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終わらない悪夢  作者: かるあみるくたん
3/3

僕を殺す僕

呪い。




呪い呪い呪い呪い。





僕は呪っていた。僕は僕を呪っていた。



朝起きて布団の中で僕を呪う。


朝ご飯を食べながら僕を呪う。


歩きながら僕を呪う。


学校にいる間は僕は僕を呪うことを考える。


家に帰って僕を呪う。


夜ご飯を食べながら僕は呪われる。



どうか僕を殺してください。


列車に轢かれてミンチになりたい。

高層ビルの屋上から飛び降りたい。

生きたまま焼かれてみたい。

いや、僕は僕を殺そうじゃないか。






寝る前に鏡を見た。


そこには僕ではない僕がいた。



僕は誰だっただろうか?


背中がひやりとしたので振り返ってみた。


そこには僕がいた。


目玉がくりぬかれた僕だった。


呪いが成功したのかもしれない。

僕は呪いが成功して嬉しく思った。

僕は呪いを強く信じている。


長期間強く呪うことによって本当に相手に呪いの効果が表れる。


僕は1日中僕が呪われることを自分自身で強く願っていた。


僕は僕を呪うことによって喜びを感じていた。


それはとても楽しいことなのだ。


「うふふふふ」


笑いがこみあげる。


呪いが成功した証拠に、目の前に僕がいた。


僕は僕を殺すだろう。


目の前にいる目がくりぬかれた僕は、ゆっくりと僕に近づいてきている。


僕は金縛りにあっているように動くことができない。


ゆらりゆらりと近づいてくる僕。


呪いをかけた僕と呪われた僕。僕を殺そうとしている呪われた僕。


僕は金縛りで動けない。どうやら僕を殺そうとしている僕も動けないようだ。









呪いは解けない。

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