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ゲーム世界に転生したので物語介入を始めます!  作者: 亜土しゅうや
Chapter.0
32/81

第32話 カメリアの輝き

 「なんだその髪と魔力は...?」


 カメリアの髪の毛先が赤く染まり、淡いピンク色のオーラを身に纏っている。何が起きたのか分からず皆はただ驚いている。


 わかるのは、カメリアから感じる力が増大した事。


 「...倒す。」


 ズバッ!!


 「ぐぉっ!?」

 「は、速い!?」

 

 アジサの右腕に斬傷、瞬きをした時にはすでにカメリアが目の前。3m離れた位置にいたカメリアが既に目の前にいたのだ。


 「ぐっ、[ 風圧回避ウインドステップ ]!」


 アジサは風魔法による風圧で退がる、

 風の勢いでカメリアが怯むのを狙っているのか、魔法を放とうとする。


 だが。

 

 「風圧軽減魔法[ウインドスルー]。」

 「!」


 風はカメリアをただ通り抜け、

 カメリアは手を前に出すと周囲に氷が現れる。

 

 「氷魔法[アイスショット]!!」

 「ぐあああ!?」


 氷柱つららの弾丸がアジサの両脚に命、その場に崩れ落ちた。


 「こ...この程度で!」

 『愚か者、控えよ。』

 「ぐああああっ!?」


 アジサは立ちあがろうとした瞬間、まるで屋根が崩れてきたかのように、全身が何故の重力で押さえつけられる。

 

 「今の声は誰?」

 「わからない、でもカメリアさんの方から聞こえたよ。」

 「まさか...?」

 「...あり得ない、あり得ないあり得ないッッ!!!この俺が...負ける?絶対正義が悪に...負ける...!?」

 「お前にはお前の正義があるのはわかる。お前のお陰で助かった命もあると思う。...でもさ、正しい根拠も納得のいく理由も無く、私の[友達]を狙うっていうなら貴方は私にとっては悪。せめて言っておきます、大人しく投降しろ。」

 「...凄い。」


 先程までの戦闘で負傷していたとは言え、たった数パターンの行動で格上の実力者を捩じ伏せたカメリア。


 「早く答えて下さい。私が貴方のような人を生かしておこうとする甘い考えを持っている内に。」


 その姿は強者。

 ついさっきまでのカメリアとは大きく違う。

 きっとサフラでも一瞬彼女だと気づかないだろう。


 アジサから聞き出す情報は多い、殺さず捕らえる。



 ...と考えた時だった。


 「もはやこれまで...と言った所か。」

 「そうだよ...ん?」

 「逃げろカメリアさんッッ!!!!」

 「っ!?」

 「[アトラクト]!!」


 スリジャが魔法でカメリアを自身の元へ引き寄せた。


 だが...、


 「ダメだスリジャさん!!!」

 「え。」


 カメリアとスリジャの足元から黒い鎖が現れる。

 驚いた隙に鎖は二人を縛った。


 「な、何よこれ!?」

 「魔力が...吸われていく...!!」

 「...ごめん。」

 「メリー!」


 二人は力を吸われた影響か立てなくなり座り込む。カメリアは戦いで魔力を大きく消耗したのか倒れてしまった。


 「少々エネルギーが足りなくてな...道連れになってもらう。」

 「お前...!!!」

 「俺は俺の信念を...思想を曲げるつもりは無い!!魔族の王が滅びた世界を見る事が出来ないのは残念だ!!」

 「奴は何をしたんだ!?」

 「...自爆です。」

 「!!?」

 「破壊魔法[マイン・コンバージョン]。己が肉体や生命エネルギーを魔法エネルギーへと変換する魔法です!...何もかもを消し飛ばすきか!?」

 「そんな...!」

 「させるか!」


 部長アカンサスはアジサに魔法を放つ、だが当たる直前に魔法が弾けたのだ。

 

 「これは...!」

 「チッ、集められた過剰な魔力がバリアの様になっている!俺程度じゃ壊せそうにない...。」

 「だったら...、うぐっ!?」


 クフェアも無事ではない、あくまで応急処置が済んだだけで、蓄積したダメージで体力が限界だった。


 (ああ、私のせいだ。さっさと殺せばよかった。)


 「さらばだ...悪よ!!!」




 しかし、なにもおこらなかった! ▼


 「...なぜだ。」

 「ッッッ!!!!!」


 アジサは驚きと絶望、そして気力を失ったかのような声を出す。


 カメリアはその隙を見逃さない。

 

 アジサが最後に見たのは、己が首に刃が迫る光景だった。



ーーーーー

 それから時間が経ち、現在夜の21時頃。

 部室にいた生徒達は教師達により救出された。


 負傷者が多く、緊急事態の措置として体育館にベッドや医療具やら負傷者、先生が集まっている。


 今回被害を受けた演劇部の部員は負傷者が何人もいて無事に助けれたとは言えない。


 特にクフェアの状態が危険であるらしく、特殊な毒を受けていた事や、一番傷を負っていたせいか現在教師達が全力で治療の魔法をかけている。


 カメリアとスリジャはMP切れっていうか、体の魔力が敵にほとんど奪われてしまい今は意識を失っている。だが命に別状はないらしい。


 部長も色々あったのに寮に戻らず、ずっと起きている。皆んなの事が心配なのだろう。


 正直、私達の方から死人が出なかっただけ幸運だ。

 


 一方で私サフラ・アコニリンは...。


 「おーい、サラちゃーん!」

 「副会長!」

 

 体育館の外で副会長と合流していた。


 副会長とは私が演劇部室に入る前に別れていた。

 何かが起きているのはわかっていたのだが、その時点では教師陣はまだ動いていないし敵の位置情報が記された地図も持っていない、外の状況が分からなかったのだ。


 なので副会長は暗殺者の目を掻い潜り外を偵察していたのだ。それもたった一人で。


 その際集めた情報を教師陣に伝達した事で今回教師陣が動いた後の処理が早かったのだ。

 クフェアがくれたその地図もあって一網打尽だ。


 そして色々あってようやく合流ってわけ。


 ちなみに私もやる気なしの部隊員を捕まえた後教師陣に何があったかの報告が終わったところだ。外はすっかり夜、あーしんど。


 「中の皆さんは...?」

 「あー大丈夫大丈夫、みんな治療は済みましたよ。でもびっくりですよ、私が部室出た後であんな事があったなんて。」


 私はムーブ戦闘に集中していたので気づく事が遅れた...いや、気づけなかった。


 どうやらアジサという男はいつの間にか部屋に何かしらの魔法で細工をしていたらしく救援の到着が遅れたのだ。てっきり死んだと思って教師のレニアと揃って油断していた。


 「クフェアさんの容体は?特殊な毒を受けていたそうですけど...。」

 「それなら...。」


 私はレニアからもらった低級エリクサーを見せた。


 「レニア先生から貰ったこれを使いました。まだダメージが結構残ってますけど、回復には向かってますよ。」

 「そっか、良かったぁ。」

 「はい。」


 レニアから受け取った低級エリクサーは

 [アイテムボックス]に入れていた。


 アイテムボックスは空間魔法の一種。

 異空間に物を収納出来る魔法です。

 というとなんかこう、異世界ものであるじゃん?

 ほら、なんかの空間に入れたり取り出すアレ。


 え?そんなのいつ覚えたんだって?


 このゲーム、そんな便利な魔法は授業で普通に覚えられるっていうか、設定あるんだよね。

 実際覚えた。


 良い設定ありがとう、開発陣ぃん!!!!!


 おっと、


 「でも、首謀者の男は結局捕えられなかったのね。」

 「はい、最初は捕えるつもりだったらしいです。でもその男..アジサは観念するどころか自爆で道連れする事を選びました。」

 「え!?」

 「それdぐゔぇあっ!?」

 「ちょっと!?どういう事それ!?!?」

 

 私の胸倉掴んで揺さぶる副会長!

 

 「こらこらキリス、落ち着いて。」

 「え?あ!ごめんサラちゃん!!」

 「頭が揺れるるるrrr...。」


 わーお星様がいっぱい...じゃないじゃない。

 生徒会長も合流。


 「んんっそれで、どうしてアジサは自爆出来なかったのでしょうか。お二人の魔力を吸い取ったのなら今頃被害は....。」

 「それについてはこの人のお陰さ。」

 「!」

 「まぁ、そういうこった。」


 現れたのは手錠をかけられたやる気なしの戦闘員。

 後ろには教師が見張っているが離れている。

 完全に敵意が無いのを悟っている、まぁ手を出そうものならやってみろな状況だけどね。


 「自己紹介といこうか、俺...オレっちはラタナス。」

 「ラタナス...覚えた。」

 「あんがと、オレっちは一応強襲戦闘員だが担当作業は奴らとは違ってね。」

 「?」

 「爆弾だよ。」

 「!?」

 「おお!?身構えるなって!まぁ無理もないか...。」

 「この人がアジサの自爆を止めたんだ。」

 「えっ!?」

 「魔法性や科学(かがく)化学(ばけがく)性の爆弾を用いて敵の撹乱や殲滅などが主。でもこれがかーなーりー技術力を持ってないとしんどくてねぇ、爆弾を扱うって事はその全てを理解してなきゃ危なくてやってらんねぇの。だからオレっち割とインテリ方面なのよ。」

 「...そうか、なら解除の知識も!」

 「はーい当たり、そういう事!!」

 「でも、よくそんな事が出来ましたよね...。」

 「秘密はコレ、戦闘員の腕輪。仲間が持ってた地図に位置表示される専用のパスが組み込まれているのよ。これの回路の(よくわからない単語)線を通じてヤツの(習ってない内容)を(全然わからない技術)して...。」

 「待ってわからない、全っ然わからない。まぁ...つまり、魔道具のパスを通じて遠隔解除したってこと?」

 「そー!流石にアレに巻き込まれるのはごめんだしな、まー俺が何を考えてそうしたかは想像に任せるぜー。」

 「...まぁ、結果的に私達はこの人に助けられたって訳です。」


 この男は忠誠とか正義とかそういうのじゃない。

 生きるためならどういう場合であれ自身の技術力を惜しみなく発揮している。


 例え味方であろうとそうする辺り、ある意味コイツは相当な暗殺者向きの性格だと思った。


 「オレっちはまだまだ取り調べもあるし、総隊長も後日謝罪に来るから、ガキ共はさっさと休んだ方がいいんじゃないか?じゃーねー。」

 「はいはい。」

 「あーそうそう、魔力不足でぶっ倒れてたアンタのお友達目覚めたぜ?」

 「お!」

 「なら早く行きましょ。」

 「ええ。」


 私達は体育館へと向かった。

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