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告白
高野はそうそうにメニューを決めて両手を組んで親指をくるくると回しながら、加東と村田の関係についてぶつぶつと話始めた。天童は適当に相づちを打ちながらパスタを決め、二人分を注文する。ウエイトレスが去っていくと高野はぐいっと天童に詰め寄るように真剣なトーンで強く言う。
「天童、私、村田のこと好きだわ」
「え、あ…そう。それは、どうもなんと言うか」
「うん、なんとでも言うて」
「うん…応援するな。高野ちゃんのこと」
「うん、天童、ありがとう」
友の思わぬ告白に運ばれてきた美味しいはずのパスタは味がせず。天童と高野、二人の会話もなかった。