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アルスハイム工房へようこそ  作者: 日向タカト
第1話「アルスハイム工房へようこそ」
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エピローグ「アルスハイム工房へようこそ」[第一話完結]

 アルスハイム工房からは今日も言い合う声がする。

「だから、何度言ったらわかるんだ。設計図は出来たら、見直せ。細かいミスが多い」

「わかってますよ! うるさいなー。フィルさんは細かすぎるんです」

「アーティファクトを作るというのは、正確さと論理的な考え方が必要なんだ」

 フィルとレスリーが言い合っているのは、レスリーが請けた依頼のアーティファクトの図面確認してる際に、魔力値の計算ミスが多すぎて、フィルが痺れを切らしたことがキッカケだった。

「わかりましたよ、もー! あーあー、ライラさんの依頼、300万J入ってれば、新しい素材ももう少し買えたのにー」

「そういうなよ。あれは俺らとルーシーどっちが優れていると決められるものじゃないだろ」

 ライラの屋敷を訪れてから三日が経っていた。彼女は今回の依頼の報酬金額を、フィルたちとルーシーで半分に分けた。

 断想再生機も想いの書き手も、どちらもライラの依頼である、想いを再生を達成している。ライラもどちらかのアーティファクトを選ぼうと悩んだが、選ぶことができなかった。

 彼女は申し訳なさそうに、それぞれに報酬を支払う形にさせて欲しいと申し出た。

 その際、フィルはルーシーと顔を見合わせて、提案を受け入れることにした。

「ライラさん、モーリスさんの想いを知れてよかったですね」

「そうだな」

 今回の断想再生機を作成するのに、ラピズと一戦を交えたが、ライラのあの涙を見れば、それに似合うだけの苦労だったと思う。

 ただ、本来は魔法使いの力を借りずに、依頼を達成するべきだった。自分の力不足を実感した。

「私もいつか今回みたいに依頼者を満足させるアーティファクトを作りたいです」

「それなら、やっぱり、設計図からしっかりしろ。ライラさんみたいな依頼だけじゃなくて、日頃請ける依頼もちゃんとやっていけ」

「はい」

 工房のドアが、ガチャッと開くと、アストルムの空色の髪が見えた。

「フィル、お客様がアーティファクトの相談がしたいと……店舗まで来てもらえますか?」

「すぐ行く」

 その言葉に手にしていた道具を作業机において、慌てて店舗へと向かう。

 そこには初老の女性が立っていた

「お待たせしました。話は奥の事務所でお伺いします」

 フィルは営業スマイルを浮かべて、事務所に繋がるドアを開ける。

「アルスハイム工房へようこそ」

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