表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/57

22:談話室

 シエルはまだ帰ってきません。

 明日、王都に戻って来る予定です。


 王様の依頼を受けた彼は、隣の国に視察に出かけているのでした。

 視察に危険が伴うかもしれないということで、シエルは彼ら視察係の護衛に付いているのです。

 魔法使いという職種の人は、そういうお仕事もあるみたいですね。

「心配ないさ、無事仕事は終わったと連絡が来たから」

 王様が休憩時間に訪ねてきて、人間用の談話室でシエルについて話をしてくれました。

 ここは、主に人間たちが集まったり寛いだりするのに使う部屋のようです。


 人間用の談話室ということで、当然他の人間も訪れています。

「アルトー! 遊ぼ! 遊ぼ!」

 王様との会話の間中、セゾンが彼の背後で騒いでいました。王様はそんな彼女を叱りもせず好きにさせています。本当に人間が好きなのですね。


「ところでネージュよ、ミエルやショコラとはどうだ? うまくやっているか?」

 ……王様ってば、まだ余計なお世話を諦めない気ですか。あなたのお見合い作戦には乗りませんよ!

 私は、彼に向かってはっきり答えます。

「普通です。二人に恋愛感情はありません」

 だから、私たちのことは放っておいてくださいね。

「そうか……ミエルはともかく、ショコラは上手くやると思ったんだがなあ」

「ショコラは、今のところ、つがいを持つ気はないと言っていましたよ」

 彼との会話を王様に教えてあげると、何故か妙な表情をされました。何なのでしょう?

「……そうか…………もう少し様子を見るかな……」

 そんな残念そうな顔をしないでください。

 どんな顔をされても、私もまだつがいを持つ気にはなれないのですから。


 王様の後ろでは、相変わらずセゾンが彼にちょっかいを出しています。

 彼の頬をツンツン突いたり、引き延ばしたり……恐れ多いことを。

「うむ……念のため、他の人間のお見合いについても検討しておくか。ちょうど、部下のところにセゾンくらいの年齢の雄がいたはずだ」


 セゾンまでお見合いさせる気ですか? 王様……?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ