第25話 武勲の勇証
「....ぬっ。」
気がつけば保健室、そういえばシリーズ3では学園内で敗北すると保健室で目覚めるんだった。(それ以外はセーブポイント...ああそういう話はまたその内)
というか、保健室のベッドで寝るなんて前世からいつぶりだろうか。めっちゃ良いベッドやん、ふかふかだが腰に負担が掛からない。だがサボりで寝ているわけじゃない
よっこらせ、...む?
なんだ、妙に力が湧き上がってくる。
えーと....ふぁ、レベルが23になってる。
...で、原因はおそらくレベル65のエキナと戦ったからだろう。経験値っていうだけあって相手の動きを学習したのだろうか。ゲームと違って負けても経験値入るって最高だろ。
んでだ、今はすっかり暗い時間。
明日は祝日で学園は休み。
どうせならこのベッドでずっと眠っていたいけどそんな漫画みたいなサボりっ子になるつもりは無い。
あーめんど、さっさと寮に戻るか。
「あら、起きたの?」
「はい、もう大丈夫です先生。」
ガラッ、バーン!!!
「やぁ子猫ちゃん!起きたかい?」
「ひぇっ。」
「こーらエキナ、保健室は静かに入って来なさい。」
「うぎゅっ、ごめんなさい...。」
...ちょっと待て。
「先生、なぜにエキナ...さんを呼び捨てに?」
「子猫ちゃん、その人ただの人間じゃないよ。」
「は?」
「...ふふっ、私はいわゆる[エルフ]族なの。」
は?エルフ?
いや、でも耳が...。
「エルフというと...確かここから離れた土地に住むっていう耳が長く長寿系の人間族でしたよね。でも耳は私達と変わりないですが?」
「私はハーフエルフ、お父さんが[ヒューマン]なの。」
ヒューマン...簡単に言えば私達のような人間、族、人種のこと。
「それで耳はヒューマンだけど基本はエルフ、だからこう見えても97年は生きてるわ。」
「ふぁあ!?」
「いいなぁ、エルフではまだまだ若い方ですよ。私だったらその頃にはもうヨボヨボのおばあちゃんですよ。」
「あらエキナさん、貴方はスキルで...おっと最高機密。」
「さらっとヤバい話をここでしないでください御二方。」
どういう事だ?
そんな設定ゲームでは見ていない。
ゲームでは........待て、SNSで公式が裏設定の画像載せてた。確かー.....記憶魔法[オモイダシ]。....あった、思い出してきた。
確か名前はマリカって言うヒューマン耳のハーフエルフって設定画があったわ。
「10年前までは町で医者をしていたけど2年前にここの学園に保健医として来たの。その時私にここを紹介したのがエキナさんなの。」
「前の保険医の人が異動するとワブキから聞いてさ、腕の良い保険医に心当たりないかと聞かれてこの人を呼んだってわけ。私が旅をしていた頃に出会ったの。」
「そうでしたか...。」
もしかしてシリーズ2のサブクエストで出会うモブグラフィックの女医か?
まぁその辺はどうでもいいや。
「ところでエキナさんは私に何かご用で?一応私も用はありますが。」
「おっとそうだった!ワブキからこれを預かっていた。」
サラは[武勲の勇証]を手に入れた!
「この指輪は....!!?」
金色のワイドリング状、赤い宝石。
「凄い驚いているわね...。」
「そうだろう?それはワブキからであると同時に我々デイジー家が君へ発行した証だ。私達は君の強さを認めよう、今後も励むといい!」
武勲の勇証...重要アイテム枠で捨てる事の出来ないタイプのやつ。手に入れた時点で全ステータス+3%という効果を持つ。
ステータス...
[サフラ・アコニリン]
[レベル:23]
[年齢:12][誕生日:7月21日]
体力:1236 (1200+3%)
筋力:463 (450+3%、小数点切り下げ)
魔力:463 (450+3%、小数点切り下げ)
物理防御:206 (206+3%)
魔法防御:206 (206+3%)
速さ:618 (600+3%)
うーむ....低い。
多分カメリアが同じレベルに達したら私以上なのは確実程度に低い。スリジャは...わからない。
やっぱりこの体の影響か、本来登場も無く設定画があった程度の中身無しボツキャラ枠なのかもしれない。
だから基礎ステータス設定がNPC...モブどもから多少変化があったくらい。今回上手く戦えたのはゲーム知識があったからこそだ。まぁ純モブと比べりゃずっと強いが。
加えて運良く手に入った蛮蜘蛛の剣とその他アイテム。あとは今より小さい時からの努力だな。
「ワブキは君を相手するにはまだ早い、またいつか強くなったアイツと手合わせしてやってくれ。この勇証はその約束の証でもある。」
「わかりました。待っていますよと、お伝えください。」
「うむ!」
「さて...私から聞きたいことが。」
「ん?」
エキナは指をパチンと鳴らす、すると部屋が結界に覆われた。遮音の結界か...。
「これでいいかい?」
「...エキナさん、デイジー家なら騎士団の暗殺部隊の事については知っていますよね?」
「!...凄いね、どこで知ったんだい?」
「それは内緒です、しかし近頃監視をされている気がしまして。」
「...ふむ、その様子からして既に部隊員と出会ってるね?ますます君が何者かわからない、何が目的でそれを聞いたんだい?」
重くなる空気の中、私は堂々と言う。
「いえ、ずっと監視させられるのも女子としてスッゲェ嫌なので、見つけ次第ぶん殴っていいのかとお聞きしたくて。」
「...はぁ?っあはははは!そうかそうか、そんな事か!」
ゲラゲラ笑い始めるエキナ。
「別に大丈夫だと思うよ、やられたらやり返せ!っははははは!!」
はい許可入りましたーーーー!!!!
ストーカー紛いのアイツら経験値に出来ますひゃっふーーー!!
「ひーひひっ、いや本当に驚いた!経緯はどうであれ暗殺部隊の存在に気づけるなんて!」
「ちょっと笑い過ぎよエキナ。」
「はは...ごめんごめん。さて、私に言ったって事は殴る許可と同時に、君が暗殺部隊の存在に気づいてるって裏で広める意味合いでもあるのかい?」
「はい、権力がある上に関わりある方なんてそうそう出会えるものじゃありません。正直監視されるのはウンザリなのでこの際出来そうな事を一応試しただけです。」
「わかった、任せておきな。」
その後先生とエキナは近況報告とかなんとかで話す事があるそうなので私は帰る事にした。
はぁ、結局私の注目度はさらに上がっただろう。正直目立つ目立たない点に関してはどうでも良くなってきた。明後日は劇の打ち合わせとかもあるし祝日はゆっくりさせてもらうとしよう。
ーーーーーーーーーー
その日の夜...
「...。」
寝れない、眠れない。
監視の視線が鬱陶しい。
『ふむ、あそこに誰かおるな。』
「どこ?」
『えーと、28番糸。』
「えい。」
バーーンッ
「ッーーーーーーーーーーーーーー!?」
バキバキドカーンッ
『当たったな、タライ落としは痛かろう。』
「んで転げ落ちたな、ったくこんな時間になんだなんだ。」
「ッーーー.....!」
「あれ、クフェア先輩だ。」
「あばばば.....。」
「そんな慌てなくてもいいですよ、殺したりなんてしません。でも...テメェらなら情報の行き渡りは早いよな?わかってるのか、今自分がした行為が??誰の命令だ、テメェ下っ端だろ?独断で動ける訳が無い、話せ。デイジー家の言う事を聞かない様な馬鹿は誰だ、そんな馬鹿に従う目の前の馬鹿はなんだ、女の子のプライバシーを無視出来る連中は組織は上司は誰だ????....事と次第によっちゃ五体満足で戻れると思うなよ、クソガキ。」
ザザザッ
「...サフラ・アコニリン。仲間の腕や脚を取られるとなると私達でも黙ってはいられない。」
「...そっか。」
武器を取り出す暗殺者達、そこですかさず...。
パシャッ
「...!?」
パシャッ、パシャッ、パシャッ、
「馬鹿な...撮影魔法[カメラ]!?いつの間に!」
「...揶揄ったお詫びに紹介しましょう。シア!」
私の背後から魔法陣、
光が溢れる。
「英霊!?そんな馬鹿な...ぁ!?」
現れたのは大きな蜘蛛、
現れると同時に威圧を放つ。
「化け物.....!?」
「おい、あれを見ろ...!」
周囲にいたのはシアの子分である蜘蛛や森の獣、
こんな事もあろうかとシアは子分を増やし色んな魔法を覚えさせていたのだ。
そして撮影した写真は主人...シアに送られてさらにその主人である私に。
『我が名はシア、サフラ・アコニリンの英霊である。貴様らを撮ったのは我の子分だ。」
「ご丁寧にフラッシュもつけましたのでハッキリと写ってるでしょう。この意味、わかります?」
「...引くぞ!」
暗殺部隊の奴らはクフェアを連れて去って行った。
「さて...寝るか。」
サブクエスト[この目で見極める]...クリア!
サブクエスト[若き暗殺者]を受注しました。




