プロローグ 魂
プロローグ
ここはどこだろう?何だかもやもやした場所だ。
「よお、目が覚めたか?」
うわっ、なんだなんだ?目が覚めたってことは僕は寝てたのか?
「んにゃ、お前は死んだ」
は?死んだ?てか何で僕の心の中を詠んでるんだ??
「そう、お前は死んだ。だから目が覚めたというよりも冥が覚めたって感じか?そしてなんで心を詠めるかってのは…それはここがお前の魂の中だからだ」
わけがわからない。いきなり死んだと聞かされてここは僕の魂の中だと言われた。
ああ、どうせ夢か何かのたぐいだろう。意識があるから明晰夢かな?
「だから夢じゃないって言ってんだろ?夢の中でこんなに意識ハッキリしてるか?いくら明晰夢でもここまでじゃないだろう」
まぁたしかにそれになんだか妙に落ち着くというか焦れないと言うか。それがむしろ怖いのだけどその恐怖も有耶無耶になって消えてゆく。
何だか本当に死んでしまった様な気がしてきた。
「だからお前は死んだんだってば…やっと認識したか?てか生前の事どんくらい覚えてる?」
生前?えっと…確か、そう学生だった。たしか…中学だった気がする。
てか結構覚えてる。常識、法律、知識(まめも含む)。意外と大丈夫かな。
「よし覚えてるな。じゃどんな人間だったかは覚えてるか?」
どんな人間だったか…僕の人間性…でもどうだろう。早死するくらいだから命を軽んじるひねたガキだったんだろうな。てか自分が死んでるのにこんな冷静なんだし。まともなやつでは無かったと思う。
「まぁだいたい正解だ。でも生き様としては中々魅力的なものだったぜ。人間味をしっかり持ちつつどこか機械のような冷たさも持ってたな」
…やっぱりろくな奴じゃなかったみたいだ。バカは死んでも治らないって聞くけど僕はこのままバカのままなのかな…ん?というか大事なことを忘れていた。このあと僕ってどうなるの?てか君誰?
「やっっっっっっと聞いてくれたか。そろそろ俺から切り出そうかと思ってたんだ。まずは自己紹介から。俺は俗にいう悪魔ってやつだ」
悪魔?ってことは僕の魂を貰いに来たの?
「違う違う。むしろ逆だ。お前を違う世界に誘ってやろうと思ってな」
え?何で?
「ぶっちゃけ言うと気まぐれ。あと何となくお前面白そうだったし。ちょうど良く丁度いい死に方したし丁度いいなって。」
ほぉーなるほど?丁度いいねぇ…
「なんとなくお前の生き様って奴をもっと見たくなってな。それにお前、生まれ変わったら物語の主人公みたいな奴になりたいって思ってただろ?それに努力の出来る人間になりたいって。だから叶えてやる代わりにり、お前の生き様を見せろってな訳だ」
ほうほう。有難いような迷惑なような…ま、ご好意という事で有難く生まれ変わっておこう。なんてパワーワードだ。
「あ、そうだ。色々めんどくさいからお前が元々いた世界の改良版みたいなのでいいよな?法律、常識などはほとんど一緒で」
うん。むしろそっちの方がいい。ありがとう。
「へっ、別に礼なんていいさ。その代わり面白くなかったらぶっ殺す」
最後の一言は聞かなかったことにしよう。
さぁ僕の新しい人生の幕開けだ!