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アルスハイム工房へようこそ  作者: 日向タカト
第4話「オルフェンスの対岸」
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チャプター4 「星と魂の煌めき」25

 それとは対象的にフィルの表情が陰った。

「竜から得られる素材をお渡しすると約束していたのに、竜の身体はなにも残っていないですね」

 フィルが竜核を割った時、魔力で構成されていた竜の身体は霧散してしまった。二頭目の竜はマリスの極大魔法で跡形もなく消えてしまった。

 ここまで尽力してくれたセリックに報酬と呼べるものはなにもない。

「いや、ちゃんと素材はあるよ」

 そう言って、セリックが革袋を放り投げた。

 フィルは革袋を受け止める。

 ずしりとした重さがあった。

 革袋の口を開けると、中には赤い宝石の塊がいくつか入っていた。

「これって……竜核の欠片ですか?」

「君が倒した竜のものだよ。竜核は砕けてしまったけど、これには価値があると思う」

 それに。と付け加えたセリックの視線は、エリシオンの門があった場所に向かった。今は残骸が山になっているだけだ。

「これがなかったら、僕は調査チームにどんなことを言われるか」

 セリックは乾いた声で笑った。

「君も一塊も持って帰りなよ」

「でも、これはセリックさんの報酬じゃないですか。竜から採れる素材をお渡しする約束ですよ」

「それは僕が竜を倒したらだろ? 竜は君が倒した。だから、君には受け取る権利がある。そして、君自身が成したことの証拠になるだろ」

 彼は拳大ぐらいある竜核の欠片を、フィルの手に置いた。

「ほら、夜が明ける」

 昇り始めた太陽の光が少しずつ、地下遺跡の天井の向こうから差し込んできた。

「帰ろう」

「はい」

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