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死出山怪奇少年探偵団一  作者: 無名人
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死出山怪奇少年探偵団結成!

序章

……かつて、この地には死出山町と呼ばれる場所があった。死出の山…、この世とあの世の狭間であるのかよく人が死に、霊が集まっていた。

だが、その地には現在人は住んでいない。すっかりそこは文明に取り残され、その過去も忘れ去られようとしていた。

だが、それを追い求めようとする少年達が居たのだ。



第一章 探偵団結成!

…H県N市白浜町青波台、そこは海と山を繋ぐような台地にある都会の町だった。そこで暮らす小学五年生の少年風見卓は幼い頃から、ある小説の影響で死出山町や死に興味があった。


そんなある日、卓は幼馴染の篠原優月と一緒に小学校から帰るとこだった。

突然大きな音がしたと思うと背後で男の人が血を流して倒れていた。

「えっ…?」

すっかり気が動転した卓だったが、側にある公衆電話を見つけるとすぐさま電話を呼んだ。

そして、救急車が来るまでじっとそこに座っていた卓は、男の人のポケットから何かがはみ出しているのに気がついた。そして、それを取り出そうとした時だった。

バチッ、と静電気のような痛みが走った後、周囲が真っ暗になった。

「卓君、どうしたの?」

優月にこう言われてはっと我に帰った卓はそれを広げて呼んでみた。どうやらそれは子供の字で書かれたメモらしい。

「『さくらのきのしたでまたあおうね、なつめより』か…。」

そして、そのメモの中には死出山行きの切符が挟んであった。

「死出山、か…。」

「卓君?」

卓は不謹慎だが、目を輝かせた。

「これはひょっとして事件じゃないか?」 

「えっ…?」

言われて見れば男の人の体には刺されたような傷がある。

「これ、俺達で解決してみないか?」

「えっ、これを?」

「よし!死出山怪奇少年探偵団結成だ!」

「結成って私達しか居ないんだけど?!」

その時、背後から卓のクラスメイトの影山亮也がやって来た。

「僕も、入っていいかな?」

「もちろん、大歓迎だよ!」

乗りに乗っている卓の一方で、優月と亮也はお互いを見合わせて黙り込んでしまった。

「でも、卓君なんか楽しそう。」

「よし、早速明日死出山に行って調査だ!」

「えっ、ええっ?!」

卓はこの上ない笑顔だった。



第二章 死出山へ

卓、優月、亮也の三人は電車に乗って死出山に向かった。滅んだ町の駅に向かう電車は二時間に一本しかない。そんな中、卓達は死出山について話していた。

「そういえば私、死出山について全く知らないや。」

「そっか、『闇深太郎』さんの小説にも登場するんだけどね、お父さん達の故郷なんだ。よく人が死んでたらしいけど…。」

「卓も『闇深太郎』を知ってるのか?」

「えっ、亮也も?!」

卓は目を輝かせたが、亮也の方は顔をしかめていた。

「それって卓君がしょっちゅう言ってるあの人?」

「うん、怪奇小説家『闇深太郎』、死出山の事件を元にした小説を書いてる人で、お父さんが全巻持ってるよ。」

「へぇ、そうなんだ。」

電車は山道を超えていく。

「俺、色々調べたい事があるんだ。まずは桜の木、そしてなつめの事と、出来たらあの男の人の事。」 

「確かに、死出山に行けば分かりそうだよね?」

「うん…。」 


そして、電車は死出山に着いた。

「卓君?」

「俺、死出山に登ってくる。二人は小学校の方へ行っといて。」

「う、うん…」

そして卓は死出山の方へ向かってしまった。


優月と亮也は小学校の方へと向かう。

「ねぇ、どうして亮也君は少年探偵団に入ったの?」

亮也は意味ありげな表情だった。

「別に、なんとも」

人一人居ない町は朽ち果てるのを待つばかりだった。

「そういえば、小学校って何処なんだろ…」

そう呟いた時、突然瓦礫が崩れた。そして中からもやもやとしたものが現れる。

「これは…、なんだろう。」

優月が近づいた次の瞬間、もやもやとしたものは敵意を持って二人を追いかけようとした。

「とにかく逃げよう!」

亮也は優月の手を引いて、一緒に逃げた。そして隠れられそうな茂みを見つけると、すぐさま飛び込んだ。

「昼に出るなんて思わなかった!」

亮也はため息をついた。

「まぁ…この地だからな…」

そして、そこから抜け出そうとしたその時、形がヨレヨレになった帽子を見つけた。裏を見ると『ひらおかなつめ』と平仮名で書かれている。

「これは…」

「あのメモの子か?」

二人はとりあえずこの帽子を持っておく事にした。


一方卓は、桜の木を探しに死出山を登っていたが、それらしきものは見つからない。

「ねぇ、そこの君」

背後から声がして振り向くと、どこかしら卓に似ているような子供が現れた。

「君は、この町の子?」

おかしいはずだ。この町には既に人は居ないはずなのに…。

卓は唾を飲んでその子を見つめた。

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