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ゲーム世界に転生したので物語介入を始めます!  作者: 亜土しゅうや
準備期間編
4/73

第4話 学園に入学....!

 「出席番号4番、サフラ・アコニリン!」

 「はい...!」

 「出席番号28番、カメリア・レッドペタル!」

 「はい!」

 「両者、構え...始め!」


 時はかなり飛んで地域学校の卒業試験。

 私とカメリアは11歳、現在成績トップワンツー同士で模擬戦をしている。


 この5年で私は努力をした。

 騎士団...それも暗殺部隊を目指すために成績を最低でも1位〜5位のキープを努力した。お陰で騎士団の実働部隊や管理職などの広告が家にどっさり、量考えろアイツら。


 一方カメリア、本来の私ことサラは死んでるはずの存在だが今の世界では生存、そのためお互い友達として学校生活を過ごしている。私と努力してきたためか、今や私と1位をめぐるライバルフレンド。お陰で退屈しない。


 そして今やってる卒業試験の模擬戦はある意味どっちが1位かを決める勝負。いや座学はあったよ、でもお互い2位でクラスの委員長が1位取ったからこれで決めるしかないんだわ。まぁでも心なしか話す言葉に漢字が増えてきた。


 ちなみに委員長のスリジャは真面目系な見た目だが気楽な性格、総合成績3位。男主人公ルートでは彼女候補、女主人公ルートでは友達として登場する。ピーマンが苦手、通称リズ。


 カメリアはショートソード、私は短剣。どちらも木製。


 「えいやー!」

 「ひょいっ。」


 おっとそんな事考えてる場合じゃない、在学中こっそり習得した魔法[思考加速]をわざわざ使う場面じゃない。


 「カメリア、もっと相手をよく見て!」

 「うう...えーい!」

 

 感覚を掴みづらかろう、なにせ私は足音を消す魔法[サイレントウォーカー]と空気抵抗を減らす魔法[ウインドスルー]を発動している。カメリアルートは魔物の襲撃が多い分カメリア自身の成長が早い。何度かプレイした私にはどんな速度で成長し、どの程度まで強くなったのかがわかる。


 勝ったな、あっけないがこれで...、


 「!、ここ!!」

 「いっっだぁっ!?」

 「そこまで!」

 「え...!?」

 「マジ...!?」

 「模擬戦の勝者カメリア・レッドペタル!本生徒を首席とし最終成績を決定する!」


 な...な....、

 なにいいいいいいいいいいいいいい!?


 私が...負けただと!?

 馬鹿な、何を間違えた!?

 回避は完璧だった(はず)、今のカメリアには私に攻撃を当てれる技量なんて無かったはず!

 

 「メリー!!」

 「ひゃお!?さ、サラ、どうしたの!?」

 「どうやって私の足を狙えたの!?私はよけるにがんばってたのに!?」

 「え、えーとね!砂の音で...なんとなく!」


 は?砂の音?

 私はサイレントウォーカーを使って....待て。

 確かに私は[足音は]消していた。

 だがその際飛んだ砂利や砂の音は影響外、だって術が発動しているのは私だから....。そもそも私だけにかけても砂地じゃ....。


 しまったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!


 今人生初の大失敗。

 その後なんやかんやあって卒業式が終わり私達は学校を出る。私はカメリア、スリジャと成績最上位3人で帰り道を歩く。


 「1ヶ月後には私達も学園生になるのかぁ。」

 「ええ、どうせならもっとお休みがほしいですね。」

 「メリーとリズはそれまでの休日はどこか行くの?」

 「いえ、近頃周辺で魔物の動きが活発化してますのでお出かけは難しいですね。」

 「そっかー、そういえば春になって冬眠から目覚めた魔物が増えて危険だもんね。」

 「サラは?」

 「私も一緒。それに以前の事もあって今は騎士様達が周辺警備してるから隣町行くにもお出かけ気分じゃなくなるね。」

 「いい事思い付いたわ、サラの家に行きましょ!」

 「さんせーい!」

 「ええ!?ちょっと内に連絡するから待って!」


 突然だが家に招待する事になった。前世ではこういう人付き合いもつまらなく感じていたが...ま、こういうのもあっていいか。

 

 「ただいまー!」

 「「お邪魔しまーす!」」

 「いらっしゃーい!」

 「おねーちゃんおかえりー!」


 ちなみに妹が出来ました。

 現在3歳。


ーーーーーーーーーー


 それから約1ヶ月後の4月...王国立学園入学式。


 「ねぇ、あの三人って!」

 「ああ、例の地域学校の3大!」

 「ウチの部活に引き込むか!?」

 「馬鹿野郎!ウチが引き込むんだ!」

 「なんて可愛い子達!」


 見事に桜が咲く季節、前世でもここまで綺麗に咲いたなんて記憶はあまり無い。

 同時におそらく先輩であろう学園生徒にジロジロ見られている。ってか、なんで私達の存在を知られているんだ、プライバシーどうなってんだ?


 「あれですね、学園の門は!」

 「おおおー!」

 「こうやって見ると立派な学園だな。」


 3年後...私の世界に染まる舞台。

 待っててねお人形さん達、私が...遊んであげるからね♡



 入学式...


 「...以上。」


 はぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー......だぁっり。

 ゲーム設定で書いてあったよ、学園長の話は長いって。

 無駄な時間に使った酸素と寿命返せっての。

 こういうのがマジでつまんねぇぇぇぇーーよおおおーーー。


 「...サラ、大丈夫?」

 「...え?ああ、大丈夫。」

 「...そういえば、カメリアは?」

 「確か生徒会に呼ばれてた。おそらくあれだ、私達って数々の地域学校の中で3大と言われるほど成績良かったから。それでカメリアは事実上首席、なんか読まされるのでしょ。」

 「なるほどー、カメリアどんまい!」


 私に勝ったバチが当たったな、ぎゃっはー!


 「それでは今年度の首席入学生の答辞、首席カメリア・レッドペタル!」

 「はい!」


 ああ、どうやら入段するため端にいたようだ。

 うむ、声は出ているが見事足が震えているのが見える。

 緊張してるな?


 「ふざけんな!!!」

 「!!」

 

 すると突然怒号が飛ぶ。


 「そいつが首席?馬鹿を言うな!!俺の方が強えーし頭が良い!なのになぜそいつが首席だ!!」


 ...アイツは...誰だ?

 あんな奴学園にいたっけな?モブにしては目立ち過ぎだろ。


 「着席して静かにしなさい。君は彼女...いや、本校に入学する彼女を含めた3人よりも下だ。事実を認めぬ者は前に進まぬぞ。」


 学園長が静かに燃える怒りの声で注意する。

 アイツ早速人間として0点じゃねぇか。

 

 「チッ...。」


 まぁその場はなんとかおさまった。

 はぁ、ちゃんと3年後が無事にやってくるのか。


ーーーーー


 「サラー、リズー!」

 「お疲れ様ーメリー!」


 入学式が終わり体を伸ばしているとようやくカメリアが戻って来た。あー体痛い。

 私達は今年からここで寮生活。

 とは言っても1時間あれば普通に家にたどり着ける。

 さすがはゲーム、蒸気機関車があるから帰れるんだよなこれが。

 お陰で両親との別れ的な感動はなく、頑張ってね行ってらっしゃーいで済んだ。学園長の話と違って短くて良い親だ。ああちなみに日用品は学校が支給してくれる。

 

 「では早速私達の寮に行ってみましょ!」

 「おー!」

 「りょーかい。」


 「見つけたぞクソアマ!」

 「?」


 急に大きな声が響く。

 そこにいたのはさっき入学式で怒号叫んでいた男。


 「あのー、何か用でしょうか?」

 「気に入らねえんだよ!!テメェみたいなのが首席だっていうのが気に入らねえんだよ!!テメェみたいなのはなぁ、わからせなきゃいけないんだよ、俺が一番だって言うのをな!!お前ら!!」


 すると他の人相の悪い男子生徒4人が現れる。

 

 「...なんであんな奴が入学出来たのか。」

 「ねぇサラちゃん、どうしよ..!」

 「大丈夫、緊急事態のみ学園内では魔法の使用は可能。」

 「...だったら、私はあの悪い人をやっつける!」

 「なら私は右二人、サラは左二人!」

 「へい。」

 「やっちまえ!!」


 男達は襲い掛かる。

 リズは得意の魔法を発動する。


 「ウインドスリップ、こけて。」

 「うわぁっ!?」

 

 男達が走る瞬間に風を巻き起こしこけさせる。


 「こんなもの...!」

 「フラッシュ!」

 「あああああああ目がああああーーーっ!?」

 「マジックバインド、...ふう。拘束完了!」


 リズ、2人拘束完了。

 

 「ほらほら、おーいで!」

 「舐めやがって!!」

 「...なんて隙だらけ。」

 「あ...がはぁっ!?」


 とりあえず両者の鳩尾を容赦なく蹴った。

 2人ノックアウト。


 「...うおおおお!!」

 「遅いですっ!!!」

 「ぐあぁっ!?」


 カメリアは男の顔面を狙いパンチ。

 男は悶えて倒れる。


 「いっちょ上がり。」

 「おおおおお!

 「すげーぞ首席!」

 「さすが3大!」


 割とあっさり男達を撃破。


 「あめぇんだよ!!!」

 「っ、サラ!!!」


 ん?ああ大丈夫、人混みの中に混ざってるもう1人の仲間は...。


 「ちぇええりゃあああ....あ?」


 その男は何かにつまずく。


 「スレッドトラップ、そこにいるみなさんにこっそり糸をかけてたの♪。」

 「...ふざけやがって....おわっ!?」

 「誰も糸が一本って言ってないわ。」


 男が再び転倒、転ける先には石、サラは尖った石を持って喉が当たる位置に向けている。


 「....やめ!?」



 「...なんてね。」

 「...え?」


 喉に石は当たっていない。糸で動きが止まっているからだ。


 「危なかったねぇ、私が糸を適当に張って無かったら今頃喉が大変だったねえ。」

 「サラ、また悪魔みたいな笑い顔だよ。」

 「悪魔ー!」


 おっとこれは失礼。


 「そこまでにしなさい。」

 「ん...あ。」

 「学園長!?」


 そこに現れたのは学園長。

 

 「さて...君達は無傷、男達はボロボロ。...今年の首席達は随分腕が良いみたいだな!そう思わんか、アカンサスよ。」

 

 学園長は態度の悪いあの男に話しかける。


 「...ええ、これは素晴らしいとしか言いようがありません。文武共に文句なしの3人です!」

 「「「え?」」」

 

 え、どういう状況?


 「いや失礼しました。私はアカンサス、ここにいる者達含め我々は演劇部でございます!」


 倒れた男達と共に服をバッとすると、清潔な衣装が姿を見せる。というか3人ほど女性だった、男装上手くね?


 「今回学園長の命で3人の能力を図るため突然ではございましたが芝居を打たせてもらいました!正直申し上げて素晴らしい、その一言に尽きます!」


 アカンサスという男は目を輝かせている。

 というか思い出した、こいつサブストーリーの劇中限定キャラじゃん。


 「ハッハッハ!お前がそこまで清々しくいうとは、これは期待だな!...ちなみに入学式のワシの低い声も良かったじゃろ?」

 「ええ!芝居とわかっていても俺、背筋がゾッとしましたよ!」

 「「はっはっはっはっは!」」

 「え..えー。」


 ...すごい、ゲームでも見たけど、男子と騙すのに十分過ぎる変装技術、演技力!私でさえも違和感を感じない自然なゲーム展開!!

 なんて...なんて...なんて素晴らしい!!!!!


 「演劇部...演劇部!!」

 「...サラ?」

 「...?どうなされた。」



 「...私を、演劇部に入部させてください!!!!」



 「...へ?」

 「ええええーーーー!?」

 「ハーーッハッハッハ!面白い、早速新入部員とはな、はーっははは!!」

 

 学園長が大爆笑している。

 女性部員が喜びに目を光らせている。

 いやそんな事はどうでもいい!早く知りてぇ、この高度な演技....欺く技術を学びたいいいいい!!!


 んんんーーーーあっはははははははーー!!

 これは退屈のない学園生活になるなあーーーっ!!

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