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落第妖狐転生伝  作者: 陽野 月美
5/15

其ノ四 普通の日々

其ノ四


という訳で物語スキップして小6に。

小6ともなると結構ネタが増えてやりやすかったりする。

さて、変わったことをざっと話そうか。

まずは愛鬼(あき)について。

彼女…もとい彼は本名を隠し神義者(しんぎしゃ)となった。名前はデーモン。鬼は英語でデーモンと言うらしくついでに悪魔という意味もあるからだそう。

愛鬼の性格とか名前的に悪鬼とか魔鬼(まき)とかでも似合うと思ったんだけど


「悪鬼ってお前…中々失礼なこと言うじゃねえか…それに魔鬼ってのは女っぽいだろ?俺には合わねぇよ」


と相変わらず自分の容姿について否定的である。勿体ない。

お次は僕の事でも話そうかなっ。

とは言っても一向にお力がお目覚めになられる気配もないしとにかく体術に専念したかな。

今のところ体術だけで言えばそれなりに強い方に分類されると自負している。

この体は本当に扱いやすい。目もいいし、パルクールもしやすいし。

しかしまだ落ちぶれの域ば出ていない。

体術が鍛えられたとはいえ、愛鬼には遠く及ばない。

あ、それからそれから。あの時紹介しそびれたけど僕には妹もいる。

琴姉同様、血じゃなくて魂で繋がってる感じだけど。名前は騎狐 琴葉(ことは)

琴姉とは実の姉妹であり僕とは事実上の兄妹。

年齢は一個違いで僕が真ん中。

さてお次は零奈(れいな)とかどうだろう。

実は3年前の運動会から僕、零奈、愛鬼の3人は仲良しトリオ的なものになっていたのだ。

意外にも3人の相性はよかったみたい。

ま、身体能力がとても高い愛鬼と零奈が仲良くなって、 それに引っ付いて僕も仲良くなったって感じだけど。

早く僕も能力目覚めないかなぁ…そうすれば今までの努力がやっと実を結んだと言えるのに…

さて気を取り直して授業授業。今の時間は体育、そしてバスケ

相変わらず零奈と愛鬼は凄まじい運動神経だ…

ちなみに僕は球技は苦手、力加減が難しいしコントロールが悪いから。


「吉田ヘイパス!」


「佐久間上がって守って!」


『ワイワイガヤガヤ…』


みんな張り切ってるなぁ…


「桐島決めろ!!」


うわ、パス回ってきた。


「うわぁ…そりゃっ!」


投げたボールは凄い勢いでゴールの少し左に飛んで行った。ほーらこーなるんだよ。


「おいなにやってんだよー!」


「ごめんごめんっ!コントロール悪くてっ!ってかこれ最初に言ったよね…」


「いやまさかここまでだとは思わなかった。なんかごめんな」


「うるせぇ…謝るな…謝るなよっ…!」


子ども故の悪意無き一言…結構傷つくなあ…ちなみにドッヂボールは結構得意。あれならば何故か当てれるし僕の球を取れる人なんてそうそういない。


「よっと!食らえや希華(のぞか)ぁぁぁ!」


いたわ。このパワー系美少女め。


「うわぁぁぁ!!やめろっ!そんな力で投げるなぁぁぁあ!!!」


何とかギリギリで避ける。当たったら死ぬなこれ…


「そりゃ!!」


「なんの!!」


「くらぃぃやがれぇぇぇえ!!!」


一人バトル漫画してるやついるけどやっぱりドッヂボールはどの世界でも人気みたい。


「うおっと」


危ない危ない物思いにふけってたらボケっとしちゃってた。ま、当たんないけど。

…ん?なんか味方結構減ってない…?


「うわーっ!」


「っしゃぁ!」


…拙いな…愛鬼が強すぎる…


『頑張れー!頑張れー!』


周りで女子が応援してるせいかみんなやる気だなぁ …

おっと、僕のとこにもボールが飛んできた。今度はキャッチ。投げたろ。


「それっ!!」


「ぐはぁっ!?」


……よし!命中!!血反吐吐いたような声がしたけど気の所為所為!殺してないからセーフ!


「クソっ!浜田がやられた!!」


「なん(むご)い事を…!」


「やれーー!!!桐島を逃がすなっー!!!」


あー…もしかしてこれやばい?あっははー…


「くそっ!桐島っ!どうする?!」


「えー…どうするってえー…まぁなんとか踏ん張るしかない…よな…頑張ろ!」


「おう!で、なにか作戦は?残り3人だけだぞ?」


「………は?」


あ、ほんとだ。僕と中島君と佐藤君以外居ないや!あっははー!これ負けた!どころか死んだ!!僕の異世界転生物語ここで終了!!!ちゃんちゃん♪


〜落第妖狐転生伝 〜完〜


ってまてまて。朗らかに人生諦めてる場合じゃない。

割りとまずいな…まぁなんとかなる。てか何とかする。


「おらっ!」


「よっ!ほれっ!」


「ぶぐはぁぁっ!?」


だからなんでみんな血反吐吐くの?!死にたがりか!?


「オラ死ねや桐島ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


「よっと、それっ♪」


「うわぁぁぁぁあぁ!!?!??ぐはぁぁっ!!」


ねぇねぇ。ここって学校?戦場じゃない?


「学校は…戦場だ…」


「いやかっこいい事言ってんじゃねーよ。負けかけてんだよ。てかほぼ負け確だよ」


「おいおい。そんな暗い考えしてんじゃ…」


「うわぁぁっ!?」


「佐藤っっっ!!お前もこっちに来ちまったか…」


「……なぁ、俺たちなんのために争ってるんだ?」


「落ち着け中島君!!僕らはまだそんなこと考える年齢じゃない!!さっきまでの威勢はどうした!!諦めるな!!」


「そ、そうだなっ!よし!張り切ってやるぜぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」


中島、OUT

桐島チーム。残り1人。

その後、愛鬼に狙われ、体育の時間が終わるまで逃げ続けた。終わった時、桐島少年の顔は、地獄を見た顔だったと言う。

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