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男装ベーシスト*上*  作者: 五十嵐緋音
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序章

 胸を躍らせて入った高校生活で、私は絶望した。

 別にクラスメイトがどうとかじゃない。クラスメイトには悪い人はいなかったから。文化祭とかでも真剣にことをこなす私のクラスは逆に尊敬していたし、先生も期待していた。授業一つ一つもすごく楽しくて充実していたというのが事実だ。よってクラスの人ではない。

 私が絶望したのは部活動、私の入っていた軽音楽部でのこと。

 私はベーシストとしてあるバンドに所属していた。あるバンドとは「BLANKETS」。私の通っていた高校では名の通るバンドだった。近所の中学からは私たちに憧れて入ってくる人もいて、ある意味アイドルのような高校を過ごしてきた。


 では、何故__と思うかもしれないけれど、私としてはもう飽き飽きだ。


 女は__嫌いになった。

 そして、女をやめることにしたんだ。


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