第46話 勇者:テストと第二王子
カメリア達のお話はサブタイトルに[勇者]
と入ります。
「シア...。」
「メリー、大丈夫。何かあってもシアは凄く強いから戻ってくるよ。」
「...そうよね。」
入学式の日...夕方。
魔物の襲撃が発生した。
その時に現れたのは謎の少女。
可憐な見た目と日傘のような魔剣。
そして圧倒的な実力、リズのエアバレットを初見で躱すなんて並以上の人間でも出来るわけがない。
それだけじゃない、回避、防御の動作に於いて無駄な力の流れを感じなかった。少しの行動一つ一つが超上級クラスに鍛えられている証拠だ。
剣を弾かれた私だからわかる、今の私が全力を出しても勝てないかもしれない。
そう考えているうちに夜。
新しく手に入った魔剣をどういう物か見ていたが...、
[ 凶刃双剣]
攻撃力、60
切れ味、80
重さ、38
強度、(破壊不能)
属性、無属性
パッシブ、[切断の意思][魔断]
[凶刃]
[切断の意思]
・己が断ち切りたいと思う意思を反映し
ダメージが上がる。
[魔断]
・あらゆる魔法を断ち切りダメージを
軽減する。
[凶刃]
・同じ対象を切れば斬る程ダメージが増す。
少女がこの剣に驚いていた通り、凄まじい性能だ。
ただ重量が蛮蜘蛛の剣と比べて重い。
これを双剣で扱う以上、かなりの技量が必要だろう。
ただ重さがある分、剣を振った際の剣筋に安定性が出る。それに切れ味も非常に高い。
あの子もこれを見ていれば目を輝かせていただろう...あの子?
ああそうだ、“あの子”にも自慢したいなぁ。
あの子だったら騎士団が使う剣なんかよりこっちを使った方が強いとかいうんだろうなぁ。
...いつか会えるかな、うん、会える。
ーーーーー
それから1週間が経つ。
「次、カメリア・レッドペタル!」
「はい。」
我流・魔融合武法[疾風・パワースラッシュ]。
模擬戦場に設置された薪20本が一瞬で斬り落ちた。当然だが本気じゃない、全力出せば死人が出る。
「すげぇ...あれがカメリアさんの魔剣。」
「なんて力だ...!」
「戦いたくないなぁ。」
凶刃双剣...凄い、通常の武器と比べて魔力の乗りが良いし力が湧く。
重さにも慣れてきた、これくらいなら今の私でも十分扱えるだろう。
「次、スリジャ・オーカ!!」
「はい。」
パチンッとスリジャが指を鳴らすと、次々に薪が弾け飛んだ。本当に器用、彼女がレア魔道具を持てばどこまで強くなるのか...ああ恐ろしい。
まぁ手に入れてから考えてもいいかな、
とりあえずお互いハイタッチ。
「へぇー。スリジャさんの今の無詠唱魔法の構築って我流だよね?」
「ん?」
私達の所へやってきたのは長い銀髪の男。
彼の名は「ハイビス・ローダンス・マール」。
この国の第二王子で、第四学年になった際クラスが同じになった。
「見たことない組み方なのに速く正確に魔法が発動していたからさ、もしかして独自に組んだのなかって思ったんだ。僕じゃあんなの出来る自信は無い。」
「その通りですハイビス殿下。ご慧眼に恐れ入ります。」
「おいよせって、ここではそう言う立場は気にしたくない。...だったら第二王子として命ずる、以後タメ口を増やせ、ってかタメ口でもいいから生徒として普通に喋ろ。」
「...そうですね、んんっわかったわ。」
彼は結構フレンドリーって言うかフランクな馬鹿って感じだが阿呆ではない。
「そーれーと、カメリアさんも我流だよね。既存の双剣の扱いがベースなんだろうけど徹底して自分のスタイルにアレンジしてるって感じがあった。」
彼は観察力と洞察力が高い。
一度見た技の特徴をもう見抜いている。
技そのものは既存の技術が中心だがパッと見では違う技っていうくらいには自分に合わせている。
それに...、
「それっ。」パチンッ
「なっ!?」
「あちゃー、当たったけど被弾位置がバラバラだな。それに威力もスリジャさん程もないねー。」
学習能力も高い。
彼は完全再現こそ出来なくとも基礎は掴む。
高い観察力と鋭い洞察力そして優れた学習能力、
絵に描いたようなハイスペック人間だ。
「...ハイビスは圧縮する空気の密度がバラバラ。だから飛ばした際の抵抗力で薪の壊れ具合や命中率が揃っていないの。」
「なーるほど!なら、」
パチンッとハイビスは指を鳴らす。
「おおーおおー!いいじゃんすっげー!!わかるわかるぞーこれは、慣れれば強い!」
「早いなぁ。」
「“私達と同じ立場”なだけあるわ。あの制服は気に入ってないみたいだけど。」
多分成長力は学年一位だろう。
まぁ座学はスリジャに及ばないけどねっ。
(私も含む。)
「ありがとうな!んーこれからいっそう生活が楽しみだー!」
「は、ハイビス殿下、次の番が...、」
「ん?あーすまんすまーん!」
...ちょっとうるさい。




