其ノ七 肝試し
其ノ七
「いや、やはり女の子と一緒にすべです。あの容姿では男子部屋に配属してはあぶないでしょう」
「しかし林先生、彼は男の子なんですぞ。しかも腕力だってかなりある。それこそ危険というものでしょう」
「いやですから…」「ですがそれだと…」
どうやら愛鬼の部屋をどこにするかで揉めているようだ。その気持ちはよく分かる。僕だって迷うさ。
そこでひとつ僕から提案する。
「先生!愛鬼を僕と同じ部屋にすればいいんじゃないですか?幼馴染だし安全であると思いますよ?」
「うーん…でもなぁ…悪くは無いと思うんだけど…」
「いやいいんじゃないですか?それならば安心できますし」
「なら龍神さんも一緒にしてはどうです?彼女なら安全だと思いますが…」
ほほう。つまり僕が愛鬼になにかしようとしたら零奈が止める。愛鬼が零奈になにかしようとしても自分の身は自分で守れるだろう。ってことか。
「ではそうしましょうか!」
こうして幸運なことに仲良し3人組は一部屋に集結したって訳だ。
ベッドの数は8、1番小さい部屋とはいえ結構余る。
ま、いいっかっ!物置にしーちゃおっ。
それぞれ思い思いの場所に陣取る。愛鬼は一番奥の一番奥を取って
「俺ここー!」
といった。
「こーどーもかっ!」
「子どもだろうが。まだ12だぞ?はっちゃけさせろや」
「12歳がそんな喋り方しちゃやだよ!」
「なにが、やだよ!だ。6年前に言語能力置いてきたのかよ」
「そーゆー愛鬼だって、喋り方だけ60年後みたいだよ?」
「だけってなんだよ!あ、いや…72だもんなぁ…それでいいのか」
「追記。脳みそは97歳レベル」
「この国に法律があってよかったな。でなきゃ今頃お前の首はここの法律圏外にいたぜ」
「ははっ、かわいい冗談だ!」
「冗談かどうかその首使って試してみるか?」
「ちょっと商談といこう。謝るから僕の首は見逃してくれ」
なんて小粋なジョークのやり取りを零奈は微笑みながらみていた。
そしてそれから、普通に2度目の合宿を楽しんだ。何の変哲もない合宿だった。
そして2日目の夜。さて…今夜のイベントは…キャンプファイヤーと肝試しか…
「零奈?顔が引き攣ってるよ?」
「えっ!?き、気の所為じゃないですかっ?ははっ、はははははー」
「普段じゃ絶対にしない笑い方してるよこれまずいよ」
まぁ僕と愛鬼が同じ班だから問題ないはず。そこは仲良し組で〜みたいな感じだ。
僕と愛鬼はまぁ…妖怪だから。大して怖くはない。
さて、そろそろ僕達の班の番だ。
「うぅ…」
「心配すんなって!俺達が着いてっからよ!」
「そうだよ零奈ちゃんっ!こわかったら私にしがみついてねっ!」
「まぁ大したことないよ!ぜーんぜんへいき!」
「そ、そうですか…そうですねっ!頼りにしますねっ!」
その後、零奈は迷子になった