第35話 異変の始まり
レベリング、その裏で
(※訂正:アスター→リクス...間違って裏の名前出しちゃった。)
「転移魔法妨害魔法陣展開、光学特殊信号弾魔道具妨害魔法展開...さぁ、実験開始よ!」
ーーーーーーーーーー
『...!』
(ん?シアどしたの?)
(変だわ、森の魔物達が酷く騒いでいる。)
(魔物?私達が暴れすぎた?)
(違う、これはなんだ...圧倒的な存在に対する恐怖心?少なくとも私達にじゃない。)
どういう事だ?
(そんなにレベル差があるのか?)
(うむ。早くこの場から逃げた方がいい、主よ。)
(わかった...。)
「...リズ。」
「ん?何かあった?」
「あった、今すぐ出来る限り精密にかつ広く気配探知をして欲しい。」
「...!」
スリジャはサフラの真剣な顔を見て、ただ事じゃないのを察する。
「行くわよ........ッッ!!?」
「リズ!?」
「何...今の...あっちから黒くて...重い気配があったわ...。」
あの方向は確か...ボスの大熊がいるエリアだ。
あれ、大熊は今の私達の実力なら十分倒せる、突進に気をつければ簡単に倒せるって自信を持って言えるくらいに。
だったら何が...?
「レベリングはここまでにしよう。シアから聞く限り、私達じゃ危険らしい。」
「そんなに強いの...わかったわサラ。」
「ここから近い出口って街道近くよね、騎士団の人ときっと会えると思うからこの事を....、」
ピーッ
「ッッッ!!??」
カメリアの後ろにそれはあった。
宙に浮かぶ四角い箱。
レンズのついた魔道具。
ああ、これだけですぐに察した。
これはドローンだ。
遠距離で対象を捕捉するために。
ターゲットを探すために。
どう考えても人為的に何かが起きている!!
「クッソがぁっ!!!!」
「っ、ダメ、サラ!!!」
私はドローンを破壊した。
「...壊しても反応してくるだろうね。なんなら見つかった時点で[奴]は動き始めていた。とっくに手遅れだったみたい。」
「そんな...!」
「あれ...この魔道具どこかで?」
「さらに最悪なお知らせ、...転移石が反応しない。」
「「!?」」
「どこかは知らないけど、転移石を妨害する魔法が広がってるみたい。...間違いなくこの辺りにいる奴ら皆殺しにする気だよこれ。」
「嘘...信号弾も機能しないわ!?」
「じゃ...じゃあ...!」
「やるしかないわね...これ、強化ポーション。」
「ありがと。」
森の奥から木々を薙ぎ倒して進む音が近づいてくる。全力疾走すれば先に森の出口に着くだろう、しかしその出口の付近には人通りの多い街道。下手に出て奴が着いて来たら大パニック間違いなし。
だからって真っ直ぐ突っ込むか?
いや死ぬな、流石に体が震える。
この前の暗殺者の比じゃない、本当になんだよこれ。
「リズ、出来るだけ私とメリーのサポートをお願い。ゴリ押しで勝てる相手じゃない。」
「わかってるわ、全力を尽くす。」
「ねぇ、二人とも今レベルは?」
「25よ。」
「サラは?」
「私は27になった直後。対して奴は確実に暗殺者以上。現在転移石での逃走も救助も期待出来ない最悪の状況、出来るのは奴と戦って生き延びる事だけ。リズはサポート、私は奴に毒や魔法で妨害を何度か試す。火力はメリーがお願い、純粋なパワーはこの中じゃメリーが一番だからね...覚悟と準備はいい?」
「うん...!」
「いっくわよ...!」
「グオオオオーーーーーーーッッッ!!!!」
それは...怪物だった。
ーーーーーーーーーー
「おい、しっかりしろ、リクス!!!」
「....。」
「!、リクスが目を覚ましたぞ!」
「大丈夫か、傷は治した!何があった!?」
僕は...っ!!?
「そうだ...化け物が...!」
「化け物?」
「この森の大熊...レッドグリズリーなのは間違いない、でもあれはただのレッドグリズリーじゃない!」
「?」
「見たんだ、体格が2周り大きく、赤黒い毛並みと恐ろしい眼。」
「なんだと?」
「あれだけデカけりゃパワーは段違い、でも動きが鈍いから死角を取ればって思ったけど...負けた。ピンポイントで僕を狙った。辛うじて[コレ]が作動したから離れたここに狙われず転移したんだと思う。」
リクスの手には赤い石が握られている。
「...まだ誤差があるが上手く起動したか。」
「だが妙だ、元がそれなりに大きい体格だっていうのに何故死角を的確に狙った?」
「わからない、まるで後ろに目があるみたいな感じだった。...そうだ、奴は!?」
「こっちには来ていないが?」
「森に誰かいるんだ!クレイジーフェアリーが騒いでいた、多分奴はその人達の所に行ったんだ!」
「!?」
「ここはどの位置!」
「エリアCだ。」
「クレイジーフェアリーが騒いでいた方向から考えると...街道近くのBだ!」
「Bだと!?今の時間帯は行商が多く通っているぞ!?」
「エリアB付近の街道に救援を呼んでおく。俺達はエリアBに行く。リクス、傷を治したばかりで悪いが来てくれるか?」
「はい!」
ドゴォッッ!!!
「な!?」
「グオオオオーーーーーーーーーーッッ!!!」
「この咆哮...間違いない、奴だ!!」
「わかりやすくて助かるぜ!王国騎士団特務隊、行くぞ!!!」
「おー!!!」




