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光は消えない  作者: 真宮 つき
4/10

卒業

「結局、同じ結果だったね」

 綾先輩は唐突に喋り出した。

「はい......」

 悔しかった。 しかしどうすれば良かったのか、他に方法があったのか、 いやどうしようもなかった。 これが正解だと感じた。

 恐らくだが、あの光を見るべき者は自分達ではなかったのだろう。 きっとその誰かがその光に向かった時──真実が明かされるのだろうと。

「綾先輩。 俺、いつかあの光の謎を明かします。必ず」

 健は決心した。 もちろん確信はなかったが自分が今するべき事はこれだと──。

 綾先輩は呼応する。

「はいよ、 任せるわ。 私は高校に入っても文芸部あったら入ろうかなーって思ってるかな」

「そうですかーとりあえず受験ですね」

「そうね。 まあ、 頑張るわ」

 綾先輩は笑顔で答えてくれた。

 それから光の探求部にも顔を出しつつそして様々な活動をしているうちにあっという間に時間が経って、 綾先輩は無事高校を合格した。 そして卒業式当日。

 部室で綾先輩とその他の部員でお別れの会を開いた。

 今更ではあるが、 綾先輩と健以外の残り二人の部員を紹介しよう。 二年生の先輩、 三島 美華。 もう一人が同級生の山野 和馬だ。

 この二人にも自分がきっとあの光の謎を明かしてみると伝えた。 「期待してる」 「任せた!」など良い返事をしてくれた。 本当に良い人達で、素晴らしい部活だ。

 そして、この光の探求部に誘ってくれた綾先輩は今日で卒業してしまうが、 本当に感謝している。 楽しかった。 同時に光の謎を明かして恩返しもしたい。 必ず。

 皆でお礼の言葉を送った。

「綾先輩卒業おめでとうございます! 毎日こんな楽しい部活を日々をありがとうございます。 高校でも頑張ってください! そしてまた会いましょう」

「ありがとう! また皆で集まろっ!」

 皆、 我慢はしていたが、やはり涙を流してしまった。

 綾先輩は卒業して、 それから光が落ちることはなかったが、 しばらくして健も卒業する時期がやって来ていた。 進学先はなんと綾先輩と同じ高校でその事を綾先輩にメールで送ったら全く予想もしていない返事が返ってきた。

「えぇ!? 本当!? それは凄いや! でもさ私、今留学してるんだよね·····」

 衝撃だった。

 詳しく聞いてみると入学して文芸部に入部しようと思ったが、 なんと部員は0人。

 つまり活動していなかったそうだ。 新入生の綾先輩でも頑張れば集めれそうな気もするのだが。とは思ったが、どうやら綾先輩は前から日本以外の色々な世界を見てみたいと考えていたらしく、 イタリアへ留学を選んだそうだ。

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