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ゲーム世界に転生したので物語介入を始めます!  作者: 亜土しゅうや
準備期間編
13/81

第13話 十聖候補推薦試験

 私は決めた。

 物語介入をする上で、シリーズ3開始時点での二人の底力を上げる事を決めた。

 物語介入するにしては本編始まる前なのにやばい事をしているけど大丈夫なのだ。


 ・主人公カメリア、スリジャは本編開始時点で成績が高いのでそこらのモブよりはずっと目立つ存在。そりゃ主人公とレギュラーだからね、物語必須キャラや世界観を残した上で本編を進めれば大成功だ。

 ・物語ではどんな成長をさせるかがプレイヤーによって変わる。ならば底力上げて彼女らにその後を決めさせる。これで彼女ら本来の実力を引き出す。そうすりゃ本来ゲーム内で成長に費やす時間を減らしたり、本編以上に強くなってストーリーがサクサク進むかもしれない。

 ・そして私は必要以上に目立たずに済む!


 暴れすぎて十聖という学園10人のエリートというシステムが生まれ余計に目立つ状況になってしまった。しかし十聖は現在8人、残り2人をカメリアとスリジャにして目立ちを平均化だ。


 確か...ストーリー上では主人公の活躍に嫉妬したりパートナーキャラから主人公を奪おうとするお邪魔キャラなどが存在するけどアイツらなら多分十聖でもお構いなく来るだろう。アイツら[最後]まで嫌なキャラだったし。


 だからこそ関わらず残しておかないとせっかくの物語改変が美味しく無くなる。お人形にはお人形の舞台を残すべきだ。


 仮にも何度もプレイしているゲームの世界。私というイレギュラーが動いて今がある以上なんとしても本編までに形を残す努力をしないと。


 というわけで...その一歩目。

 

 「...ふむ、君の言う通り彼女達は優秀だ。今後の十聖候補枠として推薦する資格はある。」

 「本当ですか!?」

 「でもね、候補になる以上ちゃんと確かめる機会が欲しいな。サラちゃんだっけ、時間がある時にあの二人と模擬戦がしたいのだけど...。」


 ある日の自販機前。

 生徒会長と副会長を呼び、十聖である私がカメリアとスリジャを十聖の候補枠として推薦したいと話す。


 「なら明日にしましょう。二人とも午後は特に予定はありませんから。」

 「オッケー決まりね!」

 「油断はダメだよキリス、同じ十聖である彼女が推薦した人物であり3大の2人だ。実力は他の一般生徒と比べ物にならないよ。」

 「わかってる!」


 よし、推薦状は通った!

 

 「というわけで二人には明日、生徒会長と副会長に全力を見せてください。」

 「「なんで!?」」


 寮に戻り、二人にその事を話す。


 「だってほら、5日前の不良みたいなのが十聖残り2枠埋めたら学園全体が困るんだ。二人の事は私がよく知ってるし、学園側としても信頼出来るんだ。十聖の事は国外にも知れ渡ってる、立場を乱用する輩に埋めさせる訳にはいかないんだ!」

 「だからって急すぎるよサラ!?私達まだ第一学年で入学してから半年も経ってないわ!?」

 「いくら私達でもその...十聖?ってのは無理だってーっ!!!」


 むぐっ、ならば...、


 「...勝手なのはわかってる、でも私...寂しいのよぉ!!」

 「「...!!!」」

 「予想以上に目立ち過ぎて結構怖いし私一人がすごいわけじゃないの!!二人がいたから今の私がいるの!だからお願い、一人にしないでーーっ!!」

 

 見よ演劇部で鍛えた超ナチュラルな情に訴えるお願い!


 「はぁー...まぁ確かに十聖なんてのが急に作られたのは驚いたし、サラも怖い思いをしているのも事実だわ。」

 「サラは何かと挑戦する割に慎重なのは昔から変わらないもんね。私はサラを見捨てなんかしないよ!」

 「じゃ...じゃあ!」

 「しょーがない、十聖の候補枠ってのになってやろうじゃないの!!」

 「成績と将来に良い影響が出るってなら挑んでみせるわ!!」


 スリジャ、カメリア....意外とチョロいな。

 でもおかげで作戦が進んだ。

 んっふふふ....明日が楽しみ♡


 その夜は布団の中でも、寝付くまで笑顔が止まらなかった。


ーーーーーーーーーー


 と言うわけで翌日、放課後の模擬戦場。

 

 「うぇぇ...緊張するなぁ...。」

 「大丈夫だって!二人とも強いから!!」

 「それほど励ましになってないわよーーっ!!」


 震える二人、ニコニコした私。


 「やー、サラちゃん!」

 「よく来てくれた、3人とも!」

 「生徒会長、副会長!お時間取っていただきありがとうございます!二人を連れて来ました!」

 「よ...よろしくお願いします!」

 「よろしくお願いします!」

 「いーねーいーねぇ、いい返事だよ後輩達よー!...早速だけど私はリズちゃんの相手!会長はメリーちゃんの相手よろしくー!」

 「え、いきなり!?」

 「はは、キリスは本当に行動が早いなぁ。宿題以外は。」

 「最後のは余計だーーっ!!!」


 「それでは、私はこちらにいますね〜。」

 「準備は良いかい?」

 「準備いいー?」

 「はい!」

 「大丈夫です!」


 カメリアは剣を持ち、スリジャは杖に魔力を込める。


 「それでは十聖候補推薦試験....開始!」

 「てやーーーっ!!!」

 「ファイア・スピア!!」


 カメリアとスリジャは開始速攻で攻めに掛かる。


 「おおう!?」

 「流石だ、スタートダッシュとしては良い速さだ!!」


 会長はカメリアの攻撃を防ぎ、副会長は避ける。

 この時点で実力の差が私には見えた。


 『ふむ、流石だ。あの生徒会とやら重心がしっかりしておる。基礎を極限まで鍛えておる証拠だな。』

 「ああ、隙が全然無い。この前の不良とは段違いだ。」

 

 それ故に彼らは二人を見定めるに最も相応しい人達と判断した。

 全国剣技大会優勝経験有りの生徒会長と、

 属性魔法研究会最優秀賞経験者の副会長。

 主人公故に総合的な才能が高いカメリアと、

 学力、知識、魔法の才能が高いスリジャ。

 二人の今後に大きな未来をもたらすこの戦いは見逃せない。


 カメリアは勢いのある剣技で押し攻める。だがその動きは無駄が少なく恐ろしい。

 生徒会長は重心を一切崩さず冷静に対応、下手に攻めれば返って大きな反撃を受けてしまいそうだ。

 スリジャは魔法を正確に構築、高精度に攻撃している。こう言うのは並の知識量じゃ脳に負担がかかるがスリジャは全く問題ない。

 副会長も同様凄まじい知識量を持つようだ、ヘラヘラしているように見えるがスリジャの動きを正確に分析、同時にどんな魔法がその時有効なのかをリアルタイムで思考と構築。はっきり言って化け物だ。


 「はあっ!!」

 「っ!すごい、もうこの動きに対応して来たか!」

 「サンダー・ボール!!」

 「あっはー!すごいよリズちゃん、君面白いわ!!」


 お、もう会長らの動きに対応してきたか!

 

 『二人の才能、今こそお主が見定める時ではないか?』

 「そうだ。」


 人は精神を研ぎ澄まし何かに夢中となった時本質が現れる。食事で人によって食べ方が違うのもそれの類いだ。


 「せやっ...うわっと!?」

 「っ!!」

 「そこで...え、不発!?」

 「おおっと!?」


 「そこだ!!!!」

 「!?」

 

 カメリアは生徒会長の動きに隙を見つけて攻めたが思うような攻撃が出来なかった。

 スリジャは背後に回り込んだ副会長に反応し反撃、しかし杖がスリジャの反応速度について行けなかった。


 「...流石です。貴方もお気づきになられましたか。」

 「学園長が十聖に選ぶだけはあるねぇ!二人とも良いお友達持ったじゃーん!」


 会長達は収納魔法[ボックス]からそれぞれ物を出す。


 「カメリアさん、これを使うといい。」

 

 生徒会長は刃渡り60cmのショートソードを2本取り出した。


 「リズちゃんはこーれ!」


 副会長は指輪を取り出した。


 「メリーは分析能力と器用さ、速さに才能がある。さっきメリーの動きはどちらかと言うと双剣に向いている。なら今後は双剣にしてみるといい、もし武器の長さが合わないなら後で変えればいいさ!」

 「双剣!?私に出来るの!?」

 「リズは指輪の魔動具。杖と比べて魔法の威力や精度が落ちるけど、魔法演算や構築がかなり自由化される。咄嗟の行動時の魔法構築がさっきと比べてしやすいだろうし、リズは思考力が高いから今まで以上に複雑な構築も出来るだろうさ!おそらく杖以上に強みを出せる。」

 「さっきの不発...そう言う事だったの!?」

 「ちょっとー、先輩の私達が教えたかったのにー!」

 「君は第一学年の割にはかなり知識量があるようだ。...一層何者なのかわからないけど、参ったよ!」


 やべっ。


 「あはは...さて、一度慣らしてから再開しましょう!」

 「...いや。」

 「ん?」

 「このまま再開します。」

 「え!?」


 ちょい待って、慣らし無しで挑む気?

 武器の修練度無しは流石に危険だって!!

 せめて修練用の人形を壊してからにしてぇ!!


 「ふーん...後輩ちゃんのこの熱に答えずして先輩はやってられないわね。」

 

 え?


 「いいだろう、私達の手で君達を成長させよう。改めて推薦試験の開始だ!」

 

 先輩ぃ!?!?


 カメリアは会長に速攻で攻める。

 会長は防ぐ、

 カメリアは左手の剣を振り一回転、攻撃と同時に姿勢を整える、なんて器用さだ。

 ようやくわかった、この世界のカメリアは速度と器用さ重視の物理アタッカー。筋力、パワー自体はあるがそこまで高く無い。その分を双剣による多数攻撃と器用さによる高精度で補う。 

 サポート技で火力を上げればその辺りは問題無いだろう。

 

 スリジャは指輪に魔力を込め、魔法を発動し始める。

 すると魔法陣から炎やら水やら風やら土やら光やら闇やら...属性魔法エネルギーの一端が溢れだした。

 その理由、

 スリジャの最大の特徴は...[全属性に適正がある]と言う事だ。チート主人公染みた性能を持ってる故に攻略サイトではパーティメンバー必須キャラとして最も有名。相手の弱点属性を無属性でない限り絶対突けるのだ。


 「「はああああああーーーーーーっ!!!!!」」


ーーーーーーーーーー


 ...そして。


 「...ふぅ、結構本気出しちゃった!全然フルパワーじゃ無いけどね!」

 「文句無しに十聖候補枠として合格だ。よく頑張ったよ二人とも!」

 「はぁ...はぁ...や、やったぁ...!」

 「ぜぇ...ぜぇ...つか..れた...。」


 息を切らすカメリアとスリジャ。

 二人とも十聖候補枠として合格!!

 よぉぉっしゃああああああーーーーーーッ!!!


 「それじゃ会長、私らはこの二人を寮に連れて行くの手伝うから!」

 「わかった。こっちはサラさんと学園長にこの件を報告してくるよ。」

 「あのー、この武器もらっていいのでしょうか?」

 「いいのよ、もう使って無いし上げるよ!」


 っはぁ、見ていて面白かった!

 これで二人を本格的に鍛える事が出来そうだ。


 「...っと。」

 「うぉっと、大丈夫ですか?」

 「ああ、ありがとう。予想以上に彼女の実力が高くて僕も疲れてしまった。」

 「しっかりしてくださいよ、変にボロボロだと彼女さんのキリスさんに迷惑かけますよ?」

 「っ....バレてたのか。」

 「私に戦いが見える様、お互いそれなりに近い距離で戦いながらもぶつかって無いし、そもそも会話をするのがとても楽しそうでした。何より同学年ですから、もしかしたらそうかなぁって。」

 「ははは、君は本当に恐ろしいよ。」

 「...ええ、私は恐ろしいのです。」


 その顔は悪魔のような笑顔だった。


 「...君が他の生徒の間で[邪神]や[クチナシ様]って呼ばれてる理由がわかった気がするよ。」

 「え?」

サラ「私...そんな異名あるの?」

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