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ヴォルターが扉から出た先はを白い壁に囲まれた部屋だった。

扉は、ヴォルターが部屋に入った瞬間に消えた。

ヴォルターは部屋の中を見渡した。

部屋の中には四角いテーブルが一つと

二人掛けのソファーが二つそのテーブルをはさむように置かれていた。

だがこの部屋には部屋から出るための扉がない。

ヴォルターはソファーに腰かけ誰か来るのを待つことにした。


待つこと数分。壁の一か所に扉が出現し扉が開かれた。

扉から出てきたのは見た目、

齢六十を超えているだろうと思う見た目の男性だった。

「すまんね。待たせたかの。」

男性はヴォルターが座っているソファーの向かい側に歩いた。

ヴォルターは、男性に挨拶しようと思い席から立ち上がった。

「話はメアリから聞いているよ。確か名前はヴォルターで合っていたかの。」

「儂はこの世界で神をしているバロンじゃ。よろしく。」

バロンは、右手を差し出し握手を求めた。

「ヴォルターだ。よろしく。」

ヴォルターも右手を差し出した。

二人は握手をし、バロンに腰を下ろすよう促された。

「さてと、一応メアリからは大まかな話は聞いているんじゃが。」

「やはり彼女は、もう・・・」

ヴォルターは静かにうなずいた。

「・・・そうか。」

バロンは、その返事だけで察したのだろう。

バロンは少し寂しそうな顔をしていたがすぐに表情を戻した。

「して、ヴォルター。メアリからは旅をするために

儂の世界を紹介したと聞いているが。旅の理由を聞いてもよいかの。」

「メアリから別の世界が存在すると聞いて興味がわいた。

ぐらいの理由ですよ。」

「そうか。」


「一応お主に聞いておきたいことがある。」

「儂が懸念していることなんじゃが。

ヴォルターお主。儂の世界を滅ぼす気はあるか。」

バロンは鋭い眼光でヴォルターを見ている。

「それは時と場合によりますね。」

そうヴォルターが答えたときバロンの眼光は鋭いままだった。

「誤解しないでください。私の目的はあくまでも旅ですから。」

「だが、お主はメアリの世界で龍の王として龍を率い、

人を滅ぼしたのじゃろう。」

「ええ、そうです。ですが元々は滅ぼす事が目的では

ありませんでしたから。」

「最初は人から仕掛けてきました。私が王になる前の先代の王は

戦争になる前に和睦の使者を人の国に送ったのですが

その使者は瀕死の重傷を負って帰還しました。」

「使者が言うには、人の国の王は龍と和睦する気はないと激昂し

その龍を攻撃するよう部下に命じたそうです。

その龍も先代の王に報告した後、息を引き取りました。」

「その結果先代の王は戦争は止む無しと考え数百年にもわたる人と龍の戦争が起こりました。」

「ですが、先代の王は和睦を諦めておらず人の国の王が代替わりするたびに

和睦の使者を送りましたが結果は変わりませんでした。」

「その後、先代の王は人との和睦は無理だと悟り、

人の国に和睦の使者を送ることをやめました。」

「そして、先代の王は戦場で命を落としました。」

「次の王を決める話し合いの場で私が龍の中で唯一魔法が使えるということで私が王となり。その後、私が龍達を率いました。」

「結果として私以外の龍と人は滅びました。」

「ですが別に私は人は嫌いではありません。

人とは友好的に接したいと思っていますよ。」

「だから私は時と場合によると答えたのですよ。」

ヴォルターも、そう話しながらバロンに向ける眼光は鋭くなった。


バロンは目を閉じ。

「そうか。」と一言呟いた。

「メアリから話を聞いたとき少し心配だったのじゃが、大丈夫そうじゃの」

「もし戦闘狂みたいな奴が来たらどうしようかと思っておったよ。」

「メアリが神の力を譲った相手だ。お主のことは信用しよう。」

「ただ、もしお主が戦争をすることになっても世界を崩壊させることだけは

やめてくれ。」

「神の儂でもお主を殺すことはできぬからな。」

「メアリからは神と五分五分の戦いができる龍と聞いていた

その龍が神の力も手に入れたならもう生半可な神では

お主を殺すことはできんからな。」

「頼むぞ。ヴォルター。」

バロンは真剣な表情でヴォルターを見ている。

「バロン。私も他の神の世界を勝手に壊しはしないよ。」

「そこは、信用してくれとしか言いようがない。」

「だが、私もバロンの世界にお邪魔させてもらってるのからな。

バロン、もしこの世界で困ったことがあれば私が力を貸そう。」

「おぉ、それは助かる。」

「儂はここにいて世界を維持しないといけないからのう。

だからここを離れるわけにはいかないのじゃ。」

「だからもし困ったことがあれば言ってくれ。」

「その時は、お主に連絡するからの。」


「さて、話が長くなったのう。」

「ヴォルター。そろそろ儂の作った世界に行くかの。」

「いや、その前に服を変えたい。今着ている服は私の世界にいた人の服を元に

魔法で作った服なんだが、どうも私の趣味に合わなくてな。」

「だったらほれ、この本から選んでみるかの。」

バロンは一冊の本をヴォルターに手渡した。

「その本は儂の友人の神が作った本なのじゃが別の世界の服装について書かれている本じゃ。挿絵もあるからイメージしやすいであろう。」

「その神もお主と一緒で自分の世界を作らず旅をしておる。」

「たまに儂の世界に立ち寄って土産を置いていくのじゃよ。」

「そうか。では選ばせてもらおう。」

ヴォルターは本に目を通し、あるページでヴォルターは手を止めた。

「この服にするか。」

ヴォルターが選んだ服はある世界でスーツと呼ばれている服だった。

「ワイシャツは白で、ジャケットとズボンは黒にして、

ネクタイはいらないな。革靴なんてあるのかこの靴も作ろう。」

ヴォルターは魔法で今着ている服をスーツに変化させ

履いていた靴も革靴に変えた。

ヴォルターはソファーから立ち上がり体を動かしてみた。

「ふむ。ちょうどいいな。ジャケットは羽織るだけでいいだろう。」

「お主。前の服装より似合っておるぞ。」

「だよな。私の人の姿は人でいうと四十手前ぐらいのおっさんですからね。」

「それなのにあんな服、着てられませんよ。」

「てか、お主、人の姿で行くのかの。」

「ええ。人の姿の方が場所も取らないし、目立ちませんから。」


「では、どうぞ。準備はできました。」

その言葉を聞きバロンは立ち上がり壁に向かって歩いた。

バロンは壁に手を当てると壁だった場所に扉が出現した。

「この扉に入れば儂の作った世界に行けるぞ。」

「儂の世界についての説明は、いや、しないほうがよいじゃろう。

そのほうが旅のおもしろみもあろう。」

「あ、そうじゃ。お主がメアリから渡された鍵があればいつでも

ここに来れるから、たまに遊びに来てくれ。神は意外と暇なのじゃ、

話し相手にでもなってくれると嬉しいのう。」

「ああ。その時は何か土産でも持ってきますよ。」

「頼んだぞ。」

「では、またなバロン。」

「ああ。土産、楽しみにしておるぞ。」


ヴォルターは、バロンと別れ扉の中に入って行った。






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