!?って事はあの人宰相さんの息子さん!?)


 ...ってあれ?

 スノーさんの顔色が悪くなっていく様な。


 「す...すいませんでしたああああっ!!!!」

 「!?」

 「あわわわわわ十聖になんという無礼を!!」

 「ああ別にいいですよ...えーと..スノーさん..?」

 「落ち着いて落ち着いて...。」

 「...はぁ、すみません。お見苦しい姿を...。」

 「大丈夫ですよ。」

 「んんっ、こいつは俺の従者で宰相の息子のスノーロップ・カリムスって言うんだ。親しい奴は皆スノーって言ってる。」


 私達に何度も頭を下げるスノーロップさん。

 

 「あ、そういえば殿下。ヒマリ様は誘わなくてもよかったのでしょうか?」

 「いいよいいよ、俺あいつにじゃんけんで負けてリサーチ頼まれてんだよ。」

 「...もしかして私達はついでに呼ばれた感じ?」

 「半分、そうじゃねーよ。」

 「半分当たってんだ...。」

 「毒味係か...。」

 「あいつは立場が立場だから親しい友人が少ねぇの。だから...その、お前らだったらいい関係なれるんじゃねぇかなって。」

 「あの方らしい...。」


 ...何やら事情がありそうだけど、そのヒマリって人の事をとても大切に思っているってのは今ので十分わかった。


 ちょっとうざいけど彼はいい奴だ。


 「...それにしても遅くないか、受付。」

 

 あれ、そういえば優先席のはず、

 もう10分は経った気がするけど...?


 「スノー、確かチケットがあればすぐに入れるんじゃなかったか?」

 「ええ、チケットを持つ方は限られておりますので優先席が今日いきなり満席になるとは考えづらいものです。何かあったのでしょうか?」

 「きゃーっ!!」

 「!?」


 受付の人が慌てて走ってくる。


 「何があったのですか!?」

 「お、お客様が酒に酔って暴れているのですが...そのお客様のレベルが高くて!」

 「...カメリア、スリジャ、スノー。」

 「オッケー。」


 私達は現場へ駆ける。


 ドゴォッ!

 「おらぁーっ、もっと、もって、こぉーい!」

 「馬鹿!お前酒に弱いくせにアルコール強いの食うんじゃねぇよ!!」

 「うるせぇ!!!」

 「うごぁっ!?」


 酔っている客は一緒に来ていた人を殴る。

 どう見ても周りが見えていない。


 「あのケーキは...なるほど、ブランデーが多く入ってるのか。美味そうだが俺らには早いか。」

 「言ってる場合じゃないですよ!」

 「私に任せて。拘束魔法[チェインバインド]!」

 「ぬぁ!?」


 よし、すぐに終わっ....、


 「あ、お嬢さんダメだ!!」

 「え?」

 「ぬぉおお!!!」

 「えええ!?」

 

 なんとスリジャの魔法による鎖を引きちぎったではないか。衝撃の光景にスリジャは驚愕する。


 「あいつは生まれつき拘束魔法に完全耐性があるんだ!!だからそれ以外じゃないと!!」

 「何よそれ反則じゃない!!でも舐めないでよね、だったら!睡眠魔法[ディープ・スリープ]!」

 「はにゃ...!?...ぐむむむ!!!」

 「効いてはいるけど...なんか堪えてるね。」

 「ねぇそこの人。なんかあの人と知り合いっぽいけど、レベルとかどうなのあの人。」

 「あいつのレベルは38だ。でも面倒なのは拘束魔法完全耐性もそうだが、あいつは酒に酔い易い上に酔うと狂暴化バーサーカーが発動しちまうんだよ!!」

 「なんですって!?」


 狂暴化バーサーカー...スキルの一種。

 目に映るモノ全てを破壊せんと暴走を起こし仲間の声すら聞こえない。攻撃対象が味方を含めランダム化する代わりに攻撃力や防御と耐性が爆発的(3.5倍)に上昇する。


 「おいおい、狂暴化バーサーカー相手は面倒だぞ。酔ってる内は騎士団にも預けられたもんじゃない。ここでなんとかするぞ。」

 「ハイビスとスノーロップさんはレベルいくつ?」

 「俺は40。」

 「私は39です。」

 「卒業ラインレベル超えてるなら大丈夫だわ。ね、メリー。」

 「うん。」


 カメリアは木剣を取り出した。

 

 「狂暴化してるとはいえ魔剣は使えないからこれでいいかな。」

 「んぁー?なんだぁヒック、オメェ。そんな木片で俺に挑もうってかぁー?ヒック。」

 「リズ、私が前に出るよ。」

 「じゃ俺はカメリアの支援、んでスノーとスリジャは後方で色々なんとかしてくれ。」

 「曖昧ですね...。」

 「魔法の知識はお前らの方が上だろ。俺達が酔っ払いの的になってやるから頼むぞー。」

 「仕方ないか...スノーロップさん、とりあえず案としては...。」

 「じゃ行くか。」

 「前方支援名乗り出たんだからしっかり頼むよ。」

 「へいへい。よぉオッさん、悪いけど親父狩りにあってくれや。」

 「ガラ悪いからやめて。」

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