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ゲーム世界に転生したので物語介入を始めます!  作者: 亜土しゅうや
Chapter.0
30/81

第30話 それは夕暮れ時の出来事

 「な、なんだ。何が起きた!?」

 「落ち着け、ここは倉庫だ。さっき横に置いてあった荷物がここにあるだろ、おそらく物体転移の魔法で近くにいた俺達も巻き込まれただけだ。」

 「な、なんだ...驚かせやがって。バレたかと思った〜。」

 「早く戻るぞ、職員室はなんとしてもターゲットに近づかれてはまずい。こっちだ。」


 学園内の倉庫に転移してしまった暗殺者2人。

 2人は他の2人と計4人体制で職員室前を見張っていたのだが、彼らの近くにあった荷物を教師レインが倉庫に収納するため転移を使い、それに巻き込まれたのだ。

 

 彼らは備品の山の中を進み出口へ、外に出るとそこは西棟の3階。職員室は東棟で1階にあるのでここからだと結構離れているので流石の二人も焦りを感じた。


 「まいったな、思ったより離れているぞ...。」

 「はー畜生、運が悪りぃぜー。」

 「チッ、急いで戻るぞ。」

 

 暗殺者達は暗くなり始めた廊下を静かに進む。お互い臨戦体制を崩さずターゲットを探しつつ職員室へ向かう。


 「おい、C班からの連絡はどうだ?」

 「一切応答無しだ。」

 「んぁ?アイツらは3人行動だろ、まさかやられちまったか?」

 「それは考えづらい。アイツらの連携の凄さは知っているだろ?おそらくターゲットを狙い巡回しているので下手な通信はとっていないのかもな。」

 「なるほど、忍んでいるのに喋ってちゃまずいからな!」

 「そう言う俺らも今まさにまずいがな。」

 「...。」


 そう言われ黙々と廊下を進む。

 するとある疑問が浮かんだ。


 「そういやターゲットの小娘はなんで狙われてんだろうな?」

 「...、まさか知らないでこの作戦に参加したのか?」

 「なんかすげぇ獲物狙ってるみたいな話があったからノってみた。そしたらこれよ。」

 「お前...いいか、ターゲットの[サフラ・アコニリン]は危険度Aだ。」

 「え、なんでだ?怪しい科学兵器作ってたり無差別殺人してるってのか?」

 「サフラ・アコニリンは第一学年でありながら襲撃の群れをたった一人で片付けたり、非常に強い毒を持つ魔剣持つ、その実力は英雄エキナを一瞬とはいえ本気にさせた程。以前に集団暴行を行おうとした第五学年20人を返り討ちにもした。」

 「...だからなんだ、ただ飛び抜けて凄い奴って事じゃねーか。それの何が粛清対象ウンヌンカンヌンな話になるってんだ。」

 「奴は今我々暗殺部隊の存在を知っていて、隊員の顔がいくつも写った写真を所持している、悪用されればまずいに決まってるだろ!」

 「それは組織おれたちの不手際だろ、そんな事のために参加したのか、俺は。」

 「...その不手際起こしたアジサ隊長の命令だ。直属の部下の俺は絶対参加だ。」

 「アジサねぇ...あの人総隊長と名前似てるからややこしいんだよ。」

 「本人の前で言うなよ?」

 「わーってるわーってる。」


 〈こちらG班、A班に代わり職員室の監視を開始する。A班は現地点から職員室までの間周囲の探索を要請する。〉

 「!、了解。戻るまでの間を頼む。」

 「どした?」

 「G班が職員室の監視を一時的に代行を開始した。俺達は一旦周囲を探索しつつ持ち場に戻る。」

 「りょーかい。」


ーーーーー


 それからしばらくして、二人は職員室前に戻ってきた。だが...、


 「...やっぱりおかしくねぇか?」

 「...流石にな。」


 彼らは職員室前に到着する。

 だが妙だと思う事があった。


 「G班どころか他の隊員やつらはどこ行ったんだ?」

 「連絡が一度も来ないのは明らかにおかしい、何があった?ここにいたG班とE班もいない、持ち場を離れてどこに?いや待て、G班はさっきE班が近くにいるとは言っていない?」

 「...!なぁ、教師の数が減っていないか?」

 「!」

 「まさか、気づかれちまったのか!?」


 「あー、あー、これより学園内清掃作戦を始めます。えーと北棟は...。」


 「...どうやら気のせいだったらしい。生徒も居なくなったと思えばそう言う事か。」

 「んだよ驚かしやがって、だが余計にまずくないか?教師がバラバラに動けばどこでターゲットと会うか...。」

 「いやそうでも無い、複数人行動しているのはこちらも同じだ。下手に行動しようものなら見つかるだけだ、流石のターゲットもずっと動いていられる訳は無い。」


 教師が広域に散らばる分周囲の気配が乱れる。その状況で気配を隠した暗殺者を察知するのは難易度が高い。


 加えてもし教師に言ったとしてもそれが単独、少人数であった場合はより大勢に知られる前に始末される可能性がある。

 

 何より教師達は担当区域が決まっている。

 教師達の行動パターンを調べられれば結局チクる事は出来ない。


 つまり、さらに助けを求める事が難しい状況となったのだ。


 「そ、それもそうだな!今そいつの友達とやらはまだ部室にいる、見捨てはしないと思うぜ。」

 「町にも隊員なかまは待機している、まだ後手に回ってはいないさ。」



 そう、本来なら。


 「それでは...特別参加の[サフラ・アコニリン]さんは残りの2人の掃討をお願いしますね。」

 「はい、教頭先生。」

 「....!?」


 校内放送から響いたその言葉。

 背後から突然現れたその言葉。


 「あーあ、制服クリーニングに出さなきゃなぁ。あ、お仲間さんはもういませんよ...この世には。」

 「なに...!?」

 「あれ、貴方...?」

 「あ...悪魔があああーーー!!!」


 片方が攻めに出る。


 「随分精神的に追い込まれているご様子で。さっきまで冷静に話していたのを見ていましたが...どうやら内心ものすっご〜〜く、私に怖がっていたんですね!」

 

 サフラに攻撃は当たらない。

 男の恐怖で焦る刃が当たらない。


 「国のため...未来のため....!」

 「これは厄介だな。捕虜にするにはちょっといらないかな、じゃ。」


 男は出血毒を纏う魔剣に腹を深く斬られた。


 「さて、残るは貴方...と言いたいところでしたが。」

 「な、なんだよ。」

 「貴方...やる気無いですね?」

 「!」

 「さっきから見ていた暗殺者達の目とは違う、何者ですか?」

 「...そう言う話は捕らえて人を集めてからの方がいいじゃねぇか?」


 男は剣を捨て窓に背を向ける。

 窓の向こうには武装した教師の数々、

 廊下からも教師達の走る音が聞こえる。


 男は鼻で笑い座り込む。

 その気配から戦闘意欲は何一つ無かった。


 「ヘッ、先に敢えて言うぜ。俺は勤務態度が悪い。」

 「敢えなくても見てわかる。」


 こうして諜報隠密特殊部隊通称暗殺部隊、強襲部隊過激派によるサフラ・アコニリン襲撃事件は1名の捕虜と1名のやる気無し計2名を残し、討伐完了。

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