僕の指。
僕は暇していた。
ナニモスルコトガナイ。
僕には趣味がない。
小さい頃からおもちゃを買ってもらったことなどないし、ゲームも漫画も持っていない。
部屋は殺風景だ。
ギリギリ、ギチギチ、ビリビリッ
僕は部屋で一人、唇を噛んで遊んでいた。
下唇の皮膚が破れ血が出た。
次に机の引き出しから裁縫道具を取り出す。
針を右手に取る。
それをそのまま左手の親指の爪の間に刺した。
「~~~~~~~~~~~~ギィィィ!!」
唇を強く噛んで叫び声を抑える。
痛い。痛い。痛い。痛い。
唇から血が流れる。
爪の間から血が流れる。
針をグリグリと押込む。
全身が串刺しにされたような痛みに悶える。
「ああっ…ううう…グギギギギギ」
針が完全に爪と指の間に入ってしまった。
どくん、どくんと血が脈打っている。
「なんて素晴らしいんだ。なんて美しい僕の指!」
僕は思いきってその親指を食べた。
がぶり。
ボキッバキッベキッ ゴキゴキッ
グニャリ、モグ、モグ。
針は気にせずそのまま食べた。
口の中が鉄臭い。血の味だ。
指の肉は生だけど大丈夫だろうか。
加熱するべきだったか。
さぁ、次はどの指で遊ぼう?
フフフ…
あはは…
うふふふふ。