其ノ十一 誕生日
「「「希華 !12歳おめでとー!!」」」
と、言うわけで。僕の12歳の誕生日だ。親戚の妖狐一同勢揃いして僕のうちの庭で誕生日パーティー。
「みんなっ!ありがとうっ!」
「いや〜…あの小さかった希華がもう一端の妖狐に…くぅぅ〜感動〜!」
と、3歳上の従姉弟で父さんの弟の娘の優里香姉さん
「お前もあんま変わんないだろ…」
と、言ったのは優里香姉さんの兄の妖兎兄さん
「うっさい!狐かうさぎかわかんない名前してるくせに!」
「はぁ?!おま、言っていい事と悪いことがあんだろが!!」
「まぁまぁ落ち着いて…」
騎狐家は少々元気が良すぎるきらいがある。
さて、従兄弟たちに挨拶してこなきゃな。
取り敢えず近場にいた妖司に声をかける。
「やぁ妖司!いい服だね!僕も欲しいや!」
ちなみに皆同じ和服である。
「よう、希華!ひっさしぶりだなぁ!相変わらず元気なようで安心したよ!」
「まぁね!僕の元気はそう変わらないさ!天気じゃあるまいし!」
「言えてる。誕生日おめでとう」
「ありがと、またね!」
妖司と挨拶を終えた後その場にいた全員と挨拶し終わった。
さて、どうしようかな。取り敢えず我が姉妹を確認しておこうか。確か裏で母さんと一緒に料理作ってるハズ。
と、我が妹の琴葉と出くわしあた。
「あ、兄貴、どしたん?手伝ってくれんの?」
「いや、様子見に来ただけ」
「希華も手伝ってよ!」
「琴姉まで…ぼかぁこういったことは苦手でねぇ…」
「いいから手伝え!」
と、料理の乗った皿を押し付けられた。
「じ、実力行使とは卑怯な…まぁいいや…」
「へっへーん!じゃ、ウチは別の取ってくるから!」
「ちぇっ…酷いや酷いや…」
「ぶつくさ言わずにさっさと運んで!」
「はいはいわかってるよ…」
ぶつくさ言いつつさっさと運ぶ事にした。今日って僕の誕生日じゃありませんでしたっけ?
宴会場に付き、空いてる場所にお皿を置いた。
「おう、希華!ご苦労さん!」
「妖次郎おじさん!久しぶり!」
さっき挨拶をして回った時はいなかった。という事はさっき戻ってきたって所だろう。多分御手洗だろう。
「おう!久しぶり!元気してたか?」
「見ての通り!おじさんも元気?」
「おうよ!それだけが取り柄ってくらいなもんだ!」
「さっすがぁ〜!」
自分の仕事を終えもう一度室内に戻るど我が姉妹が外出しようとしていた。
「お、どっか行くん?」
「おつかいよおつかい。食材が無くなってきたから」
「あーはん。気を付けてね。いってっさー」
「うぃー、いってきまー」
「まー」
妹に限ってはまーだけだったがまぁいい。まーいい。
そう言えば古典ではまうと書いてもうって読むんだっけな…いもうと…いまうと…いまうとのま…いやくだらなさ過ぎる。やめようやめよう。
「さて…そろそろ円もたけなわってるだろ」
というわけでそろそろ庭に戻ろう。
「ん?なんだ…?」
妙な気配がする。
と次の瞬間。
「―!!」
口元を抑えられ僕は拘束されていた。