それぞれの想い 解決
第九章 それぞれの想い
足音の主は、女の人で乱れた薄茶色の髪の毛をしていた。
「どいて、あんた達は何の用で来てるの?」
卓は自分の気をしっかりもってこう答えた。
「この前の殺人事件の捜査をしてたんです。」
女の人は意味分からないといった顔をした。
「はぁ?あんな子供が?あんたらには関係ない話でしょ?」
そう言い捨てた後、右手にカッターナイフを握り締めた。
「退いて、私には大事な用があるの」
そして振り上げられた腕に卓は見覚えがあった。
「あなたはひょっとして…夏目ちゃんを殺した…」
女の人の動きが止まった。
「なんで…、なんでそれを知ってるの?!」
「俺達はずっと夏目ちゃんと壮矢さんの事を追ってたんです。そしてこの場所に辿り着きました。」
女の人は怒りの余り、顔を歪ませた。
「…山口美代さん、ですよね?あなたは壮矢さんの事が好きだった。」
「………そうよ、でも壮矢は私の事は全然見てくれなかった!」
そしてカッターナイフを卓に向けた。
「これ以上、私の邪魔をしないで」
卓は刺されかけたが、瞬が取り押さえてくれたのでなんとか助かった。
「警察には通報した、多少山なりの場所だがすぐ来るはずだろう。」
美代は歯を食い縛った、そして右手のカッターナイフが地面に落ちた。
卓がそれを拾うと、血に濡れて倒れている壮矢と夏目の姿が見えた。
「やっぱり、あの人が………」
その時、遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえた。
終章 解決
四人は美代がパトカーに乗せられるのを遠くで見ていた。
「これで全てが終わったのかな…」
「ああ、そうだな。」
卓は優月と亮也の方を見た。
「二人とも、ありがとう!」
二人は笑った。
「最初はちょっとえっ?!、って思ったけど楽しかったよ」
「卓、これからも死出山怪奇少年探偵団としてやっていこうな!」
「うん!」
三人は死出山を見上げていた。
「……そうか、やったんだな。」
茂は新聞に目を通した。
「卓君達、凄いじゃない!」
志保はそれを背後から覗いた。
「卓君もまた、『風見の少年』なんだな。よし、また物語を書こう。」
茂は立ち上がって前を見た。
「卓君が主人公の物語さ、きっと良い話になる」
「そうね、卓君もきっと喜ぶわね…」
…季節はもうすぐ夏、卓達はこの夏休みにもまた死出山について追う事になる。その話はまた何処かで話すとしよう。