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深夜の後悔

作者: 真浦塚真也

 本当に俺ってばーか。

 俺は俺を馬鹿にする。

 本当に情けないな。

 俺は俺を蔑む。

 本当にどうしようもないな。

 俺は俺にあきれる。

 本当に何やってるんだよ!!

 俺は俺を叱りとばす。


 君は悩んでいた。それは俺も知っていた。

 君は落ち込んでいた。それも俺は知っていた。

 君は痛みに苦しんでいた。もちろん、俺は知っていた。

 でも、だめだった。

 全然、だめだったんだ。 君は俺の想像よりはるかに悩んでいて、君は俺の想像よりはるかに落ち込んでいて、君は俺の想像よりはるかに痛みに苦しんで、もがいて、どうしようもなくなっていて、俺にその不安を語っている目を向けていたはずなのに。

 俺はだめだった。

 俺は全然だめだったんだ。

 俺は、君の悩みも、落ち込んでいることも、痛みに苦しんでいることも、全部分かっていたつもりになっていた。本当は10分の1も、100分の1も分かっちゃいなかったのに。

 それなのに、俺は君の彼氏でいれることに舞い上がっていて、君の心を読み取ろうとしなかった。

 いや、実際は浅はかな推測で君の心を間違って読み取って、それで満足していただけなんだ。

 その上、『俺って女心分かってんじゃん。』なんて勘違いして、勘違いな俺自身に酔っちゃって…。


 俺は最低のクソ野郎だ。


 一週間前、君からメールが来た。メールの中の君は、もう、どうしていいのか分からないのだそうだ。俺と一緒にいるとつらくなってしまうとも言ってきた。しばらく距離をおきたいとも言ってきた。最後に『いままで、ありがとう』のメッセージも添えてあった。

 君からのメールはそれっきりだった。俺からのメールにも電話にも反応はなかった。


 本当に俺ってばーか。

 俺は俺を馬鹿にする。

 本当に情けないな。

 俺は俺を蔑む。

 本当にどうしようもないな。

 俺は俺にあきれる。

 本当に何やってるんだよ!!

 俺は俺を叱りとばす。


 時計を見つめる。時計はいつのまにか日にちが引っ越して5時間程経ったことを伝える。

 俺は目を閉じる。寝るためじゃない。もう何も感じたくない。もう、流せる涙は底をついた。もう、後悔に浸るのに慣れすぎてしまった。

 時計はゆっくりと時間の進み具合を伝える。

 眠れない夜はまだ当分続きそうだ。

御覧頂きありがとうございます。

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